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ゲーム音楽サントラのレビューマラソン走破への軌跡!

FFシリーズ

レビュー「Final Fantasy9」オリジナルサウンドトラック

投稿日:2020年7月8日 更新日:

シンプルなようで、キャラクターや世界観を深く描いている楽曲が満載!

コンポーザー:植松伸夫

ゲームのプレイ状況:3周

発売日は7月7日ということで、少々乗り遅れてしまいましたが、FF9が発売から20年を迎えたということで、急遽サントラレビューをしようと思います。

私にとって大変思い入れの強い作品ですので、当ブログでもこの記念すべくタイミングで取り上げさせて頂きます。

「FF9」と私

私の「FF9」初プレイは2001年の11月~12月頃でした。

2000年七夕の発売からもっと経過している印象でしたが、実際には1年ちょっと感覚を置いてのプレイとなっております。

FFシリーズで言いますと、初めてのFF体験は「FF8」を1999年の発売当初にプレイしたもので、その時はクリアできませんでした。

そして、「FF10」を2001年の発売日からプレイし、初クリアの作品となりました。

どういうことかと言いますと、「FF8」で挫折したため「FF9」は一度スルーし、PS2の購入を機会に「FF10」で再チャレンジし、FFの魅力を知った結果、遡って「FF9」をプレイしたくなったという流れです。

私が虜になった「FF10」を「合わなかった」という友人が、「FF9」の方が好みだと言っていたのもあり、興味を持ったという背景もあります。

というわけでプレイに至ったわけですが、結果としましては「FF9」も虜になりまして、私の「FFブランド」への強い想いを確固たるものにした作品という位置付けになっております。

「何が自分に合ったのだろう?」と考えますと、まず世界観だったりキャラクター、シナリオが好みだったというのが大きいと思います。

しかし、今になって再考してみますと、印象的な言葉の数々に強い魅力を感じていたのが分かりました。

他のナンバリング作品も同様ではあるのですが、「FF9」につきましては、キャラクター一人一人の言葉に、特に力を入れて制作されたタイトルだなという印象があります。

そして、やはり音楽の魅力は凄まじいものがあります。

シリーズ作品の中では、最後の植松伸夫さん単独作品となり、制作期間の短さもあり、大変な苦労があったようですが、驚くほど見事に「FF9」の世界を構築しております。

FFの音楽の中でも特に好きだという方も多いのではないでしょうか。

というわけで、例によって長い前置きとなりましたが、その音楽の魅力についてサントラレビューをしながら迫って行きたいなと思います。

サントラの全体像

サントラの収録曲数は110曲で、収録時間も4時間47分とボリュームがあります。

全体的な印象が冒頭の「いつか帰るところ」の強烈なインパクトですぐに構築されます。

暖かみがありながらも、何処となく不穏であるという印象をもたらします。

作品との相性として、キャラクターが豊富なので、人間味や優しさを引き出すのが得意な植松さんとは非常にマッチしている印象です。

「いつか帰るところ」は、もう1つの核となる楽興である「Melodies Of Life」と共に、サントラ内で多くのアレンジ曲が生み出されています。

また、個人的に見逃せないのは効果音との相性でしょうか。

その辺りも以下の各楽曲レビューにて、少し触れられたら良いなと思っております。

トップレート曲

[DISC1]

いつか帰るところ

ビビのテーマ

この刃にかけて

Vamo’ alla flamenco

決行~姫を探して~

月なきみそらの道化師たち

スタイナーのテーマ

プリマビスタ楽団

バトル1

あの丘を越えて

氷の洞窟

辺境の村 ダリ

盲進スタイナー

限りある時間

ジタンのテーマ

[DISC2]

シドのテーマ

一難去って…

リンドブルム

記憶の歌

ハンターチャンス

ク族の沼

クイナのテーマ

アロハ・de・チョコボ

ウクレ・le チョコボ

フライヤのテーマ

国境の南ゲート

クジャのテーマ

眠らない街トレノ

タンタラスのテーマ

クレイラの街

[DISC3]

ローズ・オブ・メイ

山吹く里 コンデヤ・パタ

黒魔道士の村

とどかぬ想い

エーコのテーマ

おれたちゃ盗賊

モーグリのテーマ

守るべきもの

グルグ火山

[DISC4]

