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レビュー「オオフジツボ探検記4 時の大地 featuring 野口明生」

投稿日:2020年7月16日 更新日:

クロノクロスライブで感じられた空気感が感じ取れる素晴らしいライブアルバム!

ギター:太田光宏 アコーディオン:藤野由佳 バイオリン:壷井彰久 ホイッスル、イーリアンパイプス:野口明生

『クロノクロス』20周年ライブツアーに出演されたアーティストのことをまだまだ知りたい!

というわけで久々ではあるのですが、出演アーティストシリーズ第6弾となります。

今回は、出演者の中では藤野由佳さん(アコーディオン)と壷井彰久さん(バイオリン)が参加されている「オオフジツボ」の作品です。

オオフジツボの作品は「空の鼓動」という1作目のアルバムを既に記事にしておりますが、その作品が私の好みに非常に合い、他作品も聴いてみたいと考えておりました。

そこで、公式ページのディスコグラフィーを眺めていますと、なんと同じく出演アーティストの野口明生さん(ホイッスル、イーリアンパイプス)のお名前があるではないですか!

「これは素晴らしい作品に違いない」と、興奮しながら購入を即決しました。

そして案の定、素晴らしい作品でしたので、ご紹介させて頂ければと思います。

CDの全体像

「オオフジツボ探検記」というシリーズ作品の4作目になります。

このシリーズは、ライブ録音されたものを商品化されたもので、お客さんの声や拍手も入っています。

公式サイトから抜粋させて頂きますと、以下のような内容になっております。

2019/1/5に西荻窪 音や金時にて開催された、ゲストに野口明生(ホイッスル、イーリアンパイプetc.)を迎えたライブを収録。野口明生が加わった楽曲全てを収録し、ボーナストラックに未発表曲「雪の日」を収録!

もっと早く「オオフジツボ」を存じていれば、こちらのライブに参加できたのに、なんて悔やんだりもしてしまいますが、CDという形で聴けるのは非常にありがたく感じます。

楽曲につきましては、全9曲と多くはないのですが、これまで発表されている全てのアルバム作品の中から数曲ずつ選曲されておりますので、私のように1枚しか聴いたことの無い人でも「あ、この曲!」となります。

選曲されているのは、メンバー作曲によるオリジナル曲がほとんどですが、Traditional(伝統的)な楽曲も1曲収録されており、加えてボーナストラックとして未収録曲も1曲収録されております。

それぞれの楽曲を野口明生さんを迎えるにあたって、ライブ用にアレンジされており、原曲との聴き比べも楽しむことができます。

作品タイトルに「featuring 野口明生」とあるくらいなので、野口さんの演奏にどうしても注目が集まります。

実際、ホイッスルにしてもイーリアンパイプスにしても、高い質の演奏技術に魅了されますし、元の楽曲の雰囲気を壊すどころか、非常に高くマッチングしております。

しかし、太田さん、壷井さん、藤野さんの演奏もやはり素晴らしく、どの楽器にも存在感があります。

そういった意味で非常にバランスの良さを感じます。

加えて、音楽的なダイナミクスや、安定感のあるライブパフォーマンスという部分でも素晴らしく感じられました。

収録曲

1.country life(作曲:藤野由佳)

2.Reel Set#3 (Traditional)

3.Culloden’s Harvest(Alastair McDonald /編曲:壷井彰久)

4.モノクローム(作曲:太田光宏)

5.宵蛍(作曲:藤野由佳)

6.空駆けるもの(作曲:藤野由佳)

7.Shrine, Lighthouse, and the grass(作曲:壷井彰久)

8.Galeforce Gigue(作曲:壷井彰久)

9.雪の日(未発表曲)

1.country life


こちらの楽曲は「空の鼓動」にも収録されており、私のお気に入りの楽曲でしたので、そのライブ音源ということで、もうこの時点で「買ってよかった」という想いでいっぱいになりました。

印象的な出だしの主旋律が「空の鼓動」ではアコーディオンでしたが、こちらのライブでは野口さんのホイッスルに変わり、2コーラス目はアコーディオンとのユニゾンになっています。

