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FFシリーズ ゲーム音楽レビュー

レビュー「ファイナルファンタジーⅠ・Ⅱ 全曲集」/ FF2編

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シリーズサウンドの土台となったFF1の楽曲から、FF2の楽曲はどのような進化を遂げたか?

コンポーザー:植松伸夫

ゲームのプレイ状況:1周

今回は前回から引き続き「ファイナルファンタジーⅠ・Ⅱ全曲集」よりFF2の楽曲を中心にレビューさせて頂こうと思います。

FF2と私

初代同様、私がプレイしたことのあるのはゲームボーイアドバンス版になります。

初代をクリアした後、すぐにプレイしました。

独特なクリスタルの世界観はそのまま、物語性が豊かになりゲームボリュームが増しているのがまず印象的でした。

そして、特徴的なのは何と言っても一癖ある挑戦的な育成システムにあります。

あまりにも有名だったため、「味方に危害を与えながらキャラクターを育成する」という攻略手段を知ってしまっていたので、私自身はその攻略法を駆使してしまいました。

賛否のあるシステムだとは思うのですが、前作の良さを残しながら、ゲーム的な面白さというところを追求する姿勢が素晴らしいと思いましたし、実際にプレイしていて楽しかったです。

「進化をさせていく」というFFシリーズの概念的な部分での土台を築いた重要な作品だったのではないかと感じ取っております。

CDの全体像

全49曲のうち、後半の27曲がFF2の楽曲になっています。

収録されているアレンジ楽曲に関して、前回の記事ではオープニング楽曲の「プレリュード」のアレンジ楽曲のみ触れましたが、最後の楽曲もこちらのCDのためのアレンジ楽曲となっております。

そちらの楽曲はメドレー形式でのアレンジ曲となっており、FF1およびFF2の楽曲から数曲選曲されております。

楽曲的な進化というところでは、ゲーム性の進化に付随している部分があり、物語性が豊かになったというところで楽曲数が増えています。

例えばイベント曲であったり、物語中の反乱軍や帝国軍のテーマ楽曲だったりが加わっています。

戦闘曲も複数用意されることとなり、物語を彩っています。

同じファミコン音源等であり、音色的な進化というところは大きくは無いのですが、物語性が豊かになったことで、いよいよ植松さんの得意とする物語を通じてプレイヤーの心を揺さぶってくるような素晴らしい音楽が、その片鱗を見せ始めています。

トップレート曲

※背景色付きは☆5、その他は☆4

プレリュード

戦闘シーン1

反乱軍のテーマ

メインテーマ

チョコボのテーマ

戦闘シーン2

フィナーレ

戦闘シーン3

プレリュード


前作同様ややハイテンポのプレリュードですが、よりシンプルになったことで返って旋律が際立っているような感覚があります。

副旋律も入らず、どこまでもシンプルなため、プレリュードの原型としての印象はこちらの方が強いです。


街曲ならではの美しい旋律というのは今作でも同様です。

短いながら、伸びやかに少しずつ高音域に広がっていく美しい旋律が非常に聴き応えがあります。

余韻を残すようにして次のループに繋がっていくのがまた良いです。

メインテーマ


メインテーマですが、よくある勇ましさのある旋律だったりするわけでななく、何処か淡々とした中に切なさが入り混じったような印象の旋律となっています。

こちらの楽曲も余韻を残すように次のループに繋がるのですが、そこに「実は…」という物語的な展開を感じさせます。

チョコボのテーマ


今作よりFFシリーズのマスコットであるチョコボが誕生したわけですが、その存在が広く認知されるようになったのはこちらの楽曲の影響も非常に大きいのではないかと思います

私が初めてこの旋律を耳にしたのは、実はゲームボーイの聖剣伝説だったのですが、そのインパクトは非常に強烈なものがありました。

今作ではまだ1フレーズのみの繰り返しで、現在ではすっかり馴染み深くなっている続きの部分は後の作品で付け加えられたパートになります。

その割には、付け加えられた部分も含めトータル的に印象的な楽曲なのですが、いずれにしても最初の1フレーズのインパクトは非常に強烈なものがあります。

上下に波打つような軽やかさだったり、チョコチョコと動き回る雰囲気がチョコボの動きに連動して、楽曲とキャラクターが一体となっている凄い曲だなと感じます。

戦闘シーン2


ファミコンの楽曲とは思えない力作です。

楽曲は長く、予測のできない展開の連なりとなっています。

戦闘曲らしい格好良さも持っており、旋律に関しては次世代のゲームにも十分通用するような高いレベルにあると感じます。

ベストトラック

反乱軍のテーマ


「マトーヤの洞窟」同様に、こちらも私が幼少期から知っている楽曲です。

例の私が幼少期に手にした謎の目覚まし時計に、こちらの楽曲が入っていたのだと思います。

思わず口ずさんでしまうような非常に親しみやすい旋律に導かれるようにして、反乱軍の一員になってしまいそうな気分になります。

楽曲を聴いたプレイヤーがこうした感覚を受けることこそが、前作から進化した点に感じさせられます。

人気曲でベタなチョイスですが、楽曲の進化を最も感じられるこちらの楽曲をベストトラックとします。

なお、意外とアレンジ映えもする楽曲で、オーケストラバージョンも素晴らしいので、「DISTANT WORLDS」「20020220」のコンサート音源も是非聴いてみて頂きたいです。

そちらでは、FF1-3メドレー楽曲のトリを飾っています。

まとめ

前作では世界観の構築というところで音楽の役割が重要に働いており、シリーズの土台となった印象でしたが、物語性という進化により音楽的な表現が広がったのが今作という印象です。

ただし、人物の描写というところではまだそこに焦点を当てた楽曲というのが無く、その辺りは以後の作品で加わり、ますます植松節がさく裂していくことになります。

そういった意味ではまだまだ進化の過程ではあるのですが、FFシリーズにおける進化というのは、現代においても非常に大切に考えられている概念であり、音楽からもその姿勢を感じ取ることができます。

私にはまだ感じ取れていない進化の部分があるかもしれません。

まずはFF1の楽曲から聴いてみて、進化した部分を探りながら聴いてみるのもサントラの楽しみ方として、有意義な時間になるのではないでしょうか。

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