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レポート「KENJI ITO The Anniversary Concert」

投稿日:2021年2月15日 更新日:

30周年アニバーサルライブは、伊藤賢治さんの今後の活躍への期待も大いに抱かされた!

2021年1月30日開催 / 大宮ソニックシティ大ホール(配信)

今回は伊藤賢治さんの作曲家活動30周年アニバーサルライブを視聴しましたので、記事にまとめていきたいと思います。

開催概要

伊藤賢治さんは現在はフリーの作曲家ですが、活動の始まりは1990年になります。

スクエアに入社され、作曲家活動をスタートされました。

ゲーム音楽の作曲家として初めての仕事となったのが同年の『Sa・Ga2 秘宝伝説』になります。

以後は、現在も展開されているサガシリーズの楽曲を中心に作曲家活動を続けられております。

2020年には活動30周年を迎えられることになったのですが、今回のライブはその節目を記念して企画されたイベントということになります。

当然ながらライブの構想というのはつい先日に練られたものではなく、かなり前から企画されており、こちらのライブの構想も1年以上前、すなわち感染症が蔓延する以前より暖められておりました。

感染症の蔓延後は他のイベントも次々と公演中止や延期、無観客開催といった苦渋の決断をしてきたわけですが、こちらのライブも例外ではなく、難しい判断を迫られたことになります。

結果として、伊藤賢治さんら主催者の判断としては、”無観客公演”という形を選択され、その模様をライブ配信することになりました。

会場はなんと大宮ソニックシティ大ホールという、規模の大きな会場であることが配信終了間際になって伊藤賢治さん自らの口から発表され驚かされました。

伊藤賢治さんにとって大宮ソニックシティ大ホールは思い入れのある会場とのことで、理由を探ってみました。

すると、どうやら伊藤賢治さんの敬愛するバンドであるTM NETWORKのライブに観客として初めて参加されたのが1988年12月(本人コメントからの推測です)の埼玉公演で、その会場が大宮ソニックシティ大ホールだったことから思い入れを持っていらっしゃることが分かりました。

例えるなら、ビートルズを敬愛している日本人アーティストが日本武道館でライブを開催するような感覚かもしれませんが、憧れの舞台に上がれてしまうという事実からも、30年にわたる作曲家活動の重みを感じられます。

同時に、大宮ソニックシティのホール棟がいかに長い歴史を持っているかも感じさせるのですが、2021年7月より2023年2月までの間、大規模な改修工事が予定されております。

今回、無観客開催という選択をした背景には、ライブ中の伊藤賢治さんのコメントも踏まえると、このようなホール事情も関係していたようです。

ライブは会場のみならず、アニバーサルに相応しい豪華な内容で、出演者の方々やセットリストを見るだけでも、30年間の作曲家活動における1つの集大成となっております。

私個人としては「無観客開催を選んでいただいて良かったな」と思える内容だと思っておりますし、さらに言えば未来の40周年や50周年、更にそのもっと先への期待も大いに抱かせる圧巻の内容だと感じました。

出演者

バンドメンバー:

伊藤賢治(キーボード)

上倉紀行(ギター、キーボード)

寺前甲(ギター)

宮崎大介(ギター)

榎本敦(ベース)

岡島俊治(ドラム)

和田貴史(マニピュレーター)

土屋玲子(バイオリン)

MIZ(バイオリン)

バンドメンバーにつきましては、CDの発売が目前に迫っている「サガ」オフィシャルバンド「DESTINY 8」のメンバーが中心になっていることを想像していたのですが、やや異なる編成となっておりました。

