気構えずに「イース」サウンドを楽しめるベスト盤!
コンポーザー:古代祐三、石川三重子
ゲームプレイ:未プレイ
引き続き「PRESS START」2006年公演に演目に入りましたゲームタイトルの音楽レビューになります。
今回は「イース」、「イース2」の楽曲が収録されたベスト盤CDをご紹介します。
ファルコム作品は当ブログでは初めてのご紹介となります。
まだまだ記事数は少ないですが、こうしてカテゴリーが増えて行くのを嬉しく思っております。
なお、イースの楽曲は「PRESS START」2008年公演でも再演されております。
また、幸いなことに「PRESS START5周年CD」にコンサート音源が収録されており、その貴重な音源を容易に聴くことができます。
こちらのCDについては、下記にリンクを貼らせて頂きます。
目次
「イース」シリーズと私
私がプレイ経験のあるナンバリングは「イース8」のみになります。
8は体験版で楽しく感じ、本編も触れてみたのですが、例によって本格的に楽しめる前に壁にぶつかってしまい、5時間ほどのプレイで止まっております。
もし、家族が興味を示したら、初めからやり直そうかとも思っております。
そもそも「イース」シリーズは、大本の対応機種がPCということもあるのか、これだけ長い歴史がある(1作目は1987年発売!)のにもかかわらず、恥ずかしながら「PRESS START」に足を運ぶまで存じ上げないタイトルでした。
「PRESS START」でもゲーム史の重要な要素の1つであろう”PCゲーム”というフィールドの認知を広める、という意味合いもあったのかもしれません。
当然ながら、音楽の素晴らしいゲームとして認知されていた、という部分の方が大きいのだとは思いますが。
私自身にとってはPCゲームからの流れで現代に定着しているゲーム、すなわちファルコムのゲームシリーズ全般に言えることなのですが、ちょっと不思議な感覚を覚えています。
国産のゲームなのに、何処か異国間のあるような感じです。
自分の知らない世界から突如として目の前に現れたゲームという感じがします。
とはいえ、「イース」シリーズは移植やリマスターを繰り返して、数多くの機種でプレイできるゲームですので、こんなにも知る機会が無かったのは不思議に思っております。
CDの全体像
繰り返しになりますが、「イース」と「イース2」の楽曲から選曲されております。
ジャケットに記載があるので、日本ファルコムの10周年を記念した作品で間違いないと思います。
CDの発売日が1988年とありますので、その10年前と言うと1978年に日本ファルコムは創業したのでしょうか?
ちなみにファミリーコンピューターの発売が1983年なので、「イース」シリーズはファミコンよりもお兄さんということになります。
話が逸れましたが、実はこのCDの音源がどこから来ているのかが私にはよく分かっていません。
PC版だけでも、繰り返しマイナーチェンジされており、当然技術の進化と共に音楽も変わって行っていると思いますので、把握ができないないのです。
こういった一面からも「イース」シリーズの長い歴史や、長年愛されてきた凄みを感じさせるのですが、裏を返せば何処までも深い底なし沼のように感じられる部分もあり、情報を整理したり把握したりするのが難しいです。
しかし、そんな中でも分かることもあります。
1曲目に「交響曲イース 第1楽章」という楽曲が収録されているので、オーケストラアレンジ盤があり、その中から1曲選出しているというのが分かります。
私にとっては「80年代にゲーム音楽を既にオーケストラ化か、マジか…!」という実に衝撃的な事実でした。
それはもう「PRESS START」で取り上げられない方がおかしな話になってきます。
そして、このCDにヴォーカル曲が収録されているのも気になる点です。
まさか、80年代のゲームで既にヴォーカル曲を使用されるのは難しいと思うので、ヴォーカルアレンジ曲といったところでしょうか。
いずれにしても、ゲーム音楽史においても先駆性を感じさせます。
なお、コンポーザーは古代祐三さんが中心となっており、後に結成されたFalcom Sound Team J.D.K.の初代リーダーとなる石川三重子さんも参加されております。
トップレート曲
※ 背景色付は☆5 その他は☆4
交響曲イース 第1楽章
PALACE OF DESTRUCTION
Endless History (The Morning Grow)