飛空艇ヒルダガルデ

隠者の書庫 ダゲレオ

イプセンの古城

独りじゃない

消えぬ悲しみ

破滅への使者

最後の闘い

甘く悲しい恋

その扉の向こうに

Melodies Of Life~Final Fantasy

いつか帰るところ


リコーダー2重奏編成のシンプルで素朴な楽曲です。

まずは壮大な楽曲で印象付けるというのは、ゲーム音楽では多い印象ですが、その反対を行くことで、返って印象深くさせている印象です。

リコーダーなので暖かみがありますが、旋律の方は何処か不穏です。

各キャラクターがの的な言葉と共にこの印象的な楽曲が流れるので、「どんなキャラクターなのだろうか?」という関心が無意識に湧いてきます。

そして、曲名も大変印象深く、そのような意味でも作品を象徴するような楽曲となっております。

カーソルの効果音との相性も非常に良く、印象に残りますので、サントラで聴いていてもその効果音を自分の頭の中で再現できます。

ビビのテーマ


ビビの幼く「何も知らない」感じであったり、「いつどんな失敗をしてもおかしくない」といったような危うさみたいなものが感じられました。

物語が進むとこの楽曲とビビの印象はややミスマッチが生まれるかもしれません。

この刃にかけて


ムービーに合わせて作成された印象の楽曲ですが、映像無しでもやはり魅力的に感じられる楽曲です。

序盤の「何が起こるんだろう?」から後半の畳み掛ける感じが心地良いです。

オーケストラでの生演奏との相性も良さそうな印象で是非聴いてみたいのですが、未だにFFコンサートでまだ演奏されたことが無いのが不思議に思います。

スタイナーのテーマ


スタイナーのイメージにピタリとくる、ややコミカルで間抜けな曲調です。

走るときに鳴る、鎧の効果音との相性がまた素晴らしいです。

スタイナーに追い掛け回される絵が浮かび、ニヤリとしてしまいます。

バトル1


通常戦闘曲ですが、そのカテゴリーで言いますとシリーズの中でもかなり私の好きな楽曲になります。

何が良いかと言いますと、イントロのベース音に続くストリングスの音が好きです。

戦闘のロードが長いと言われていますが、このイントロを聴くと頭が戦闘モードに良い具合に切り替えることができました。

このイントロのお陰なのか、私はロードは気になりませんでした。

辺境の村 ダリ


非常にメロディアスで長閑さ、暖かみが強い楽曲です。

これを聴くとそういう村だと思いますが、村の実態を知ると、この一貫した暖かみが返って不気味に感じられるという不思議な現象が起こります。

そこまで狙っていたかはともかく、「してやられた」感のある楽曲です。

ジタンのテーマ


こちらも、非常に好きな楽曲です。

ジタンというキャラクターも好きなのですが、楽曲の前半のグイグイ引っ張っられそうな勇ましさ、後半の優しさの構成がたまりません。

まさしくジタンというキャラクターが表現された楽曲だと思います。

個人的に、こちらの楽曲があまり話題に挙がらないのが不思議です。

シドのテーマ


シドも優しいキャラクターなのですが、こちらの楽曲では城の主という立ち位置に重点が置かれて作成されている印象です。

頼れる王様、といった感じで聴くとちょっと安心するようなところがプレイ中ありました。

キャラクターのテーマ曲の作成も様々なアプローチ方法があるんだなと感じさせました。

リンドブルム


城ではなく、城下町で使用されている楽曲です。

なんだか、のんびりとした印象で、ゆっくりと探索したくなります。

歩き回るだけでも楽しい場所ですが、この楽曲の貢献度も高いと思います。

記憶の歌


「Melodies Of Life」のアレンジ曲です。

ハープと歌声で構成された繊細で美しい楽曲になります。

「記憶」という言葉もゲームのキーワードになっておりますが、この楽曲を聴きますと、「美しい記憶はきっと消えるものではないのだ」と信じたくなるような気分にさせられます。

