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歌詞考察(和訳)「Hollow」/Yosh

投稿日:2020年6月4日 更新日:

FF7 REMAKE テーマソング

作詞:野島成一 作曲:植松伸夫 ヴォーカル:Yosh

前回のレビュー記事に続き、歌詞考察の記事を書かせて頂きます。

野島成一さんの歌詞を考察するのはFF10主題歌「素敵だね」に続き2回目なので、”野島さんらしさ”のようなものが見付けられたら嬉しいと思っております。

また、この楽曲の持つ”男臭さ”「FF7 REMAKE」の物語やクラウドというキャラクターにどのようにリンクしていくのか、というのが注目してみたいと思います。

なお、作詞がシナリオを担当された野島さんなので、歌詞考察するにも、どうしてもシナリオにリンクしてしまいます。

それこそがこの曲の素晴らしい部分の1つではあるのですが、こうした曲の性質上シナリオのネタバレになる部分があります。

ゲームシナリオのネタバレを含む記事となるため、ゲームを未クリアの方につきましては、当記事の閲覧は非推奨とさせて頂きますのでご注意ください。

歌詞考察するにあたっての留意点

この歌詞考察では、実際に歌われている英語歌詞については驚くほどに無視させて頂きます。

その理由は第一に「英語分からないから!」にあります。

私、本当に英語に関しては酷いレベルにあります。

それは紛れもない事実です。

決して目を逸らしてはいけません。

「受け入れろ、この現実を」というお話になります。

しかし、もっと重大な理由があります。

実は、この楽曲はそもそも、野島さんが日本語で書いた歌詞を英語に変えて歌われている楽曲なのです。

実際に歌われているのが英語なので、多くの方は始めから英語で作成された歌詞だと思っていらっしゃるのが現実だと思います。

そういった方々がこの記事に訪れる際に適切と思われる「和訳」という言葉を記事タイトルに用いていますが、実際には楽曲制作における矢印は反対向きになります。

よって、歌詞考察をする上ではどのみち、この日本語歌詞の方で解釈した方が、より直接的な解釈になるということになります。

幸いなことに、日本語歌詞はゲーム画面で表示されます。

なので、そちらを引用させて頂き、この歌詞考察記事を書かせて頂きたいと思います。

なお、詞の全体的な印象に関しましては、レビュー記事の方で既に触れてしまっているので割愛させて頂きますので、あわせて読んで頂けると嬉しく思います。

歌詞考察:1番Aメロ

漂い 流れて 迷った時でも あなたの輝く 笑顔が導く

傷つき倒れて 打ちひしがれても あなたに触れたら すべては癒され

視点がクラウドであることはインタビュー等で語られています。

それでは、ここで言う”あなた”とは誰のことでしょうか?

さぁ、ここでも勃発しました。

”ティファ派” vs ”エアリス派”   ファイッ!!

…どちらとも取れなくはないですし、歌詞解釈の答えは「受け手がどのように受け取ったか」にあると私は思っているので、どちらで取るのかは自由でもあります。

また、2人に限らずクラウドには守りたい人は多く居るはずなので、特定の誰かというよりも”守りたい人物”として捉えても良いかもしれません。

はたまた、人物だけではないかもしれません。

本編ではスラム街が窮地に陥りますが、街だって守りたいものであったはずです。

人物の他に、このようなもの全てをひっくるめて”守りたいもの”という風に捉えることも出来るかもしれません。

ただ、私自身の解釈では、エアリスのことだろうなと思っています。

理由の1つは”癒され”という箇所です。

この詞から私は、エアリスのリミット技を連想してしまいます。

シナリオ上でもやはり、”迷った時でも あなたの輝く 笑顔が導く”という部分にエアリスとクラウドを巡る物語と重なるように思えます。

エアリスというしっかり者のお姉さんキャラが、記憶もおぼつかない未熟なクラウドを導いて行っているように感じられるシナリオなので、エアリスがピタリと嵌るなと思いました。

歌詞考察:1番Bメロ

浮かれてた? そうかもな 何も知らずに

気づくのが早ければ 抱きしめられたかい?

ここは気になる箇所です。

クラウド自身は本当のことは何も知らずに「俺はソルジャーのクラスファーストだ!」と言っていたわけですが、それを”浮かれていた”と誰かから指摘されているような歌詞になっています。

それが誰なのか?と考えるとやはりエアリスなのですが、そんなシーンはゲーム中には無かったと思います。

むしろ、私としましては、クラウドの言っていることのおかしさに薄々気付きながらも、黙って微笑みかけているようなエアリスの顔が浮かんできます。

クラウド自身も真実を知った後にエアリスのことを思い浮かべたときに、自責の念がある故に、このようなネガティブな言葉をエアリスが笑顔の裏で投げ掛けていたかのように感じ取ったといった具合かもしれません。

後半部分は、クラウドが「早く真実に気付いていれば、今もエアリスは近くに居て抱きしめることができたのかい?」と、エアリスに問いかけているような意味合いに感じます。

歌詞考察:1番サビ

もう一度輝け  一度でいい 見つけるから

もう一度笑って 今度は離しはしない

後悔の気持ちが溢れ出している歌詞になています。

クラウドは外見が良く、強くて何でもできる、そんな完璧な格好良さを一見すると感じますが、このように後悔ばかりしてウジウジと前に進めないような弱っちい部分があるわけです。

すなわち、”男臭さ”がこのサビの部分で猛烈に表出されています。

こうして考えるとこの部分の歌詞も実に巧みに描かれています。

”もう1度”の連発で聴く側としては「ちょっと何が言いたいのか分からない」という印象を持つのですが、それこそが”男臭さ”のリアリティなのではないでしょうか?

