主催者もゲーム音楽ファンもまだ手探りながら、大きな成功を収めた第2回公演!
2007年 9月17日 / パシフィコ横浜国立大ホール
2007年 9月22日 / 梅田芸術劇場
「シリーズ」とか言いながら1年以上経ってしまっているのですが、今回は2回目の公演にあたる2007年公演を振り返ってみようと思います。
なお、2006年公演の振り返りは先日更新した「FFⅠ・Ⅱ全曲集」(アンコール曲「ファイナルファンタジー」収録)のレビューをもって終了とさせて頂きます。
※ 私が参加したのは横浜公演のみとなります。
目次
2007年公演の特徴
2007年公演では、複数公演という形式を取っているのが特徴的です。
首都圏以外での会場での公演はプレスタではレアなのですが、大阪での開催は、なんと本公演が最初で最後となりました。
首都圏会場の方は都内ではなくパシフィコ横浜となっており、この横浜での開催も最初で最後となりました。
数多くのゲーム音楽コンサートが開催されている地なので、意外に感じられます。
2回目の公演というところで、運営的にはまだ手探りの部分があり、特に首都圏以外での開催で、どの程度会場が埋まるのかといったところが未知数だったことが想像されます。
加えて、ゲストとして参加されたユニット(そもそもこうした企画も今回のみ)は横浜公演と大阪公演で異なっており、両公演に参加しないとどちらかは見れずに終わってしまうという悩ましさがあったのも特徴的でした。
公演プログラム数は16曲と前回より増大しておりますが、前回ほどメドレー楽曲のボリュームが無かったので、全体的な演目の充実度というところであまり変化がありませんでした。
すなわち、本公演もかなり充実した内容であったということになります。
公演プログラム
第一部
1.『大乱闘スマッシュブラザーズX』より「メインテーマ」
2.『ロコロコ』より「ロコロコのうた」
3.『アクトレイザー』より「オープニング」、「捧げ物」、「エンディング」
4.シューティングメドレー
『ギャラガ』/『グラディウス』/『ツインビー』/『スターフォックス64』/『スペースインベーダー』/『ファンタジーゾーン』/『アフターバーナー』/『ダライアス』/『スペースハリアー』/『シルフィード』/『R-TYPE』/『スターフォース』/『戦場の狼』/『ゼビウス』/『スターソルジャー』/『沙羅曼蛇』/『スターラスター』
5.『エースコンバット ゼロ』より「ZERO」
6.『ワンダと巨像』より
「異形の者たち ~巨像との戦い~」、「甦る力 ~巨像との戦い~」
7.『ファイアーエムブレム』より「ファイアーエムブレムのテーマ」
第二部
1.SEGA サウンドユニット【H.】(横浜公演)
『カルテット』、『デイトナUSA』
※ ghm sound team(大阪公演)
『ゴッドハンド』より「俺の右手はゴッドハンド」
2.『クロノトリガー』より「クロノトリガーのテーマ」
3.『ザ エルダースクロールズⅣ オブリビオン』より「Oblivion Suite」
4.『スーパーマリオブラザーズ』より「コースBGMメドレー」
5.『悪魔城ドラキュラ』シリーズより
『悪魔城ドラキュラ』~『ドラキュラⅡ 呪いの封印』~『悪魔城伝説』~『悪魔城ドラキュラⅩ 血の輪廻』~
6.『サクラ大戦』より「檄!帝国華撃団」
7.『キングダムハーツ』より
「光」、「Dearly Beloved」、「Fragments of Sorrow」、「Traverse Town」
アンコール
1.『ゼルダの伝説』より「ゼルダの伝説メドレー2006」
2.『ファイナルファンタジーⅦ』より「片翼の天使」
まだ2回目の開催ということで、当然ながら再演曲は殆どありません。
再演曲はアンコールの「ゼルダの伝説メドレー2006」のみとなっています。
選曲の印象は、「豪華」と感じるところが大きいです。
