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レビュー「エースコンバット アサルト・ホライゾン」オリジナルサウンドトラック

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希少サントラだが、全体像の掴みにくい難解なサウンド。

コンポーザー:小林啓樹、大久保博、濱本理央、日比野則彦、自営山、イズタニタカヒロ、鈴木克崇

ゲームのプレイ状況:導入部のみ

エスコンシリーズもたくさんのサントラが出ており、なかなかレビューが終わらないのですがもう一息です。

今回はPS3及びXbox360にて発売された異色の作品である、「エースコンバット アサルトホライゾン」のサントラをご紹介します。

「エースコンバット アサルトホライゾン」というゲームの印象

「印象」と言いましても、上記の通り導入部しかプレイしていないので多くを語ることはできません。

具体的には、最初の戦闘ヘリを操縦するところで早過ぎるギブアップをしてしまったのですが、「なぜプレイをすぐに止めてしまったのか」という理由は、新しいシステムに馴染めなかったというところが大きかったのかなとは思います。

演出と言う部分では豊かになった一方、自由に空を飛べないフラストレーションを感じてしまいました。

「アサルトホライゾン」では、新システムを用いて当時流行し始めていたFPSゲームのファンの取り込みを狙ったらしいのですが、そもそもFPSゲームが肌に合わない私にマッチするわけが無かったのでしょう。

ただ、正直なところ「ゲームの評判があまり良くなかった」というところから起因する先入観みたいなものもプレイ意欲を邪魔していたようには思います。

今となっては後悔もあり、プレイし直したいという気持ちも無いわけではありません。

というのも、2021年10月に「アサルトホライゾン」が10周年となったのを受けブランドディレクターである河野一聡さんが仰った「今のエースコンバットがあるのも、シリーズを見直すきっかけになたのもアサルトホライゾンがあったから」という言葉を聞き、「失敗作」というより「意欲作」とポジティブな捉え方に私自身も変化したのかもしれません。

サントラの概要

まず、こちらのサントラは私の知っている限りでは一般発売されていないどころか、配信すらもされていない貴重な音源となってしまっています。

ゲームの限定版特典としてリリースされたのが唯一のようで、私は幸運なことにこのサントラ付き限定版の情報をたまたま掴み、購入していたので音源を所持しているということになります。

個人的には「アサルトホライゾン」にネガティブな印象を植え付けないためにも配信くらいはした方がとも思うのですが、事情は必ず何かあるのでしょうし、何とも言えないところです。

この辺りは声を挙げていくしかないのですが、エスコンシリーズも配信番組やアンケートといった形で声を挙げることができる機会が増えてきているので、リクエストしてみるのも意味のあることだとは思います。

サントラの全体像

ディスク3枚組で全38曲、収録時間は147分となっています。

サウンドディレクターは本作においても小林啓樹さんが担っているのですが、濱本理央さん(男性です)が作曲されている楽曲が非常に多く、メインコンポーザーという印象すらあります。

他にはメタルギアシリーズでお馴染みの日比野則彦さんや、近年のスクエニ楽曲で多く目にする鈴木克崇の名前もあります。

もはやシリーズ恒例とも言える多くの楽曲で使用されるメインフレーズについては小林さんが作ってはいるものの、いわゆる「小林焦らし」などの存在感は薄く、従来のシリーズとは異なる全体像となっています。

もちろんフルオーケストラが使用されているのですが、それ以上に強調されているのがギターを中心としたエレキトリックなサウンドで、それらは「エスコン2」のようなメロディアスなものでは無く、環境音楽に近い楽曲も数多くあります。

民俗音楽のようなヴォーカルを交えた楽曲も一部にあり、それらの存在感はあるのですが、全体的に整合性が取れていない印象で、「アサルトホライゾンのサウンドはこれだ!」というようには掴みにくいです。

なので、繰り返し聴いてもどう解釈したらよいのかが見えて来づらいサントラに感じました。

しかもボリュームがそれなりにあるので、尚のこと難しかったです。

エスコンシリーズのサウンドはナンバリング作品でも複数のコンポーザーが作曲されていますが、そうした中でもコンセプトに一貫性があり、安心して聴けるというのが特徴的なところの1つだと考えているのですが、本作にはそのようなナムコサンドの「らしさ」というのがあまり感じられなかったのが残念な点です。

トップレート曲 ※背景色付は☆5、その他は☆4

[DISC1]

“Rebirth” From Sand Storm 作曲:小林啓樹

Inferno 作曲:大久保博

Spooky 作曲:濱本理央

Blue On Blue 作曲:大久保博

Rush 作曲:濱本理央

[DISC2]