私個人としては恥ずかしながら初めてお目にかかる方々も少なくありませんでした。

また機会があると思いますので、ひとまず全員のお名前と演奏されている楽器を覚えさせて頂こうと思います。

上倉紀行


上倉さんは「DESTINY 8」メンバーでもありますが、演奏家としての顔だけでなく、ゲーム音楽の作曲編曲にもたくさん関わっていらっしゃいます。

作曲されている作品の中から私が所持しているサントラの作品名を挙げますと、「オプーナ」「朧村正」が挙げられます。

崎本仁さん率いるベイシスケイプに所属されていた経歴もあり、多くの有名作品の楽曲に関わられています。

伊藤賢治さんとの縁で言えば、「サガスカーレットグレイス」「インペリアルサガ」「ロマンシングサガ リ・ユニバース」の編曲を担当されています。

すなわち、近年の伊藤賢治さんの作品の横には上倉さんがいつもいらっしゃるということになります。

演奏者としては日本ファルコム「J.D.K.BAND」でも活躍されており、音楽を通じてゲーム会社の垣根を超え、幅広く活動されています。

こうした幅広い活動というのは、業界でも珍しいのではなないでしょうか。

それだけ多くの人の信頼を得られていることを意味しているのだと思います。

今回はキーボードだけでなく、ギター演奏を披露されました。

加えて、伊藤賢治さんのトーク相手としてマイクを握る場面も度々みられました。

困ったときの、心細いときの上倉さん、という印象でした。

岡島俊治


当ブログにて以前にもお名前が出てきた方では、岡島俊治さんの名前があります。

岡島さんは「DESTINY 8」メンバーですが、多くのゲーム楽曲を演奏されている「LaiD Back Gorilla」のメンバーでもあり、私個人は「ライブアライブ」のライブ公演にて複数回お目にかかっています。

実はMC等のトークも巧いのを私は知っているのですが、今回のライブではそちらを披露する機会はありませんでした。

たくさんの演奏実績があり、ゲーム音楽を熟知されているだけあって、安定したドラムを叩かれていました。

ゲスト出演者:

成田勤(ギター)

弘田佳孝(チェロ)

野々村綾乃(ヴォーカル)

岸川恭子(ヴォーカル)

成田勤


成田さんも多くのゲーム楽曲の作曲編曲をされているので、ゲーム音楽ファンの多くの方がご存じのお名前だと思います。

成田さんといえば植松伸夫さんとの縁を強く感じられます。

というのも、私が成田さんを初めてお目にかかったのが2009年の「犬耳親族会議vol.2」だったのですが、当時植松さんが共に仕事をする音楽家を探していらっしゃるところに応募されたのが成田さんという、いわば師弟関係になります。

伊藤賢治さんもスクエア入社当時の指導者は植松さんだったわけですが、伊藤さんと成田さんを結び付けたのはやはり植松さんからの縁になります。

2010年の「犬耳親族会議vol.4」の際に、当時植松さんが作曲されていた「グインサーガ」の編曲を担当していた成田さんを伊藤さんに紹介されました。

その後伊藤さんの楽曲の編曲を成田さんに依頼することが増えていきました。

サガシリーズで言えば、「サガスカーレットグレイス」「インペリアルサガ」(作曲含む)にて編曲を担っています。

演奏者としては、植松さんの『The Black Mages』解散後に結成されたロックバンド『EARTHBOUND PAPAS』のメンバーでもあります。

加えて、成田さんの手掛けた「グランブルーファンタジー」の楽曲を演奏する自身のバンド「Stella Magna」も近年結成され今回のライブメンバーであるドラムの岡島俊治さんとギターの宮崎大介さんも所属されています。

今回のライブではギターリストしてゲスト参加され、ストローク中心のパワフルなギターを聴かせてくれました。

演奏されている姿を見るのは実はかなり久しぶりだったのですが、演奏者としても多くの経験を積まれ、その振る舞いがより格好良く映りました。

弘田佳孝


キャリアの始まりはスクエアで効果音の仕事をされていたとのことです。

当時関わった作品として「ライブアライブ」の名前を聞いたときは、この作品がどんだけの人を結び付けているのかと驚かされました。

成田さん同様に『EARTHBOUND PAPAS』にも所属されています。

河盛慶次さんの後を継ぐような形でベーシストを担っております。

とにかく元スクエア系のコンポーザーとの繋がりが非常に強い方なのですが、伊藤賢治さんとの関係で言えばやはり「サガスカーレットグレイス」「インペリアルサガ」における編曲者というところで関係しております。