いきなりなので、ホイッスルの印象がやはり強烈なのですが、ユニゾン部分も非常に良い音色の組み合わせに感じます。

後半のホイッスルでのソロも圧巻です。

2.Reel Set#3


伝統音楽の楽曲です。

壷井さんのパワフルなバイオリンに魅了されます。

野口さんはあまり目立ちませんが、イーリアンパイプスで参加されているようです。

数小節の短いソロパートがあるのですが、この激しく細やかな旋律をイーリアンパイプスでというのが、楽器の特性が十分に理解できていない私には、意外性がありました。

伸びやかなゆったりとした旋律を奏でるのに適している印象だったのですが、こういうのも良いなと思いました。

3.Culloden’s Harvest


一転ゆったりとした曲調ですが、作曲は壷井さん(偏見)。

原曲はまだ聴いていないのですが、ホイッスルが入ると「クロノクロス」の楽曲のような雰囲気が強まっているのではないかと想像しました。

4.モノクローム


この楽曲は独特な伸びやかさのある、癖になるタイプの楽曲で、アコーディオンが非常に心地良く感じます。

そして、イーリアンパイプスとの相性がまた良いですね。

テクニカルなソロも素晴らしく、イーリアンパイプス好きにはたまらない楽曲だと思います。

5.宵蛍


こちらの楽曲は壷井さんの繊細なバイオリンが印象的でした。

ホイッスルに負けない繊細さを感じます。

静かなビブラートは、聴いていてこちらまで震え上がってくるものがあるなと思いました。

壷井さんは激しい演奏に目が行きやすいですが、こうした繊細さも兼ね備えており、だからこそ激しいソロ演奏においても、より人々を魅了できるのだろうなと感じさせました。

6.空駆けるもの


アコーディオンによるイントロからして既に印象的です。

主旋律はホイッスルが駆け巡るのですが、それを後ろでバイオリンのきめ細やかな演奏で伴奏として支えているのに気付いたときは感動すら覚えました。

太田さんのギターによるダイナミクスも非常に素晴らしいです。

ギターは基本的には縁の下なわけですが、本当によく各演奏者の良さを引き出していらっしゃると思います。

7.Shrine, Lighthouse, and the grass


スローバラードかなと思わせておいて、テンポアップします。

静かに入って徐々に盛り上げるのは、ダイナミクスにおける王道的なものなのかもしれませんが、「オオフジツボ」の楽曲は、その聴かせ方がまた素晴らしいと思います。

こちらの楽曲は主旋律の和音がまた実に美しいです。

特にホイッスルの主旋律にバイオリンで被せてくる和音に鳥肌が立ちました。

8.Galeforce Gigue


序盤からライブらしいソロ回しが聴け、ギターソロも聴ける楽曲です。

後半のユニゾンによる力強い主旋律も印象的でした。

野口さんは、イーリアンパイプスで参加されていますが、この楽曲ではどちらかというと裏方で、「オオフジツボ」の3名のメンバーを引き立てていらっしゃる印象がしました。

9.雪の日


ボーナストラックになります。

ホイッスルもイーリアンパイプスも聴こえてこないので、野口さんは参加されていないようです。

この楽曲はメンバーの誰が作曲したのかも情報がなく分からないのですが、曲名の通り「雪の日」の光景が目に浮かぶような静けさを感じさせます。

そういう意味ではゲームによくある雪の描写でも使用できる、ゲーム音楽的な楽曲にも感じました。

※ 追記

「雪の日」の作曲者は藤野由佳さんでした。

情報提供して頂きありがとうございました。

まとめ

曲数は多くは無いのですが、各楽曲の収録時間は長めで、揺さぶられるようなダイナミクスがありますので聴きごたえがあります。

野口さんが前面に出ながらも、最後は「オオフジツボ」の3人を立てるような役回りをされているのも、何とも言えない心地良さがあります。

それぞれのメンバーが前に出たり、引いたりしながら質の高い楽曲を構成されている点は、互いの演奏へのリスペクトが感じられるのですが、その辺りはクロノクロスライブでの体験にも通づるものがあるなと感じました。

ホイッスルやイーリアンパイプスの音色が好きな方は絶対に聴くべき作品だと思います。

クロノクロスライブでは聴けなかったような様々な奏法も聴けますので、存分に堪能できます。

そして、クロノクロスライブで感じられたメンバー間のやり取りにおける心地良さをもっと感じたいという方にも是非とも聴いて頂きたいです。

クロノクロスライブ関連の配信もひと段落してしまい、ロスに陥っているような方にも良いのではないでしょうか。

CDの購入は、壷井さんのオンラインショップから可能となっておりましたが、現在は売り切れ中のようです。

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