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レビュー「CHAP」 / エドガー・サリヴァン

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2ndアルバムは、ギターサウンドの存在感がより増している!

エドガー・サリヴァン:佐々木萌、坂本遥(クロノクロスライブ出演者)

『クロノクロス』20周年ライブツアーに出演されたアーティストのことをずっと知っていたい!

というわけで、このシリーズ第7弾となります。

今回はギターリストの坂本遥さんが所属されているバンド、エドガー・サリヴァンの2ndアルバム「CHAP」をご紹介します。

前作「NEWS」に引き続き、当ブログでご紹介するのは2作品目になります。

アルバムの全体像

今作の特徴は、なんと言っても坂本遥さんの存在感ですね。

前作「NEWS」の楽曲も非常に良かったのですが、どちらかと言うと佐々木ワールドが前面に出たアルバムで、坂本さんのギターはソロが少なかったせいもあるのか、縁の下の力持ちといった印象がありました。

今作はギターが目立ちますし、坂本さん単独作曲の楽曲もありますし、コーラス(良い声!)もされています。

なので、前作よりもエドガー・サリヴァンとしての作品色が強く感じられました。

そんな中でも全楽曲で作詞されている佐々木さんの持つ世界観はやはり特筆すべきものがありますので、佐々木ワールドもしっかりと残されております。

そして、例によって楽曲がやたら耳に残るという点でも”らしさ”を感じられます。

収録曲

1.Beginnin’ (作詞作曲:佐々木萌)

2.エンドゲーム (作詞:佐々木萌 作曲:坂本遥)

3.DOKI DOKI (作詞作曲:佐々木萌)

4.KEMONO feat.なみちえ (作詞:佐々木萌、なみちえ 作曲:エドガー・サリヴァン、なみちえ、Soma Genda)

5.chap (作詞:佐々木萌 作曲:エドガー・サリヴァン)

6.夜のピアス (作詞作曲:佐々木萌)

7.ジョニーはご機嫌ななめ (作詞:佐々木萌 作曲:佐々木萌、近田春夫)

1.Beginnin’


佐々木さんらしい、一人称が”僕”の楽曲です。

男性が何を考えているのか、女性から見たらこうなる、という部分が見え隠れして興味深いです。

”めぐる季節の中”とありますが、季節で言えば夏の楽曲です。

夏を描写するのに素敵な表現がありました。

燦々と、夏が揺れてる 夕立はあがったころ

私はイベントごとが多い夏が四季の中で最も好きなのですが、”夏が揺れる”という表現が個人的に大変頷けるものがあります。

「どういうことだろう?」と想像すると、確かに「燦々と輝く太陽」が、このような感覚にさせられるのだということに気付かされます。

「太陽」という詞を用いずに表現されているのが非常に美しいなと思いました。

歌詞全体の意味は解釈が難しかったです。

別れの歌のようなのですが、”僕”が妙に優しく感じられます。

自分から別れを切り出しておいて、”君”の悲しみを逃げずに全て受け止めようとしているような感じでしょうか。

大切な人との大切な夏の思い出。

そういう1ページとして、二人の時間を刻み付ける。

よくある「ひと夏の恋」なのかもしれませんが、そういうものほど色褪せなかったりします。

勝手ながら、なんだか自分の過去のことも色々思い出してしまいました。

目を閉じると描写が浮かんでくるような、淡く、美しい楽曲。

本当に良い曲だなと思います。

2.エンドゲーム


坂本さん作曲の楽曲ですが、旋律で言いますと”今夜サンタさんになって”の箇所の展開が非常に私の好みです。

こちらの楽曲も歌詞に目を向けていきますが、なんだか怖い曲です。

こちらの楽曲も歌詞にお気に入りの箇所があります。

ショートケーキ持っていくね 私のイチゴ食べて

深夜にショートケーキを持って自宅まで押しかけちゃうんですって。

いや~、クレイジーですねぇ。

それも、その行動の結末がバッドエンドだって自分で分かっているという。

しかも、その行動を取るのは”君のせい”だなって言ってしまっている恐怖。

エンドゲームというのは「大詰め」とか「佳境」とかいった意味合いでしょうが、結末がバッドエンドだと分かっているというのが、怖さに拍車を掛けてきます。

”サンタさん”なんて、その場に似つかわしくない表現ですが、しかも”さん”付けしているのがまた素敵です。

3.DOKI DOKI


こちらの楽曲は歌詞の響きが非常に心地良いです。

特に、冒頭の踏み方だったり、サビの”ドキドキドキと”の箇所が秀逸です。

歌詞の方はやはり難解ではあるのですが、”ドキドキ”というのは人はどうしても慣れがでてきてしまうので、長続きするものではありません。

”ドキドキ”するようなフレッシュなその瞬間が、二人の間でずっと続くように、ということでしょうか。

好きなフレーズはここです。

未来に期待を いつでも しようよ

どんな未来を期待しているのでしょうか?

ヒントはこの箇所でしょうか?

トランスしないままの 日常にある奇跡は 

この3分半の恋を どれだけ出来るのかだ!

