このライブでの最大の収穫は、新しい音楽への興味の広がりであった!
2020/1/25 中野サンプラザ
出演者:光田康典、サラ・オレイン、梅田千晶、小栢伸五、神永大輔、坂本遥、佐々木直也、壷井彰久、寺田典子、野口明生、藤野由佳、山本真央樹
こちらの記事の続きになります。
クロノクロスライブで非常な重要な要素であった出演者について触れ終わりましたので、ここからは楽曲に触れて行こうと思います。
曲数が多いので、一言ずつですがコメントしていきます。
セットリスト
1.CHRONO CROSS ~時の傷痕~
2.時のみる夢
3.神の庭
4.死線
5.アルニ村
6.夢の岸辺に アナザー・ワールド
7.溺れ谷
8.テルミナ・アナザー
9.影切りの森
10. 蛇骨館/疾風/勝利~夏の呼び声~ メドレー
11. ガルドーブ
12. 航海 アナザー・ワールド
13. 古龍の砦
14. Dimesion Breach ~The Bend of Time~ 次元の狭間
15. 死海・滅びの塔
16. 運命に囚われし者たち
17. エチュード1/エチュード2/MAGICAL DREAMERS ~風と星と波と~
18. 世界のへそ
19. FATES ~運命の神~
20. 炎の孤児院/星を盗んだ少女 メドレー
21. 凍てついた炎
22. 龍神
23. 時の闇にて/あらかじめ失われ詞、ともしび/生命 ~遠い約束~
24. RADICAL DREAMERS ~盗めない宝石~
Encore
25. 天晴驚愕大奇術団/ゼルベス
26. 航海 ホーム・ワールド
27. マブーレ
各曲目の感想
CHRONO CROSS ~時の傷痕~
パンフレットによると、最も人気の高い曲で光田さん的にはアンコールにする考えも過ぎったようですが、これを聴いてこそのクロノクロス!という感じなのでやはり最初に聴きたいですね。
オープニング映像に合わせてくれるのも分かってらっしゃる!と思いました。
ゲームと同様に「これから何が始まるんだろう」「どんな凄いものを見せてくれるのだろう」とワクワクさせられました。
時のみる夢
オープニングから短い間で、畳み掛けるように続きます。
印象的だったのはイントロのアイリッシュハープ、そしてドラムとパーカッションの息の合った感じですね。
パーカッションとドラムのシンバルの音がピタリと決まっていて非常に心地よいです。
神の庭
サラさんの高音域ヴォーカルに震えます。
ハープとの相性も良いですね。
神永さん壷井さんが出てきて、最後は野口さんのホイッスル。
原曲は通常ループしていくわけですが、このホイッスルでナチュラルに曲が終わる感じが良いですね。
終曲直後の極上の静寂感もたまりません。
死線
光田さんが”グルーブ感のあるバンドアレンジ”とパンフレットと表現されていましたが、まさにそんな感じですね。
うねるような感じでスイングジャズじゃありませんが、腕を楕円に回してリズムを取りたくなります。
ここで、小栢さんと壷井さんが得意の奏法で本性を出してくるのも印象的です。
アルニ村
ホームの方は、佐々木さんのアコギが素敵です。
終盤サラさんのヴァイオリンとのユニゾンもが新鮮で良いですね。
アコギとバイオリンのユニゾンって聴く機会がありそうで無い感じがします。
アナザーは光田さんの正確なキーボードタッチにうっとりさせられます。
夢の岸辺に アナザー・ワールド
壷井さんのソロからサラさんがオクターブ上げて被せてく箇所が好きです。
そこからのヴォーカル。
バイオリン持ちながら歌うという珍しい光景を目の当たりにします。
溺れ谷
寺田さん、山本さんのマリンバ、そこからの野口さん神永さんのコンビネーション。
バンドの息の合った側面が目に見えるのが凄く良いです。
サラさんのヴォーカルと光田さんのコーラスのコンビも素敵ですね!
