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レビュー「エースコンバット2」オリジナルサウンドトラック

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ロックサウンドのエスコン楽曲は、今聴いても受け入れられるものなのか?

コンポーザー:諫山亘秀、大上昌子、大久保博、高橋弘太、中西哲一

ゲームのプレイ状況:未プレイ

コンサート開催から時間が経ってしまいましたが、未レビューだった「エスコン2」の楽曲が演奏されたこともあり、今回はこちらのサントラをご紹介しようと思います。

なお、私が所持しているのはiTunesの配信音源になります。

「エスコン2」というゲームの印象

私が実際にプレイしたナンバリングはエスコン04」以降なので、上記の通り未プレイとなります。

音楽についてもそうなのですが、ゲームシステムやデザインというところにおいても「エスコン04」においてシリーズの印象が変わるくらいの大きな進化を遂げ、以後にのナンバリングにおいても色濃く残されているという印象を持っています。

こうした変化というのはゲームハード面でPSからPS2へと変わったところの影響も大きいのではないかということは容易に想像できます。

私はエスコンシリーズの進化後の姿しか知らないのが実情なので、この機会に「エスコン2」のゲームの方も動画を拝見させて頂きました。

システムやゲームの進み方といった部分で既にエスコンシリーズの土台はできているというのは感じました。

そのような中で最も異なるように感じたのは、シューティングゲームとしての色が濃く、物語性がまだ薄いといった点です。

この辺りは無線内容が指示ばかりという点にも表れているように思いました。

当たり前ですが、グラフィック面ではリアリティの面でハード性能といった影響もあり、まだまだ技術的に多くの伸びしろを感じされるものでした。

ただ、リアルさが薄いというところの恩恵もあり、例えば敵戦闘機がどの方向へ飛んでいるのかが分かり易いという思い掛けない遊び易さというのが見て取れました。

音楽についても少しだけここで触れますと、ミッション数が多いとはいえ、1つの楽曲が複数のミッションで使用されているという点にも、古いナンバリングタイトルらしさを感じたりしました。

サントラの全体像

全35曲、収録時間は86分となっております。

決してボリュームが少ないわけではないはずなのですが、エスコンシリーズのサントラはシリーズを重ねるごとにボリュームが増していっており、新しいナンバリングのサントラの感覚のまま聴いてしまう成果、あっという間に終わる印象でした。

しかし、繰り返し聴きやすいので一部楽曲が耳から離れなくなったりもし、楽しむことができました。

これまで当ブログでレビューしてきたサントラは「エスコン3D」を除き、現在シリーズのメインコンポーザーのような立場になっている小林啓樹さんが関わっている作品だったのですが、小林さんは「エスコン04」からコンポーザーを担われています。

すなわち、本作では小林さんは関わっておらず、当時のナムコ在籍メンバーである諫山亘秀さん、大上昌子さん、大久保博さん、高橋弘太さん、中西哲一さんが作曲されております。

ただし、前作である初代エスコンのメインコンポーザーであった大上さんは、今作において新規楽曲は作曲されておらず、前作のアレンジ楽曲が使用されている形になります。

新しいナンバリングの楽曲とはサウンドのテイストが異なるのでやや意外にも感じられますが、04では小林さんと共にメインコンポーザーのような立場であった中西哲一さんや、最新作のエスコン7などその後のほとんどのナンバリング作品で作曲されている大久保博さんの名前あります。

「エスコン2」のサウンドは前作の楽曲の系統を受け継いでいると同時に、ギタリストでもある高橋弘太さんの影響もあるのか、ロックテイストのサウンドが中心となっております。

「エスコン04」において小林さんの加入や映像技術の進化によりオーケストラサウンドへと大きく方針転換されていますが、こうしたロックサウンドにもシューティングゲームらしさを格好良く感じられるという部分で光るものを感じさせられます

