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歌詞考察

「Melodies Of Life」の歌詞からFF9のメッセージを読み解く。

投稿日:2020年7月20日 更新日:

FF9のシナリオにおけるテーマへの答えとは?

作詞:シオミ 作曲:植松伸夫 ヴォーカル:白鳥英美子

FF920周年ということで、先日サントラレビュー記事を書きましたが、「Merodies Of Life」についてあえて触れておりませんでした。

作品を語る上で外すことのできない楽曲ですので、この記事でしっかりと取り上げていこうと思います。

歌詞に着目していこうとは考えているのでカテゴリーを「歌詞考察」としていますが、楽曲の性質上、歌詞を全文考察することがFF9の世界に直接繋がって行くかは微妙なところだと思います。

なので、歌詞ありきではなく、あくまでもFF9というゲームのへの理解を深める目的で歌詞も参考にするというスタンスで書かせて頂こうと思います。

FF9のシナリオにおけるテーマは何か?

楽曲の話題に入る前に、そもそもFF9のシナリオはどのようなテーマがあるのかということが重要になります。

ゲーム性のテーマとしては”原点回帰”という言葉をよく耳にします。

シナリオについては公式に決まり文句があるわけではないですが、生命すなわち、”生きることや死ぬことの意味”というところがテーマになっていると考えて良いのではないかと思います。

作中では生命に纏わる多くの印象的な言葉がゲームキャラクターを通してプレイヤーに降り注がれます。

そのような、メッセージ性の強いゲームであるというのがFF9の特徴の1つのように感じられます。

FF9における「Merodies Of Life」の立ち位置

エンディング曲としての役割だけではなく、楽曲そのものがシナリオに直接的に関わってきます。

具体的にはインストルメンタル曲の「記憶の歌」としてゲームシーンで登場するのですが、つまりはゲームキャラクターたちがこの楽曲の旋律を知っているということになります。

こうした性質がある故に、我々プレイヤーが楽曲の解釈するには、扱いが難しくなります。

また、歌詞付きのバージョンはエンディングのみで使用されておりますが、掛かる直前のキャラクターの台詞から、キャラクターたちが歌詞も知っているとも捉えることもできます。

ということもあり、私としては混乱してしまい整理しづらいのですが、ひとまず歌詞の方に目を移してみようと思います。

歌詞の全体像

作詞者のシオミさんというのは見慣れないお名前ですが、正体はディレクターの伊藤裕之さんで、作詞をされるときに使用されているお名前になります。

ディレクターという立場で、何を考えながらこのような詞を描かれたのでしょうか。

まず、楽曲の解釈の1つの方法としては、ジタンを想うダガーの歌であると考えることができるかもしれません。

すなわち、”わたし”はダガーであり、”あなた”がジタンという解釈です。

しかし、そう考えて歌詞を読み進めていくと、”消えゆく運命”の辺りで「あれ、”わたし”はダガーじゃなくて、ビビじゃん!」となってしまいます。

かといって、”わたし”をビビとして歌詞を読み進めても、いまひとつピースが繋がっていきません。

すなわち、歌詞全体としてチグハグしてしまっており、掴みどころがありません。

そこで、キーワードになりそうなフレーズを探してみますと”生きている”というシナリオのテーマにも通づる詞(ことば)が見られます。

更には、ゲーム内でも非常に印象的に残るフレーズである”空へ記憶を預ける”という詞も使用されています。

これらを踏まえると、見えてくるものがあります。

すなわち、歌詞は一見すると全体で1つストーリーを持っているように感じられますが、実際にはFF9の断片的な要素を組み合わせて作られているのではないでしょうか。

プレイヤーからすると一文ずつ目を追って行くと混乱に陥るのですが、こうした理由があるのだと思います。

伊藤さんがゲーム全体を見渡しているディレクターの立場だからこそ、このような形式になったのではないかと考えますと、個人的に腑に落ちるものがあります。

結局のところ、歌詞は何を意味するのか?

繰り返しになりますが、FF9はメッセージ性の強いゲームです。

それ故に我々プレイヤーは、シナリオやキャラクターたちの言葉から”生きることや死ぬことの意味”への考えを巡らせることになります。

そんな風にしながらエンディングに辿り着き「Merodies Of Life」を聴くことになります。

何が言いたいのかと申しますと、この楽曲はそうしたプレイヤーへのアンサーソングになっているような気がするのです。

歌詞はシナリオにおけるテーマへの答えも綴られているように思えます。

やはり着目すべきは、楽曲の最後の部分です。

わたしが死のうとも 君が生きている限り 命は続く

永遠に その力の限りどこまでもつづく 

他者の記憶の中に”わたし”が居るということは、”わたし”が生きていることの証明になるのかもしれません。

たとえ、”わたし”が死のうとも”わたし”の記憶を持った人が生きている限り、命は続くことになるということです。

これこそが、FF9のシナリオにおけるテーマの答えだとは思います。

しかし、これだけではメッセージ性に乏しいため、もう少し掘り下げた解釈が必要になります。

私はこんな風に解釈しました。

”わたし”の記憶を持つ人間の命の大切さ、それを言いたいのではないでしょうか。

作品中であれば、ビビが仲間たちのことを大切に思っていることが伝わってきますが、プレイヤーであれば、家族や仲の良い友人など、自分のことをよく知ってくれている人たちになるのではないでしょうか。

私は号泣しましたが、エンディングを見て涙をこぼした人は多いと思います。

プレイヤーとしてはそのシナリオへの想いだけでなく、FF9を通じて身近な人への想いを感じるからこそ、涙が頬を伝わるのかもしれません。

まとめ

正直なところ「Merodies Of Life」という楽曲の魅力は私の中で、実態の分からない、もやもやとしたものがありましたが、その答えがこの記事を書くことで少し整理できたように感じております。

特に、FFコンサートで白鳥英美子さんの歌声を聴くとその度に涙が出でいたのですが、思い返してみるとやはり「家族や友人の顔が浮かんでいたな」と気付かされました。

ただ、そう考えてみますと、白鳥英美子さんのゆったりとした歌い方だったり、植松伸夫さんの優しく人間味のある旋律の組み合わせは、暖かみが非常に感じられるので、FF9のエンディング曲としてあまりにも完璧で凄いを感じさせます。

他の方の組み合わせだったら、こうは行かなかったかもしれません。

FF9はリマスター版で更に遊び易くなっておりますので、テーマについてあれこれ考えながら再度プレイしてみるというのも良いのではないかと思います。

プレイした年齢によっても大きく受け取り方が変わるのではないでしょうか。

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