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レポート「4thアルバム『希求の丘』発売記念ライブ 3days」 / オオフジツボ

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ライブに行くことでオオフジツボの楽曲に人間味が加わり、より味わい深くなった!

オオフジツボ:太田光宏(ギター)、藤野由佳(アコーディオン)、壷井彰久(バイオリン)

2020年10月17日開催 音や金時

つい先日、オオフジツボのライブに初参戦してきましたので、今回はそのレポート記事を書かせて頂こうと思います。

開催概要

今回のライブは新作アルバム『希求の丘』の発売に合わせた、いわゆるレコ発ライブの東京公演として3日間開催されました。

私はその初日にあたる2020年10月17日にお邪魔させて頂きました。

それよりも前に北海道ツアーを済ませていらっしゃったのですが、CDは北海道のライブ会場でしかまだ手に入らない状況でしたので、東京では『希求の丘』の楽曲が初解禁ということになります。

会場は3日間全てオオフジツボが”ホーム”としている「音や金時」というライブハウスでの開催でした。

『希求の丘』に収録されている太田さん作曲の「Home」という楽曲は、こちらのライブハウスへの感謝の気持ちで制作された楽曲…

というわけではないのかもしれませんが、そんな想像を働かせてしまいました。

ライブの全体像

『希求の丘』に収録された楽曲は全曲が演奏され、プラスαもあったため非常に充実した内容でした。

演奏されたのは計14曲で、途中小休憩もあったのですが、ライブの時間は約3時間にも及ぶ長丁場でした。

感染症対策の1つとして、普段は1公演あたり90名程度の観客を入れていたそうなのですが、今回は30名に絞り、それを3公演で90名というように計算されておりました。

現状ではライブそのものの開催が大きく減っており、ライブ会場の公演がなかなか埋まらないという事情もあったため、1石2鳥というお考えもあったそうです。

加えて、YouTubeでのライブ配信も同時開催され、来場するのが心配で自粛した方や、少人数ゆえにチケットを入手できなかった方への配慮もされておりました。

また、遠方で来場できない方も同じ時間を共有できることになったため、オオフジツボファンが一体となって楽しめるライブイベントとなりました。

現在の社会状況を考慮した上で、新しいことに積極的にチャレンジされているというのも今回のライブの特徴になります。

物販販売

会場内では『希求の丘』を始めとしたオオフジツボのCDが多く販売されていましたが、今回は社会状況を踏まえて「買って頂いたCDにサインをする」ではなく、「事前にCDにサインをしておいて、それを販売する」というスタンスでした。

私は『希求の丘』を購入したのですが、購入後にサインの存在を知り、思わずニヤついてしまいました。

そして、なんとグッズとしてクリアファイルも4種類販売されていました。

デザインとしては、かつてリリースされたCDジャケットのものや、3人を描いた可愛らしいイラストが入っているものがありました。

クリアファイルに関して壷井さんが仰るには「1枚500円!4枚でなんと… 2000円!!」とのことでした。

「CDも合わせると4500円!なんと…5000円でお釣りがきます!!」…とのことでした。

「5000円札よりも500円玉の方が重い!!」……とのことでした。

このような壷井さんの軽快なトークも楽しめるのも、オオフジツノのライブの特徴と言えそうです。

オオフジツボのメンバーの印象

太田光宏(ギター)


観客との距離感が最も近かったのが太田さんでした。

開演前や休憩中もほとんどの時間を袖に引くことなく、ファンの方と非常に多くのコミュニケーションをとられておりました。

臆病者の私はペコペコとご挨拶するくらいしかできませんでしたが…

ギターの演奏は想像以上に5弦と6弦のベース音が大きく響いており、一人でリズムセクションを担っているかのようでした。

技術的な部分でもそうですし、音作りの部分でも大いに工夫されているのだなというのが生音を聴くことでより分かり、「やはりプロは全然違うな」と感じさせられました。

笑顔が素敵で、受け応えが穏やかな雰囲気は、いかにも暖かい楽曲を多く残されている方だなと思いました。

一方で演奏のパフォーマンスは、繊細さだけでなく、切れ味鋭い音も出される等力強さも見える場面があり、ギャップがあって素敵だなと思いました。

また、汗を多くかいていらっしゃる姿も非常に格好良く映りました。

アコースティックギター経験のある私としては、「自分がなりたかったのは、正しくこういうギターリストだった」と感じ、理想像を目の前にしているような興奮がありました。

藤野由佳(アコーディオン)


藤野さんは「クロノクロスライブ」のメイキング動画ではあまり目立たない存在で、どんな方なのなのか全く分からない状況だったのですが、ライブではメインMCも担い、お話も上手な方でした。