まだ2回目というところでゲーム音楽のスタンダード的な楽曲が多いのが「豪華」と感じさせられる要因かもしれません。
個人的に最も楽しみにしていたのは『エースコンバット ゼロ』の「ZERO」でした。
コーラス隊が不在でフル編成とはいかなかったのですが、それでも十分豪華な内容で、聴き終わってからもエキサイトしてしまい、次の演目に気持ちを切り替えるのが大変だったのを覚えています。
驚いたのはアンコールの「片翼の天使」です。
正確には『FF7』の「片翼の天使」ではなく、植松さん率いるThe Black Magesによる演奏が加わったアレンジである『FF7アドベントチルドレン』の「再臨・片翼の天使」だったのですが、会場の反応が私の想像していたものと異なっておりました。
FFコンサートイベント「VOICES – music from Final Fantasy」の時のような大盛り上がりを想像したのですが、意外と反応が芳しくなかったのです。
考えられる原因としては、そもそもFFコンサートでは無いので、ゲーム音楽と言っても幅広い中、様々なファン層が集まっていたというところが大きいのかなと思います。
加えて、オーケストラにロックサウンドが加わるというアレンジが当時はまだ斬新だったので、オーケストラコンサートに突如登場したことに、ちょっと付いていけない方々もいらっしゃったのかもしれません。
ゲーム音楽におけるジャンルの幅広さだったり、「PRESS START」というイベントの在り方だったりを考えさせられました。
私自身も当時はまだ殆どコンサートに参加したことがなく、FF以外のゲーム音楽をコンサートで聴く機会は初めてだったので、何処か浮ついていたと言いますか、まだプレスタにうまく馴染めていなかった部分もあったのかもしれません。
ゲスト出演者
MC
まず、ゲストと言って良いのか分かりませんがMCとして横山智佐さんが出演されていました。
もちろんMCだけでなく、「檄!帝国華撃団」ではヴォーカリストとして会場を大いに盛り上げられました。
『サクラ大戦』シリーズをほとんど知らないような私でも、CMで耳にして知っている楽曲だったので、思わず一緒に歌いたくなったのを覚えています。
コンポーザー
コンポーザー陣では、『エースコンバット ゼロ』の小林啓樹さん、『ワンダと巨像』の大谷幸さん、『サクラ大戦』の田中公平さんが登壇されました。
植松伸夫さん以外のコンポーザーの方を直接目にする機会はこれが初めてで、登壇されていたコンポーザー陣より私の方が緊張していたかもしれません。
ゲスト奏者
オペラ歌手の錦織健さんと高橋織子さんが出演されました。
2人揃って出演された『大乱闘スマッシュブラザーズX』と『ファイアーエムブレム』の他、高橋さんは「ZERO」でのソプラノコーラスの方も歌唱されました。
分厚いオーケストラの演奏をともせず放つ存在感は、さすがはオペラ歌手といったところでしょう。
まとめ
私自身2006年公演に参加できず、待望の初参戦となった2007年公演ですが、アンコールを終えての感想は「最高だった、何が何でも来年も参加したい」でした。
初めてオーケストラで聴く楽曲、初めて目にするコンポーザーの方々等々、たくさんの興奮が詰まっていました。
ただ、この年は有名曲ばかりだったので「あの演目のサントラを買って聴きたいな」とまではいきませんでした。
まだまだ私自身プレスタの楽しみ方を分かっていないようなフワフワした感じでしたが、ゲーム音楽を純粋に楽しむのには持って来いのコンサートだったと思います。
プレスタはまだ始まったばかりで、これから大きな役割を全うしていくこととなります。
そして、それと共に私のゲーム音楽との付き合い方にも変化がみられるようになってきます。
というわけで、すぐにでも2008年公演の記事を書きたいところはあるのですが、その前に各演目のサントラの紹介記事をしばらく書いていこうと思います。