”ロコロコ語”によるヴォーカルサウンドで楽しく可愛らしい「ロコロコ」の世界観を構築している!
コンポーザー:清水信之、足立賢明
ゲームのプレイ状況:ワールド3途中まで
パッチョンボー モーイノイノイ チャカレタパットン パンコラケットントーン♪
というわけで、どういうわけか分かりませんが、今回は「ロコロコ」のサントラをご紹介します。
「ロコロコ」と」私
ロコロコは「PRESS START」で演奏された「ロコロコのうた」の印象が強烈で、以後「どんなゲームなのだろう」とずっと気になっていた作品でした。
プレイするきっかけとなったのは昨年の「PSPのバッテリーの膨張がヤバい」という話題を目にしたことでした。
私も早速、かつてお気に入りだった緑色のPSPを引っ張り出し、バッテリーと数年振りの感動の再開を果たすこととなりました。
すると見事に、それはもう餅のように膨張しており、きな粉を塗すべきかと悩みつつも、バッテリーを買い替えることにしました。
すると無性にPSPのゲームをプレイしたくなったわけです。
「そうだ!ロコロコをやってみよう!」と京都に行くようなノリでプレイすることとなりました。
独特な世界観にやや戸惑いながらもロコロコ転がしに励みました。
飽きるのはちょっと早く、ワールド3の途中で止まってしまっているのが現状です。
しかし、PSP のゲームは気軽にプレイできるので、続きをプレイする機会があるのではないかと考えています。
サントラの全体像
全42トラックで70分収録されております。
コンポーザーは「部屋とYシャツと私」の編曲者としても有名な清水信之さん、「いきものがかり」等のJ-Popアーティストのサポートメンバーとしても有名な足立賢明さんが担っております。
BGMコンポーザーというよりはポップス分野での活躍が目立つようにも感じられ、そうした面が「ロコロコ」のサウンドにもよく嵌まっているのですが、お二人とも複数のSCE系のゲーム音楽の方でもご活躍されています。
特徴は何と言っても”ロコロコ語”なる造語を用いた楽しいヴォーカルサウンドにあります。
この造語というのは「言語」という制約から解放されるため、非常に便利な部分があり、旋律に対して言葉の音の響き(特に子音)を自由に組み合わせることができます。
なので旋律がより綺麗に響きますし、心地良い言葉の響きがあるため口ずさみたくなります。
楽しさと可愛らしさのある世界観を強く感じさせる効果もありそうです。
ヴォーカリスト
気になるヴォーカリストですが、詳細が分からない方ばかりです。
日本人の方も混じっているようですが、外国の方が多いようです。
私が唯一存じ上げているのが”ロコロコイエロー”のメロディー・チューバックさんです。
「PRESS START」に出演されて実際に歌声を聴かせて頂いたことがあるから存じ上げております。
「ロコロコのうた」として取り上げられるのは基本的にロコロコイエローver.であるという事情もあるので、多くの人が耳にしている歌声だと思います。
面白いのは”R”の発音方法がヴォーカリストによって異なり、メロディー・チューバックさんは英語のように下を巻いて発音されている一方、他の方は日本語的な発音で歌われていることです。
これだけでも楽曲の印象が変わるので、そのような部分を各バージョンで聴き比べてみるのも興味深いかもしれません。
トップレート曲
※背景色付きは☆5、その他は☆4
ロコロコのうた ~ロコロコ・イエローバージョン~
oreo(オ~レ~オ)~ジャングルの目覚め ロコロコ・イエロー&グリーンバージョン~
bu bu poruche (ブ~ ブ~ ポルチェ) ~ロコロコ・イエローのテーマ~
stage clear jingle(ステージクリア・ジングル)
dadhi dado da(ダディ ダドゥ ダ) ~花がいっぱい ロコロコ・ピンク&レッドバージョン
muimui(ムイムイ) ~ムイムイの1日~
zappudo geron(ザップドゥ ゲロ~ン) ~ロコロコ・ブラックのテーマ~
pupapu poapoa(プパプ ポアポア) ~モジャにおやすみ~
panguraratta(パングララッタ) ~ロコロコ・レッドのテーマ~
nyokki(ニョッキ) ~ニョッキはともだち~
merure merure(メルレ メルレ) ~ボンムーチョのうた~
bu bu poruche (ブ~ ブ~ ポルチェ) ~ロコロコ・イエローのテーマ~
各ロコロコキャラクターにはテーマソングがあります。
ロコロコイエローのテーマ曲を歌うのは、やはりメロディー・チューバックさんということになります。
魅力的なのは、その歌唱にあり、声質であったり”R”の巻き舌を多用したサウンドが独特な心地良さを感じさせます。
裏打ちのタンバリンのリズムだったり、コーラスもまた楽しさと可愛らしさを見事に演出しております。
stage clear jingle(ステージクリア・ジングル)
ジングル曲にトップレートを付けるというのは珍しく感じたのですが、非常に気に入っている楽曲です。
ゲームにおいても意外と重要な役割を担っている楽曲だと感じます。
楽しい雰囲気はそのまま残しつつも、派手さはなくちょっと落ち着いている楽曲なので、ステージクリアのタイミングで一息つけるようになっています。
すると、ついつい「もう1ステージやろうかな」と思ってしまいます。
dadhi dado da(ダディ ダドゥ ダ) ~花がいっぱい ロコロコ・ピンク&レッドバージョン
ピンクとレッドによる素晴らしい掛け合いが聴きどころの楽曲です。
複雑な構成だとも感じるのですが、全体として巧みにまとまっているので「あ、ロコロコサウンドの魅力の真髄はそこなのかな?」と思いました。
merure merure(メルレ メルレ) ~ボンムーチョのうた~
リズム的な心地良さは残しながらも、マイナー調の不気味な旋律にしております。
緊張感は間違いなく出るのですが、ロコロコの世界観は損なわれていないのがこちらの楽曲の素晴らしいところだと思います。
ベストトラック
ロコロコのうた ~ロコロコ・イエローバージョン~
ロコロコのメインテーマ楽曲とも呼べる象徴的な楽曲です。
「PRESS START」においては、2007年公演と2010年公演で2度演奏されました。
プレスタの演奏、とりわけ2010年公演では児童コーラスも加わったことにより、想像をはるかに超える素晴らしさでびっくりするくらい感動したのを覚えています。
ヴォーカル、旋律、言葉の響き、リズム、児童コーラス等全ての要素が完璧な調和をみせています。
メロディアスで楽しくて可愛らしい、ロコロコサウンドの魅力の全てがこの楽曲に詰まっています。
ゲーム音楽の枠を越えて、シングル楽曲として十分に通用する楽曲だと思います。
迷うことなくベストトラックとしました。
まとめ
”ロコロコ語”による歌唱は聴いていて楽しさ、可愛らしさを感じさせますが、こうしたサウンドが「ロコロコ」の独特な世界観を決定づけている印象です。
個人的には、何も考えたくないようなときに聴きたくなるのですが、それは特に意味を持っていないであろう”ロコロコ語”によるヴォーカルに拠るところが大きいのではないかと感じます。
なんとなく気分が晴れないとき、楽しくなりたいときに聴くのも良いかもしれません。
とりあえずは、シングル盤でロコロコイエローver.の「ロコロコのうた」だけを聴いてみて、他の楽曲を聴きたくなったらサントラの方も聴いてみるというやり方でも良いかもしれません。
いずれにしても、是非多くの方に触れてみて欲しいサウンドだと思います。