ライブ中に目を最も奪われたのは、やはり紅一点の藤田さんでした。

なぜなら、「とにかく美しいから」の一言に尽きます。

音楽的な表現をアコーディオンの音色だけなく、表情であったり、全身で表現される姿が非常に美しかったです。

演奏家としての音楽への情熱を肌で感じられました。

曲の中だけでなく、トークでもメンバーとの掛け合いは絶妙で、壷井さんの無尽蔵なボケに的確なツッコミを入れていたりもしました。

 

壷井彰久(バイオリン)


「クロノクロスライブ」のメイキング動画で上記のような壷井さんのお茶目な?一面は見えていたので驚きは無かったのですが、それにしても饒舌で次から次へと面白いお話をされますので、何度も笑ってしまいました。

今回のライブで見えてきたのは、もうとにかくお忙しい方なのだなということです。

ライブ運営だったり、配信のセッティングだったり、何から何まで一人でやっていらっしゃるのでは?と思う程でした。

ライブ中も演奏しながら足でカメラを切り替えたり、配信のコメントを確認したり、さらには楽譜を捲ったりと、どこまでも忙しそうでした。

運営面で多く配慮されているのを感じたので、おそらくライブでの軽快なトークもファンに楽しんで頂きたからこそなんだろうなとも感じました。

バイオリンという楽器なので、どうしても楽曲中では主役になることが多く、特にソロでは独自の奏法で派手に演奏されたりもするので最も目立つ存在ではあるのです。

しかし、一方でそのような人が裏方的な仕事を多く、しかも適格にやっているというのが凄いなと思いました。

セットリスト

第1部

1.on the ocean 作曲 / 藤野由佳

2.Home 作曲 / 太田光宏

3.はるならい 作曲 / 藤野由佳

4.オリオンとシリウス 作曲 / 壷井彰久

5.雪の日 作曲 / 藤野由佳

6.時の仕業 作曲 / 壷井彰久(3rd.『耀の遠心』より)

7.送春 作曲 / 藤野由佳

第2部

8.暁の地平 作曲 / 壷井彰久(2nd. 『夢のあと』より)

9.Standing Bar 作曲 / 太田光宏

10.  遠すぎた星の夕暮れ 作曲 / 壷井彰久

11.  POTTER set 作曲 / 藤野由佳 etc

12.  祈り 作曲 / 太田光宏

13.  Bohemian Vampire Bat 作曲 / 壷井彰久

Encore

14.  Galeforce Gigue 作曲 / 壷井彰久(3rd.『耀の遠心』より)

全ての楽曲が素晴らしかったのですが、今回のライブで特に印象に残った楽曲が「時の仕業」です。

「北海道ツアーで盛り上がった気がして今回もセットリストに入れました」と仰っていたのですが、確かに会場では大きな声を上げられないのにもかかわらず、明らかに盛り上がりを見せていました。

MCで触れていた通り、「明るい曲調」というのもあるのですが、ソロ回し的な要素があり、存分に超絶的な技巧を味わえた感覚がありました。

そして、やはり終盤にテンポアップするのも盛り上がる要因だと思います。

しかし、実は私が最も印象に残ったのはソリストの方を見ながら安定した伴奏を奏でる太田さんの姿で、自分も過去にソリストを支える役割を経験したことがあるせいか、非常に格好良く映りました。

恥ずかしながら、こちらの楽曲が収録された3rdアルバム「耀の遠心」は、まだ聴いていないので早急に聴きたいと思います。

まとめ

今回ライブに参戦したことによって、CDだけでは分からなかったメンバーの個性だったり、役割だったりというのが見えてきたのが1つの収穫でした。

これはゲーム音楽に触れてきたことで感じたことなのですが、音楽というのはそこに人間味が加わるとより味わい深いものになると個人的に思っております。

優しい楽曲にしても、情景的な楽曲にしても、格好良い楽曲にしても、人間味が加わることでもたらされる心地良さと言いますか、自分の傍らに寄り添ってくれるようなが感覚が生じるのです。

なので、これからもオオフジツボの楽曲を大切に聴いて行けるだろうなと思いました。

また、1つ誤解していたのは、オオフジツボはアイリッシュやスコティッシュ音楽を奏でるバンドだと思っていたのですが、ワールドミュージックというカテゴリーにおいてもう少し広い範囲で演奏されているということがライブのMCを聴いていて分かりました。

また、ワールドミュージックと言うカテゴリーも外れたオリジナリティー溢れる音楽も多く制作させていますので、アイリッシュやスコティッシュというイメージとは少し離れて聴いていこうと思いました。

最後に、これは以前にも書いたことなのですが、やはりゲーム音楽を好きな方にとってオオフジツボの楽曲はかなり好きになり易い要素に溢れていると思います。

ゲーム音楽からの延長線上に聴くというのは失礼があるかも分かりませんが、それでも是非とも多くの方に聴いてみて欲しいと思っております。

 

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