To Make The End of Battle
交響曲イース 第1楽章
「FEENA(タイトル画面曲)」、「FIRST STEP TOWARDS WARS(フィールド曲)」、「PALACE(ダンジョン曲)」の3楽曲で構成されております。
いずれも初代「イース」の楽曲です。
複数の公演で聴いたことのある楽曲があるため、ゲームは知らなくても旋律は知っている楽曲が含まれていました。
ちなみに「PRESS START」2006年公演では「FEENA」、「FIRST STEP TOWARDS WARS」、「To Make The End of Battle」の3楽曲による構成でした。
最近ですと「シンフォニックゲーマーズ4」でも演奏されましたが、そちらは「イース2」、「イース3」からの選曲でしたのでこちらのトラックの構成とは被っておりません。
さて、楽曲についてですが、メロディアスではあるのですが、オーケストラで聴きますとよりイース楽曲のスケールの大きさが感じられ、意外と捉えどころが難しいなと感じます。
CD含め何度も聴いてはいるのですが、聴けば「そうそう、これこれ」と分かったりもするのですが、意外と口ずさめたりはしません。
聴く度に新しさがある、深さを感じ取れるトラックです。
言うまでもなく、こちらの楽曲を聴きますと、「他の楽章も聴きたいな」と思ってしまいます。
PALACE OF DESTRUCTION
「イース」のダンジョン曲です
不気味な雰囲気もあるのですが、アップテンポでメロディアスでもあります。
淡々としておらず、曲の動きも大きいです。
それどころか、エレキギターソロまであります。
このようなタイプのダンジョン曲は珍しいかもしれません。
Endless History (The Morning Grow)
「イース」のエンディング曲です。
( )の中の「The Morning Grow」ゲームにおける曲名です。
では「Endless History」とはどういうことかと考えますと、”ヴォーカルアレンジ盤におけるタイトル”といったところでしょうか。
ヴォーカルアレンジするにあたり、歌詞が付けられますので、それに合わせて付けられたのかもしれません。
最近、タイトルが複数あるゲーム音楽CDをレビューしましたので、その経験を活かしてここは冷静に判断…
そんなことよりも、このトラックなのですが、サビ部分の旋律が非常に良いです。
これがエンディングで聴けたらたまらないと思います。
歌詞から物語を想像してみるのも良いかもしれません。
ベストトラック
To Make The End of Battle
「イース2」のオープニング曲です。
上述の通り「PRESS START」で演奏されておりますが、私はむしろオーケストラ音源しか聴いたことが無かったので、ゲーム音源は新鮮でした。
古代さんの楽曲らしいメロディアスでかつ格好良い旋律を感じ取れます。
タイトルからして戦闘曲だと勝手に思っていましたが、オープニング曲だったとは意外でした。
「ゲーム初めて早速こんなに格好良くて良いんですか?」
「良いんです!」といったところです。
…とにかく格好良いので、ベストトラックです。
まとめ
「イース」シリーズの楽曲は、その歴史の長さや先駆性から、ゲーム音楽を語る上で避けては通れないのかもしれません。
ただ、そんな固いことは考えず、たとえ私のように情報整理が困難に陥ったとしてもゲーム音楽に興味のある方なら、気構えずに軽い気持ちで聴いてみると良いかもしれません。
メロディアスで格好良い曲が多いので、苦手な方は少ないのではないかと思います。
このようなベスト盤も用意されていますので、特に「イースは聴いたことないけど古代さんの楽曲は好き!」という方は迷わず聴いてみることをお勧めします。
追記
ゲーム音楽のオーケストラアレンジについて情報を頂きました。
ファルコムでは「交響曲イース」の前年にあたる1987年に「ザナドゥ」という作品でアレンジアルバムがリリースされているとのことです。
更にそれ以前となりますと、1986年に「組曲ドラゴンクエスト」がリリースされているとのことです。
ドラクエはもう少し後だと思い込んでおりましたが、ゲーム音楽のオーケストラという括りでは、すぎやまこういちさんのドラクエから歴史が始まっていると考えて良さそうです。
もし、それ以前にも!という情報が見付かれば追記させて頂きます。
情報頂き、ありがとうございました!