こうしたサウンドの幅という点においては、個人的に「エスコンは様々なサウンドを楽しませてくれるゲームシリーズなのだな」と好意的に受け止めております。

トップレート曲

※背景色付きは☆5、その他は☆4

Lightning Speed    作曲:諫山亘秀

Lode Stone       作曲:高橋弘太

Aim High       作曲:諫山亘秀

Fire Away       作曲:高橋弘太

Bear Tracks       作曲:諫山亘秀

Rising High      作曲:高橋弘太

Blow Away                  作曲:中西哲一

Warning Line              作曲:高橋弘太

Elemental Particle       作曲:大久保博

Night And Day            作曲:諫山亘秀・大上昌子

Sunset Glow                作曲:高橋弘太

Ending Atract (Normal) 作曲:諫山亘秀

Ending Atract (Extra)  作曲:諫山亘秀

Normal Ending           作曲:高橋弘太

Extra Ending               作曲:諫山亘秀

Lightning Speed


タイトルムービーの短い楽曲になりますが、印象深い楽曲です。

何と言っても本作の音楽の顔とも言えるギターサウンドがゲームをパッと印象付ける強烈さがあります。

シンセサイザーによる主旋律もエネルギッシュに格好良く決まっています。

先日のコンサートにおいて演奏されたのはサプライズ(オケで2の楽曲が演奏されるとは予測できない)でしたが、どんな演奏だったのか聴き直す機会を楽しみにしている楽曲でもあります。

Aim High


ミッション楽曲です。

サウンドのタイプが全く異なるにもかかわらず、エスコン7のサントラで聴いても違和感なく聴けた不思議な楽曲です。

その答えはおそらく前奏部分の存在感だと思います。

印象深い前奏部分から一気に展開したり、音に厚みを持たせていったりするエスコンの楽曲らしさを感じられる楽曲です。

Night And Day


初代エスコンのアレンジ楽曲です。

サントラ未発売で私自身楽曲を全然知らないので、前作の楽曲に触れる良い機会になりました。

風を感じさせる爽やかな旋律は飛行体験をするのに持って来いなのですが、楽曲の展開の仕方がゲーム同様スリリングで素晴らしくマッチングする楽曲だなと感じました。

Sunset Glow


ミッション楽曲です。

こちらの楽曲は妙に耳に残り、ふとした拍子に思い出して暫く耳から離れなくなることがありました。

半音下がるようで心地の良いところに上がり切らない旋律は、緊迫感のある対地攻撃にマッチングするなと思い、ミッション内容を確認したら「なるほど」と思いました。

Ending Atract (Extra)


最終ミッションクリア直後のエスコンのおける最も重要なシーンの1つで使用されております。

難易度により複数のヴァージョンがあるようで、こちらはギター旋律も鳴るようになっています。

最も印象的なのはドラムのスティック同士を叩くカウント音で、エンディングであえてこうした導入方法を取るというのが素晴らしいなと思いました。

クリアした直後の気分の良い瞬間に聴くと、心地良くスティックの音が響くのではないかと思いました。

ベストトラック

Warning Line


ミッション楽曲です。

こちらもコンサートにて演奏されたのでエスコン2を代表する楽曲であると勝手に捉えています。

ギターソロパートもそうですし、畳みかけてくるシンセサイザー音もそうですが、とにかく格好良い楽曲です。

シンプルに敵機との戦闘を感じさせる熱さというものも感じます。

旋律自体は伸びやかな音符を多く使用された飛行感を意識して作成された楽曲だと思うのですが、フライト場面に限らず多くの場面で使えそうな名曲に感じました。

まとめ

ロックサウンドというところで、04以降の楽曲ばかり聴いていた私としてはエスコンシリーズのサウンドとしてしっくり来ないかもしれないという不安もあったのですが、その不安は杞憂に終わりました。

サウンドやコンポーザーが異なっていても、エスコン楽曲らしい印象的な前奏部分の存在や、伸びやかな主旋律のため、エスコンシリーズの楽曲としてスッと入ってくる感覚があったのだと思います。

エスコンシリーズはまた新たなプロジェクトが動き始めていることが発表されておりますが、音楽のみならずゲーム性においても、こうした過去に築いた土台の部分も大切にした上で、しっかりと進化を見せてくれることを期待しております。

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