Dogfight 作曲:小林啓樹、濱本理央

White Devil 作曲:濱本理央

Naval Warfare 作曲:濱本理央

Infiltrator 作曲:小林啓樹

Shall Defend 作曲:濱本理央

[DISC3]

Fight Back 作曲:小林啓樹

Fighter 作曲:濱本理央

Mrs. Krista Yoslav 作曲:小林啓樹

Release 作曲:小林啓樹

Horizon 作曲:小林啓樹

Gotta Stay Fly 作曲:濱本理央 ヴォーカル:Ken Stacey,Emi Evans

Inferno


大久保さん作曲のミッション曲です。

6分以上に及ぶ長いトラックで、環境音楽的なサウンドに所々ギターやドラム、コーラスのサウンドも交え展開して行きます。

ダイナミクスにしても音の厚みにしても増えたり減ったり、ミッションの展開を想像しながら聴くのも楽しいものです。

Rush


濱本さん作曲のミッション楽曲です。

激しいロック調のギターが躍動しますが、その中にもコーラスやストリングスの響きによる重厚感も存在感があり、格好良い楽曲です。

Dogfight


最初のミッションの楽曲です。

唯一の小林さんと濱本さんと共作となっています。

実際にはどうか分かりませんが、小林さんのメインフレーズに濱本さんがロックギターサウンドを組み合わせたような印象があります。

メインフレーズの使用方法が秀逸です。

Fight Back


小林さん作曲です。

使用箇所は分からないのですが、イベント楽曲でしょうか?

小林さんらしいストリングスを中心としたサウンドによる焦らし?からの爆発的な盛り上がりでメインフレーズを持ってくるタイプの楽曲で、エスコンサウンドが好きな人なら皆大好きなタイプの楽曲だと思います。

Release


小林さん作曲の最終ミッションの楽曲です。

こちらの楽曲もイントロ部分が素晴らしいです。

キャッチーなフレーズも相まって実際にゲームをプレイしていて流れてきたらゾクゾクすると思います。

Gotta Stay Fly


エンディング楽曲という重大な立ち位置のトラックですが、作曲は濱本さんです。

誠に勝手な妄想ですが、かつて小林さんが「エスコン04」中西哲一さんに「Megalith」の作曲を託されたように、ナムコサウンドの将来を見据え濱本さんに託したのかもしれません。

ヴォーカルは男性のラップのようでもあるロックサウンドにメインフレーズを歌唱する女性のコーラスが融合されています。

その男性シンガーはKen Stacey、女性シンガーはニーアシリーズのヴォーカルでもお馴染みのEmi Evansです。

個人的にはロック色が強すぎてエンディング楽曲としてはやや重たさを感じましたので、エンディング楽曲はメインフレーズから離れた新規の楽曲の方が良かったようにも思いました。

ベストトラック

“Rebirth” From Sand Storm


小林さんの楽曲です。

サントラの1曲目なので、勝手にオープニングの楽曲かと思っていたのですが、ミッション2の楽曲です。

しかし、わざわざ1曲目に持ってくるのには理由もあるはずです。

楽曲を聴く限りは、民族音楽テイストのイントロからメインフレーズに展開されるという構成になっているので、もはやメインテーマ曲とも言えそうな楽曲だと感じますので、そういった意図もあるのかもしれません。

エスコンシリーズらしいダイナミクスやメインフレーズの使い方がされており、それらは小林さんの楽曲を聴くときに私が一番期待している部分ですし、コーラスや民族楽器との融合も完璧です。

何度も繰り返し聴きたいですし、コンサートにおいて生でも聴きたいです。

というわけで、ベストトラックは迷うことなくこちらの楽曲としました。

まとめ

そもそもCDで聴くことが難しいという問題もありますが、ベストトラックにも挙げた“Rebirth” From Sand Storm」のような楽曲の路線である程度全体像がまとまっていれば、もう少し聴き易くキャッチーなサウンドとなり、もっと話題になったサントラなのではないかと惜しく感じます。

ゲーム同様サウンドの方も新しいことに挑戦したのかもしれませんが、特に激しいギターサウンドの楽曲等は私個人にはあまり合わないものが多かったというのが正直なところです。

とはいえ、サウンドについても「アサルトホライゾンがあったから今のエースコンバットがある」のだとは思いますので、コンサートでも聴いてみたいですし、もう少し多くの人の耳に入る方法も検討してみて欲しいなと思います。

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