”トランスしない”とはドキドキしていない状態でしょうか。

それを日常と言っていそうです。

”3分半の恋”とは、恋人同士になったばかりの、それこそ”ドキドキ”の初々しい時間を表現されているのだと思いました。

初々しい頃の感覚を忘れずにいれば、ずっと長く同じ日常を過ごすようになっても、そこでお互いを愛おしく思えるような奇跡の瞬間がきっと訪れると考えているのかもしれません。

要するに「この先もずっとラブラブに行こうね」ということでしょうか。

ピュアで可愛らしい女性心を感じさせる素敵な楽曲だと思いました。

4.KEMONO feat.なみちえ


なみちえさんは女性ラッパーです。

すなわち、こちらの楽曲ではラップも聴くことができます。

これがまた佐々木さんの声との相性が非常に良く、素晴らしいコラボになっております。

特にユニゾンの箇所は必聴だと思います。

ケモノになって檻から出て、やりたいようにやってみて…

メッセージ性の強い歌詞になっている印象です。

5.chap


表題曲ですが、異色の作風に感じられました。

曲の短さもそうですし、坂本さんの持つギターはアコギだったりしますし、間奏曲のような立ち位置でしょうか。

歌詞がまた独特で、寄り添ってくるような暖かみが感じられます。

素敵なフレーズのオンパレードになっております。

転校して2ヶ月も経ってやっと お気に入りの近道を発見したり

私自身は学生時代に転校はしておらず、引越しは経験しているのですが「ああ、こういう感覚って確かにあったな」と思いました。

佐々木さんの歌詞でよくある”気付かされる系”のフレーズです。

そして、なんと言ってもこちらのフレーズです。

そういう、リズム 人生のリズムあるよね あるよ

佐々木さんが語り掛けてくるような感じがします。

「私にもあるし、あなたにもあるよね?」と問い掛けてくるようです。

選んで、選ばれて 疲れて、寝てなおって

期待は外れ、日は巡って

この辺りも人生のリズムの話をしています。

それでもいつも 君に笑顔で おはよう、と言う

そんなヤツさ

私も例外なく色々あるのだけれど、何も無かったかのように「おはよう」と言う。

私もそんなヤツさ。

誰もが例外なく、色々なことがある。

特別な人など居ない。

寄り添ってくる印象を持ったのは、私個人的に「皆そうだから安心して」と言われているような感覚があるから抱いたのだと思います。

にしても、佐々木さんは日常の中の何気ない”気付き”みたいなものを巧みに表出してきます。

異色の作風ではありますが、そういった点はいかにも佐々木ワールドですね。

6.夜のピアス


この楽曲は私はこのアルバムの中で特に好きな1曲かなと思います(どれも好きですが)。

”夜のピアス”というロマンチックな曲名も好きですし、イントロから最後まで編曲も凄みがありますし、坂本さんのギターが終始大活躍(特に最後!)なのも最高です。

歌詞も非常に印象的ですが、全体としてみると「初心を大切に」と言う部分で「DOKI DOKI」と同じタイプにも感じられます。

ただ、やはり風景の描写だったり、”気付き”の部分での素晴らしさが感じられるフレーズが随所に見られます。

揺れる光 ねぇ 湾岸に散る 宝石をちょうだいな

個人的には横浜の某埠頭からの風景が重い浮かびました。

”揺れる光””宝石”と表現し、そこから”ピアス”を想起させます。

なぜピアスなのだろうとも思ったのですが、2人並んで座っているのでしょう。

要するに、横から姿を見ることになるので耳元に目が行くわけです。

夜景とか、花火なんかもそうなんですけど、恋人の横顔の印象って強烈なものがありますので、そういう意味では”気付き”の要素でもあります。

ここ最近 近づきすぎてた 

君をあの夜みたいに 見つめたら 綺麗だったんだ!

こういうのも素敵ですね。

「遠くの夜景」を見ることで「近づきすぎた君」に気付く。

真横にいても、その横顔というのは相手がこちらを見ないで遠くの夜景を見ていることもあり、いつもと違う距離感を感じられます。

この辺も「ああ、こんな感じあったな」と気付かされます。

7.ジョニーはご機嫌ななめ


最後はややコミカルなナンバーでアルバムを〆ています。

坂本さんのコーラスが良い味を出しています。

36ページ 実家の卒業アルバム ひらいた

37ページ 実家の卒業アルバム めくった

このページ数というどうでも良い情報がたまりません。

実際に佐々木さんが坂本さんの卒業アルバムを開いたのかもしれないな、とこれまたどうでも良い想像をしてしまいます。

メガネの僕が メガネの僕が メガネの僕が

調子にのるなよと こっちみてる

3回も言って強調してくるので強烈です。

メガネということは、中学生くらいの可能性が高そうだな、とこれまたどうでも良い想像をしてしまいます。

メガネの僕が メガネの僕が メガネの僕が

初心にもどれよと こっちみてる

何気に1番と2番で韻を踏んでいるのが私のお気に入りポイントだったりします。

そういえば「初心」というのは他の楽曲でも恋愛においてですが、感じさせるものがありました。

もしかしたら、このアルバムの隠れたテーマだったりして、なんて考えてしまいました(どうでも良いことではないと信じている)。

まとめ

名曲揃いの素晴らしいアルバムで大満足だったのですが、聴き返し終わって1つ気になる点がありました。

アルバムタイトル名です。

なぜ「CHAP」なのでしょうか?

…全く何も考えが浮かばなかったので、インタビュー記事を探してみました。

するとこちらの記事を見付けました。

楽曲コンセプトについても自分の捉え方とは全く異なること書かれていたりしましたのでご参照ください。

やはりアーティストの考えていることは私のような初心者が考えることよりも何枚も上手です。

私がアルバムを通じてテーマのように感じられたのが「初心の大切さ」だったのですが、上記インタビューを見る限り、これを恋愛に例えていたと捉えられなくもありません。

このように、もしかしたらエドガー・サリヴァンのアーティストとしての決意だったり、大切にしている考え方というものが垣間見えてくるかもしれません。

いずれにしても耳に残る旋律と印象的な歌詞、それにヴォーカルとギターのマッチング具合も素晴らしく、繰り返し聴きたくなるアルバムです。

ゲーム音楽ファンの方たちにも是非聴いてみて頂きたいです。

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