ハンターチャンス


イベント曲ですが、移動シーンも戦闘シーンもこちらの楽曲が切り変わることなく使用されています。

初プレイ時は、思わずコントローラーを強く握りしめてしまうような緊張感があったのを覚えています。

イベントの印象が強かったため、楽曲も印象に残ったというパターンでした。

国境の南ゲート


FF9らしさが強く漂う楽曲だと思います。

「Melodies Of Life」のアレンジ曲ですが、素朴で暖かみのあるアレンジとなっております。

リコーダーではないのですが、「いつか帰るところ」の楽曲と似た編成になっております。

眠らない街トレノ


ピアノによる楽曲です。

シンプルな楽曲だとは思うのですが、夜の危険な香りも感じさえる雰囲気です。

ピアノは様々な雰囲気を作れる万能な楽器なんだなと感じました。

自分で弾けたら楽しいだろうなと憧れます。

というのも実は、非常に好きな楽曲で、最後までベストトラックにするか悩んだくらいでした。

あまり話題になることが無いので、もっと人気があっても良いのになと不思議に感じます。

ローズ・オブ・メイ


こちらもジンプルな印象のピアノ曲ですが、比較的話題になることの多い人気曲です。

ベアクリトス関連の曲ですので、印象に残り易いという背景があると思います。

彼女の厳しさの裏側が伺い知れるような旋律です。

ベアクリトスのイベント戦闘曲のである「守るべきもの」はこちらのアレンジ曲になっております。

とどかぬ想い


「ジタンのテーマ」のメロディアスな後半部分を使用しています。

むしろ、こちらの楽曲が先に生まれたのかも分かりません。

「優しさ」よりも「切なさ」が感じられる楽曲です。

エーコのテーマ


キャラクターのテーマ曲としては珍しく、アレンジ曲です。

「Melodies Of Life」の主旋律が抜いてアレンジされているので少々違和感もあるのですが、非常に味わい深いです。

主旋律じゃないところでキャラクターを表現するというところに斬新さを感じました。

モーグリのテーマ


モーグリといえばナンバリングの中でも「FF9」が最も印象深いです。

そのためか、楽曲の印象もこちらが最も強いです。

音色が非常に心地良く、クリアで滑らかな印象のあるアレンジになっています。

飛空艇ヒルダガルデ


思えば、飛空艇を操作できた最後のナンバリング作品です。

乗り物系の楽曲はイントロが重要に感じますが、そこはやはり完璧で、主旋律の伸びやかさから空を駆け巡っている感覚が沸き起こります。

植松さんの飛空艇曲は素晴らしい楽曲ばかりなので、もっと注目して頂きたいです。

隠者の書庫 ダゲレオ


落ち着いた気持ちにさせられます。

図書館で聴くと非常に良いのではないでしょうか。

こちらの楽曲もシンプルさがあり、FF9らしさを感じます。

独りじゃない


大変人気の高い楽曲で、FFコンサートでも複数回、演奏されています。

非常に好きな曲ではあるのですが、イベント自体がちょっとFF9の雰囲気から逸れてしまっている感じでしたので、こちらの楽曲も「らしさ」がちょっと薄く感じます。

とはいえ、そういったシーンを印象的なものにするだけの力をもった楽曲だと思います。

当然ながら、ベストトラックを考えたときに頭に浮かんできた楽曲のうちの1つです。

その扉の向こうに


涙なしには見れないエンディングも「FF9」の大変大きな魅力の一つですが、ムービーシーンの中ではこちらの楽曲が最も印象的で、こちらの楽曲を聴くとガーネットの表情までもが目に浮かびます。

この表情と音楽でのキャラクター心情の表出というのも、着目してみるのも興味深いかもしれません。

ベストトラック

あの丘を越えて


フィールド音楽にここまで思い入れを持ってしまうというのが、そもそも不思議な感覚ではあるのですが、「FF9」の世界を思い浮かべたときに最初に思い出すのがこの楽曲です。

なので、ベストトラックとして挙げるに至りました。

「Melodies Of Life」のアレンジ曲ですが、音色が素晴らしいです。

モーグリを呼ぶ笛の効果音とのマッチングも素晴らしく、無駄に何度も呼びたくなってしまうのは、この楽曲も一因となているかもしれません。

まとめ

好きな曲が多すぎるサントラでレビューも長くなってしまいました。

意外とシンプルなのに奥深く、「FF9」世界やキャラクターについての深いところまで想像してしまうような楽曲が多いなというのが全体的な感想になります。

植松さんの楽曲が好きな方であれば必聴のサントラだと思います。

Blu-rayの映像付きリバイバルサントラも発売決定したようなので、まだ聴いたことの無い方には特に聴いてみて頂きたいです。

なお、エンディング曲「Melodies Of Life」につきましては、もう少し掘り下げたいなと思いましたので、今回の記事では触れませんでした。

後日、歌詞を眺めながら、「FF9」というゲームについて改めて考えてみたいなと思います。

-FFシリーズ
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