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レビュー「ICO ~霧の中の旋律~」

投稿日:2020年6月23日 更新日:

ボーイズソプラノで昇華される「この人の手を離さない」という言葉。

コンポーザー:大島ミチル、Pentagon(山崎耕一、村山光国)

ゲームのプレイ状況:終盤まで

今回も「PRESS START」2006年公演シリーズの続きです。

順番が前後してしまいますが、「ICO」のサントラをご紹介させて頂きます。

「ICO」と私

ゲームにつきましては、2001年12月にプレステ2で発売されました。

発売当時は私の周囲では話題になっておらず、私自身も存じ上げないゲームでした。

「ICO」と言えば、ユニークなゲーム性、世界観ですが、これらが多くの口コミを呼び込み、徐々に話題になっていった印象です。

私自身もゲームの存在を知ったのは口コミでした。

今でも覚えているのですが、カフェでコーヒーを飲みながら話をしている中で知人が絶賛しているのを聞き、興味を持ちました。

当時は既に廉価版が発売されており、そちらを購入したので、私がプレイしたのは2004年で間違いないと思います。

上述のように最後までプレイできなかったのですが、その理由はちょっと私には合わない部分があったからです。

1つは、その圧倒的な世界観にありました。

そこが魅力である一方、コントローラーを握る手に力が入り過ぎる、緊張感のあり過ぎるといった部分で、ゲームとしての楽しみを見出しきれませんでした。

もう1つはゲーム性の部分なのです。

実は私は、ゲームにおける”謎解き要素”を苦手としています。

あれこれ考える楽しみだったり、解けたときの爽快感だったりを”面倒臭さ”が上回ってしまうというゲーマーとしては致命的な問題を抱えているのを自覚しています。

「ICO」に関してもゲームが進むにつれ「考えなくてはいけない」場面が増えて行き、そこに緊迫感が相まってプレッシャーのようなものが大きくなり、プレイを止めてしまいました。

この辺はゲームとの相性の部分なので受け入れるしかないとは思います。

しかし、そういった中でもこのゲームの素晴らしい世界観を体験することはできましたので、「途中まででもプレイして良かったな」とは今でも思っております。

ちょっと話が逸れてしまうかもしれませんが、昨年小説版の方を読ませて頂きました。

「ICO」に感化された宮部みゆきさんが書かれた小説版です。

ゲームでの挫折経験があった上、大長編と言うことで最後まで読める自信がなく、購入してからしばらく本棚に積んでありました。

しかし、読み始めたら想像以上に読み易く、短期間で読了してしまいました。

文章から想像を膨らませる世界というのも大変魅力的ですので、「ゲームは難しそうだし…」というようなタイプの方にはこちらをお勧めしたいです。

特に、サントラを掛けながら読むと非常に良い時間になると思います。

サントラの全体像

さて、いよいよサントラの話題に移ります。

まず、コンポーザーですが、ゲーム音楽のみならず、TV等の広い分野で活躍されている大島ミチルさんのお名前があります。

そしてPentagonというお名前がありますが、こちらはユニット名になります。

現在は形態が異なっているようですが、当時は山崎耕一さん、村山光国さんによるユニットでした。

サントラの全体的な印象としてはゲーム音楽色は薄く、映画音楽的な作品になっているなと思います。

「ICO」というゲームは、やはり世界観の部分が重要なゲームであり、音楽の主張が強いとそこが合わなくなってしまうと想像がつきます。

これは決して否定的なことではなく、「世界観を引き立てるための音楽」という明確な意図が感じられるので、正しいことをされているという認識を私自身も持っています。

ただし、ゲーム音楽が好きで、ゲーム音楽らしい旋律の主張が強い音楽を期待して聴くというスタンスになってしまうと、「合わないだろうな」とは感じます。

収録曲が16曲、収録時間が26分ということで、ボリュームの部分でも物足りなく感じる方もいらっしゃるかもしれません。

トップレート曲

Castle In The Mist

Heal

ICO -You Were There-

Castle In The Mist


オープニング曲になります。

アコースティックな弦楽器による楽曲ですが、奏法的にマンドリンのような弦楽器に感じます。

「メロディアスな旋律かな?」と思わせるのですが、後半に向けての旋律の主張は薄く、淡々としています。

しかし、終盤のソロパートが良い味を出しており、オープニング画面をボーっと眺めながら耳に入れたくなるような不思議な魅力があります。

Heal


セーブ時の楽曲です。

思い出しますね、あのベンチの感じを。

たかがセーブ場面なのかもしれませんが、演出が魅力的なのもあり、かなり印象に残ります。

セーブ場面らしく、癒し系の曲かと言われるとちょっと異なるかな?とは思うのですが、全体的な楽曲構成から考えるとテイストが異なる楽曲なので、ちょっと世界を離れるような感覚になれます。

ベストトラック

ICO -You Were There-


大島ミチルさん作曲、ボーイズソプラノ歌手であるSteven Geraghtyヴォーカルのエンディング曲です。

「ICO」を象徴する楽曲で、「PRESS START」2006年公演の演奏曲でもあります。

※プレスタでは「ANUBIS ZONE OF ENDERS」のオープニング曲「Beyond The Bounds」のヴォーカリストである木村真紀さんがこちらの楽曲も歌唱されました。

木村さんの歌唱もきっと素晴らしかったのでしょうから聴いてみたくてウズウズするのですが、こちらの楽曲においてはボーイソプラノという要素が重要になっていると思います。

キャッチコピーである「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」から想起される純朴な想いが昇華されるような印象を抱きます。

聴き返して思いましたのは、「やっぱりエンディング見なきゃダメだな」という、もはや当ブログ恒例のやつです。

エンディングを見てなくても素晴らしく感じるこの楽曲ですが、そこを体験するとまた印象を大きく変えるだろうというのは容易に想像がつきます。

まとめ

サントラとしてはゲーム音楽性がやや低く感じられますが、「ICO -You Were There-」のインパクトは強烈なものがあります。

別のゲームで経験したことがあるのですが、

うーん、やはり名前を出してしまいますと「ブレスオブファイア5ドラゴンクォーター」なのですが、シリアスなゲームというのは、クリアした際の感動にまた違った色があります。

特にエンディングの描写や楽曲と言うのは深く脳裏に刻まれることなるのですが、「ICO」についても、このような現象が起こるのではないかと想像しております。

個人的にはゲーム音楽と世界観の関係性を改めて考えるという、良い機会を与えてくれるサントラだなと思いました。

エンディングを見ていない自分が残念ですが、エンディングを見たことのある方は、このサントラはマストアイテムなのではないでしょうか。

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