モンハンサウンド初心者に最適なベスト盤!
コンポーザー(MH):甲田雅人、柴田徹也、高野充彦
コンポーザー(MH2):甲田雅人、小見山優子、岡田信弥、成田暁彦、百石元
コンポーザー(MHP,MHP2):甲田雅人、小見山優子、成田暁彦
ゲームのプレイ状況:未プレイ
しばらく脱線しておりましたが、再びこちらの企画に帰ってまいりました。
「PRESS START」2006年公演の演目に入った楽曲を収録したサントラのレビューになります。
今回は「モンスターハンター」の楽曲について記事にさせて頂きます。
聴いたのはモンハン3周年の記念盤として発売されたベスト盤である「狩猟音楽集」の第1作目になります。
「PRESS START」では2013年公演でも演奏されましたが、いずれも演奏曲はモンハンシリーズのテーマ曲とも言える「英雄の証」1曲のみになります。
私はモンハンシリーズのプレイ経験がなく、サントラも所持していなかったので、今回この企画を進めるにあたって「英雄の証」が収録されているCDを探すことになりました。
そして、オリジナルサントラは書籍のCDが付属されるという特殊な販売形態をとられていたため、こちらのCDを手にすることになりました。
私がゲーム未プレイである理由は、アクション性の強いバトルゲームに苦手意識があるというのが大きいです。
仲間と狩りに出掛けるというのは「楽しそうだな、羨ましいな」とも思うのですが、流行していた時期が個人的に忙しくゲームから離れていたという背景もあります。
いずれにしても未プレイなので、できる範囲内でのレビュー記事とさせて頂きます。
目次
CDの全体像
ベスト盤ということで4作品から選曲されております。
「モンスターハンター」、「モンスターハンター2」、「モンスターハンターポータブル」、「モンスターハンターポータブル 2nd」の4作品です。
メインコンポーザーは甲田雅人さんで、全作品を担当されています。
収録曲数は2枚組で36曲、収録時間は101分となっており、4作品からであると考えますと、やや物足りなく感じる方はいらっしゃるかもしれません。
加えて、ボス戦の楽曲はメドレー形式になってしまっているため、特に思い入れの強いシリーズ作品がある場合には、書籍の入手を検討した方が良さそうです。
さて、楽曲の全体的な構造ですが、オーケストラルなサウンドが基調になっておます。
そこに加わる楽器で印象的なのが、しっとりとした楽曲に用いられるギター(ガットギター?)や尺八の音色です。
激しいボス戦闘曲とのギャップが強く感じられ、激闘のボスモンスター戦がある一方、収穫を得て拠点の村に帰って一息つくといったメリヘリのあるゲーム性の部分を巧みに演出されている印象がありました。
トップレート曲
※ 背景色付は☆5、その他は☆4
[DISC1]
Monster Hunter
目覚め
Lioleus/咆哮~Lioleia/太古の律動~Gereios/毒霞~Gravimos/地裂
唸る一匹狼~イャンガルルガ
恵み深い人々の村
始まりの唄
英雄の証
[DISC2]
もうひとつのお楽しみ
命継ぐ者
Monster Hunter
「モンスターハンター」のオープニング曲になりますが、アレンジ楽曲はHIDE×HIDEさんのCDで聴いて知っておりました。
楽曲のみを聴きますと、「随分と前置きが長い楽曲だな」という印象があり、「オープニングムービーに合わせているのだからそうなっているんだろうな」と気付いたので、実際にオープニングを見てみました。
するとオープニングムービー自体にもシナリオがあり、二転三転していくので、思わず見入ってしまいました。
広大なフィールドの中で描かれる生と死のドラマというのが、これから繰り広げられていくんだろうなという期待が、オーケストラの壮大な音楽からも感じ取られました。
Lioleus/咆哮~Lioleia/太古の律動~Gereios/毒霞~Gravimos/地裂
ボス曲メドレーです。
個人的には大迫力の「Lioleus/咆哮」がお気に入りで、オーケストラの生演奏で聴いていたいなと感じました。
いかにもデカいモンスターを想起させます。
楽曲のタイプがそれぞれ異なるというのがまた興味深いです。
スピーディーな楽曲のボスは、やはり機敏な動きをするのでしょうか。
唸る一匹狼~イャンガルルガ
こちらも戦闘曲のようですが、パーカッションの音に強く惹かれるものがありました。
この軽快な楽曲の雰囲気からすると、このモンスターは、ちょっとふざけていて、おちょくってきそうな感じがします。
モンスターのキャラクターまで想像させるような素晴らしい楽曲だと思います。
恵み深い人々の村
「モンスターハンター2」の村曲です。
暖かみのある民族音楽風な楽曲という印象です。
ギター伴奏との相性は、尽く良いなと感じさせます。
始まりの唄
造語による歌唱なのですが、どんな場面で流れるのかが分からない私にも心に響いて来るものがあります。
日本語歌詞があるようで、それを見てみると「なるほどなぁ」と思いました。
私はモンハンの世界観については、「モンスターハンター」オープニングを見たことによってイメージをしているのですが、”生命”とか”大地”とか”天”とか、いかにもな言葉が並んでいました。
人やモンスターを含め、モンハンの世界における命の力強さ、儚さを感じさせられ、それを自身に置き換えたときに「ああ、そうだよな」と思わせる内容でした。
こちらもコンサートで聴いてみたい楽曲だなと思いました。
英雄の証
「PRESS START」の演奏曲となります。
モンハンの楽曲といえば、やはりこちらなのでしょう。
「モンスターに立ち向かうような勇ましさを感じさせるのは何故だろう?」と考えたのですが、主旋律の金管の力強さがその印象をもたらしている部分が大きいなと感じました。
ストリングスの繊細さとの間でもたらされるダイナミクスがまた魅力的に感じられます。
もうひとつのお楽しみ
「英雄の証」のアレンジ曲ですが、こちらは木管が主旋律で、一転砕けた雰囲気を出しています。
原曲とのギャップが良いなと思いましたし、同じ旋律でもこんなに印象が変わるのかと改めて編曲というものの奥深さを感じました。
ベストトラック
目覚め
「モンスターハンター」の村BGMになります。
ギターの伴奏と尺八による主旋律が印象的ですが、ゲーム音楽によくあるメロディアスなタイプの楽曲ではなく、どことなく哀愁が漂う雰囲気がします。
そんな第一印象がゲームプレイでどんな風に変わって行くのか、壮絶な戦闘の末モンスターを狩った後に戻ってくると、どんな風に聴こえるのか、興味が湧いてきます。
村のBGMとして聴くと新鮮さがあり、かつ穏やかなサウンドの聴き心地が非常に良いのでベストトラックに挙げさせて頂きました。
まとめ
「英雄の証」のイメージが強かったのですが、この機会に様々なモンハンサウンドを聴いてみて良かったと思いました。
個人的には「モンスターハンター」の楽曲が特に良いなと感じましたが、「モンスターハンター2」の民族音楽チックな要素が加わった楽曲の方を好む人も多そうです。
多彩なボスモンスターの楽曲に拘りが強く感じられたので、そこがメドレー形式になっているのは気になるところではありました。
しかし、複数のゲームタイトルから抜粋されたベスト盤なので、実際のところモンハンサウンド入門編としては初心者にも聴き易い構成になっていると感じました。
有名シリーズなだけに、コンサート等での演奏機会も多いのですが、このCDを聴きながらそうした機会に備えていこうと思います。