変態メロディー歓迎スタイル!和楽器はロックもイケる!
和楽器ユニットHIDE×HIDEによるCAPCOMゲームのアレンジCD
「PRESS START」や「モンスターハンター狩猟音楽祭」、「LIVE・A・LIVE・A・LIVE」、「シンフォニックゲーマーズ」でHIDE×HIDEのファンになった方も少なくないと思います。
しかし、実際にCDとしてお二人のゲーム音楽の演奏を聴けるものは多くないので、そういった意味においても必聴のCDと言えます。
注意点としては尺八と三味線が主役ですが、2つの楽器だけで全てを演奏して構成された楽曲ではありません。
例えば、ピアノの音も活躍の場があります。
目次
HIDE×HIDEのお二人とは?
まずお二人についてですが、メンバー構成は以下のようになっております。
三味線 尾上秀樹
尺八 石垣秀基
お二人とも親世代から和楽器に携わってこられた方々のようです。
当然ながら和楽器で伝統的な楽曲を演奏することを大切にされているのでしょう。
このような方たちがゲーム音楽に興味を持って、何度も演奏して頂けているというのはとても幸運なことだと感じます。
CDの収録曲
(1)「モンスターハンター」より
英雄の証
(2)「モンスターハンタークロス」より
妖艶なる舞~タマミツネ
(3)「大神」より
天神族のテーマ/両島原 其の二/太陽は昇る
(4)「逆転裁判」 シリーズより
大江戸戦士トノサマン/追求 ~追いつめられて/
綾里真宵 ~逆転姉妹のテーマ2002
(5)「ロックマン2 Dr.ワイリーの謎」 より
TITLE/WOODMAN STAGE/AIRMAN STAGE/STAGE CLEAR/CLASHMAN STAGE/GET A WEAPON/Dr.WILY STAGE1
(6)「悠久の刻」(オリジナル)
大神と和楽器の組み合わせはMustですが、一見「それを和楽器で?」と疑いたくなるような曲目もありますよね。
特にロックマン!
大丈夫です、安心してください。
お二人の手に掛かれば変態メロディーさん大歓迎です。
そして、和楽器というのは意外と適応性が高いです。
お二人の楽器構成が尺八と三味線ということなので役割についてメインメロディが尺八、伴奏が三味線というイメージを持ってしまいます。
傾向としては誤りではないのかもしれません。
尺八は息遣いや、中音域から高音域への移る際の音の揺れによって、感情表現がが表れやすい楽器ですし、当然ながら主旋律を吹くことでグッと引き込まれます。
しかし、三味線って凄いですよ。
もちろん、特有のリズムでの伴奏パートも素晴らしいのですが、ギターで言う”リフ”のような印象的なパートが曲のあちこちにありますし、主旋律を弾いたって素晴らしいです。
そして、ちょっと意外なのは尺八との主旋律のユニゾンがまた素晴らしいです。
こうした強みを分かり切った上でアレンジされているので、それぞれが輝いていますし、
「流石は長年2人での活動をしているな」という阿吽の呼吸も感じ取ることができる素晴らしいCDです。
そして、楽曲との相性に関しても、意外な万能性があります。
分かり易く素晴らしいのは、このCDには未収録なのを持ってきて申し訳ないのですが、大神の「Reset ~ありがとうヴァージョン」でしょう。
やはり、しっとりとしたローテンポの曲は良さが分かり易いです。
この曲の場合は、最後のサビを吹く直前の尺八の息遣いから伝わる情熱が特に素晴らしく感じます。
このCDの大神の楽曲もしっとりと、深く、聴かせてくれます。
しかし、イケるんですよ、これも。
ロックな激しい楽曲も素晴らしいのです。
これはもう、このCDのロックマン2を聴いてみて下さい。
「エアーマンステージ」の尺八で出せちゃってるエアー感とか、「ワイリーステージ1」の三味線のメロの格好良さとか、もう聴いちゃって下さいという感じです。
三味線のビブラートが、こんなにも格好良いものなのかと…
そもそも、ビブラート掛けたりするんだっていう…
これらは楽器の素晴らしさもあるのでしょうが、当然ながらやはり演者が凄いですよね。
技術のことは素人目で見ると、ただただ素晴らしいとしか言えないのですが、
演奏するにあたってロケハンして気持ちを高まらせて準備してくるような方たちですから、伝わってくるものはやはり大きいです。
そして、最後はオリジナル曲で〆ちゃいます。
時々こういったCDの構成は見掛けますが、凄く良いと思います。
ゲーム音楽を聴くために聴いているわけですが、終わる頃にはやはり演者の素晴らしさに意識が向きますから。
聴き終えると「ご馳走様」と言いたくなるような、良いものが詰まった贅沢な1枚ですので、多くの人に聴いて頂きたいです。