実に素晴らしいと思います。

歌詞考察:2番Bメロ

笑顔には 隠された秘密があったね

でも俺は空っぽで 求めてばかりで

エアリスの秘密と考えるのであれば、「出生に纏わるあの話かな」と想像がつきます。

クラウドや子供たちに笑顔をいつも振りまいていても、裏で大きな問題を抱えているわけです。

そして、ここで遂に”空っぽ”という詞が出てきました。

野島さんはタイトルの「Hollow」を”空っぽ”という意味で用いています。

曲の核心部分なので、この詞については、特にしっかり考えなくてはなりませんが、曲の最後にもう1度出てくるので、そちらで考えたいとは思っています。

しかし、ここで”求めてばかりで”と続いているのは気になります。

「求めてばかり」ということは、「何も与えられていない」、すなわち「失敗ばかりしている」という虚無感のようなものを抱えているという印象を持ちます。

要するに、”俺は空っぽ”とは、”俺は失敗ばかりで何も与えられない”というようなニュアンスかもしれません。

とりあえず、先に進みます。

歌詞考察:2番サビ

もう一度頼むよ  笑顔を見せて

もう一度 今度こそ  涙の跡に 気づいてみせる

ここで言う”笑顔を見せて”とは、この表現では「あの頃のような笑顔をまた見せて」という風にシンプルに捉えられそうですが、私はちょっと違和感を覚えました。

なぜなら、「それよりもエアリスの笑顔の裏にある問題を解決してこそ得られる、本当の笑顔を見ることを願っているのではないの?」と思うからです。

しかし、それをクラウド自身うまく整理して考えられていないからこそ、「とにかく笑顔を!」というのが前に出てきてしまっているのだろうな、というようにも感じられました。

これも”男臭さ”と考えると、どこか腑に落ちるものがあります。

1番サビ同様に、2番においても後悔ばかりのウジウジした感満載のサビですが、ここで不意打ちのように素敵な表現があります。

”涙の跡に気づいてみせる”というのが、”笑顔に隠された秘密”に通づるところがあって、非常に素晴らしいなと思いました。

このような素敵な表現ができるのは、シナリオライターとしてだけでなく、言葉そのものにも大きな力を持っているなというのを感じました。

そして、これこそが”野島さんらしさ”だなと私は感じました。

歌詞考察:大サビ

ああわかるよ  あなたはいない

でも俺は 叫び続ける  空っぽだから

いよいよクライマックスです。

Yoshさんのロッキングシャウトなヴォーカルも、いよいよ最大の聴きどころとなる部分です。

「分かってるよ、そんなこと!」

思わず、こんな風に叫んだことある人居ませんか?

…私はありますね。

リアリティがあり、これをYoshさんに歌われたらそれはもう、素晴らしいですね。

そして、最後の部分です。

「分かってるけど叫び続けるんだよ、なぜなら俺は空っぽだから!」

いやー たまらないです。

こんな表現をされると、男の弱っちい部分が何故か格好良く思えてきます。

「ああ、男はそれで良いんだ!」なんて言いたくなってしまいます。

叫び続ける理由を「空っぽだから」と言っているのですが、どういうことでしょうか?

最後にここを考えようと思います。

まず、再び野島さんのインタビュー記事での発言をここで思い起こします。

日本語の仮のタイトルは『空っぽの雲』でした。この歌詞を作るときに真っ先に浮かんだフレーズです。空にくっきり見えている雲でも飛行機に乗って中に入ってしまうと存在が希薄になりますよね。主人公のクラウドという名前からの単純な連想ですが、そのイメージが最初にありました。

私は「雲」と聞きますと「触れることができない」「届かない」そういった存在であると感じます。

叫んでも叫んでも、触れられないこと、声が届かないこと、エアリスがここに戻ってこないことは分かっているわけです。

クラウドは「大切な人を守れる強さを持っている」ことを理想の自分として描いているのではないでしょうか。

しかし、それは難しく、変に格好つけてばかりしてしまいます。

そして、実際に大きな失敗をしているわけです。

思うようにいかない、失って求めてばかりで、何も与えられない。

その虚しさを感じると、叫ばずにはいられない。

声を上げて叫び、ガラガラになって、咳込んで、それでも声を上げ続ける。

これも”男臭さ”なのではないでしょうか?

そして、これがこの楽曲の核心部分だと思います。

クラウドに限らず、これは男のリアリティであるなと私は強く感じ取りました。

まとめ

解釈は様々だとは思いますが、私なりにこの楽曲の素晴らしさを歌詞考察をしながらお伝えしよとしてみました。

これを読んで頂いた方にも是非「空っぽだから叫び続ける」ことの意味を考えてみて頂きたいです。

そしたらもしかしたら私のように、クラウドの持つ”男臭さ”を感じ取るかもしれません。

この楽曲を通じて、私の中ではクラウドというキャラクターの理解が深まったような気になっております。

なので、これを手土産に「FF7 REMAKE」を再プレイしてみたいとも思っております。

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