今回はベースではなく、チェロを弓で弾かれました。

これはかなり貴重な光景だったのではないでしょうか。

ビブラートの掛け方もクラシカルな指使いでされており、いつもとは異なる格好良さが感じられました。

野々村綾乃(ヴォーカル)


伊藤賢治さんが「サガスカーレットグレイス」のヴォーカリストを探していた時に見付けた逸材です。

クラシカルな声楽を専門に学ばれている方なのですが、なんとその発声のまま多ジャンルの楽曲を歌唱するという、今までありそうで無かった挑戦をされています。

これが個人的にツボにはまりまして、今私が気になって仕方がないシンガーとなっております。

すごい人を探し出してくれた伊藤賢治さんにも感謝したいくらいです。

岸川恭子


好きな人しか居ないであろう「ミンサガ」の名曲「情熱の律動」のヴォーカリスト張本人です。

あのパワフルで聴いているものの心を一瞬で掴むヴォーカルの張本人です。

歌詞があるわけではなくいわゆるスキャット歌唱なのですが、その音の響きがまた絶妙で人気を博しています。

今回はその素晴らしい歌唱をコンサートの場で披露され、ご本人は意外にも緊張していたようでしたが、それはもう感無量でした。

セットリズト

1.安らぎの大地(サガ2)

2.必殺の一撃~死闘の果てに(サガ2)

3.バトル1メドレー(ロマサガシリーズ)

4.全軍突撃!(インペリアルサガ)

5.下水道(ロマサガ1)

6.いざ行け!怪傑ロビン(インペリアルサガ)

7.胸に刻んで(サガスカーレットグレイス)

8.砕かれし星(サガスカーレットグレイス)

9.ポドールイ(ロマサガ3)

10.  ALONE(サガフロンティア)

11.  冥魔・堕とされしものども(サガスカーレットグレイス)

12.  怒闘(魔界塔士サガ)

13.  バトルメドレー(ロマサガRS)

14.  臨戦態勢!キャラバトルメドレー(サガスカーレットグレイス)

15.  四魔貴族バトルメドレー(ロマサガ3)

16.  ラストバトル(ロマサガ2)

17.  ラストバトル(ロマサガ3)

18.  決戦サルーイン(ロマサガ1)

19.  七英雄バトル(ロマサガ2)

20.  邪聖の旋律(ミンサガ)

21.  Battle #4(サガフロンティア)

22.  情熱の律動(ミンサガ)

23.  オープニングタイトル(ロマサガシリーズ) ※ 伊藤賢治ピアノソロ

あっという間に感じられたのですが、こうして並べてみると曲数が想像以上に多かったです。

作品タイトルの数も多く、整理するのもちょっと大変なレベルです。

終盤の怒涛のバトル曲の展開だったり、もはや恒例なのかもしれませんが伊藤賢治さんのピアノソロでの〆だったりは、多くのファンが期待していたものであり、それを理解して見事に応えてくれるという、心が通ずるような嬉しさがありました。

それらは安定の素晴らしさだったのですが、個人的に最も繰り返し視聴したのはゲストヴォーカルの歌唱された楽曲でした。

サガスカの「胸に刻んで」と、ミンサガの「情熱の律動」です。

「熱唱」という言葉では収まりきれないような感動的な歌唱で、配信だろうが何だろうが「とにかく観れて良かった」と思わせるものがありました。

今後のコンサートでも是非とも参加して頂きたいなと願っております。

まとめ

実のところ、私はサガシリーズのプレイ経験がほとんどありません。

理由はシンプルに私にはちょっと難しく感じるからなのですが、シリーズにもっと触れたいなと思うきっかけにもなりました。

結果、ゲームボーイのサガ3作品、スパーファミコンのロマサガ3作品、PS4の「サガスカーレット」が私の手元に今あります。

30年の歴史をこの身で受け止めたくなるほど、充実した内容で、私自身大いに満足できるものでした。

繰り返しになりますが、伊藤賢治さんの今後のご活躍も非常に楽しみです。

伊藤賢治さんらしい激しくもメロディアスな戦闘曲はもちろん、街やキャラクター曲の美しい旋律がまた次々と生み出されるのを楽しみにしておりおます。

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