テルミナ・アナザー
この裏打ちのリズムは演奏する方はなかなか大変そうですが、聴いている方は縦に乗り易いので楽しいですよね。
気になるのはサラさんの表情ですね。
楽しそうなのですが、ん?ここで合ってるかな?ちょっとズレたかな?みたいな表情をされます。
普段のクラシカルなサラさんからは、あまり見られない表情なのではないでしょうか。
影切りの森
私には間全くリズムが取れません。
4分の5拍子というものの理屈は分かるのですが、手を叩きながらリズムを取ろうとしてみたのですが、これはちょっと…
この難解なリズムをもろともせず掻き鳴らす坂本さんが凄く格好良いです。
蛇骨館/疾風/勝利~夏の呼び声~ メドレー
このメドレーに蛇骨館が入っているのが不思議な感じがしますが、ダンジョンから戦闘に繋がる感じの演出なのでしょう。
この切り替えの部分で急にバイオリンが唸りを挙げるのが格好良いですね。
タオルを回す演出も楽しいのですが「最終公演なんだからタオルの向きから間違えないで下さいよ!」と言いたくなるのがまた楽しいですね。
ガルドーブ
これギターで弾けたら素敵だろうな、と聴く度に思うのですが、それを佐々木さんが実演してくれます。
というわけで、私は佐々木さんに釘付けでした。
神永さんがあの箇所で後ろに跳ねたくなる気持ちはビックリするくらい良く分かります。
航海 アナザー・ワールド
これも難解な曲ではあるようなのですが、それを感じさせませんね。
主旋律の後ろで鳴る野口さんのホイッスルがヤバいです。
ずっと吹いていて欲しいなと思います。
藤野さんのアコーディングソロも良いですね!そこで心地よさそうにリズムをとっている坂本さんの姿も素敵です。
古龍の砦
ジャズっぽい雰囲気なので、小栢さんと山本さんに目が行きますね。
安定感もそうですが、このグルーブ感のようなものを巧く引き出していらっしゃいます。
そして、壷井さんが遂に爆発するという。
完璧です。
Dimesion Breach ~The Bend of Time~ 次元の狭間
これ、パンフレットに歌詞が載ってたんですよ。
しかも、日本語訳も。
となると考察すしかない!と思ったら、その下にサラさんによる解説がバッチリ載っていました。
パンフレットの想定以上の充実度に嬉しいんだか、ちょっぴり残念なんだか複雑な気持ちになりました。
サラさんの歌声とアコギのアルペジオが癒しを誘うような構成なのですが、迷い込んでいる感もしっかり出ていますね。
死海・滅びの塔
アコーディオンの音とヴァイオリンのビブラートの調和感って凄いんですね。
これは新しい発見でした。
アコーディオンソロの後ろで弾くバイオリンのバッキングも良いですね。
運命に囚われし者たち
この曲も映像を使用する辺り、ファン心理は光田さんに筒抜けのようですね。
バイオリンコンビが目立ちますが、光田さんのソロが最後に来るのがまた良いですね。
エチュード1/エチュード2/MAGICAL DREAMERS ~風と星と波と~
ギターのお二人もバランスよく活躍されていますが、ここでは坂本さんが主役です。
エチュードでは”故意に下手に弾く”という状況ですが、それでも味が出てしまっている辺りに上手さが隠せませんね。
ドラムが最初休んでパーカッションから入るのも良いですね。
佐々木さんのアコギの伴奏も、不思議と民族楽器のような雰囲気に感じます。
参加する楽器が徐々に増えてくのが、ステージの観客が徐々に増えてきて盛り上がっていくような演出にも感じられます。
世界のへそ
原曲も好きな曲なんですけど、アレンジで更に一皮むけているような印象です。
ドラムとパーカッションのバトルに目が行きがちですが(もちろん、そこが聴きどころなのですが)、この一風変わった編成のバンドの個々の音が最も美しく重なっている曲だと感じます。
全員の音が光放ち、かつ絶妙な調和を見せています。
なので、今回のライブで私はこの曲に一番度肝を抜かれました。
FATES ~運命の神~
難しいリズムをどのように合わせるのか、メンバーそれぞれの方法が垣間見えます。
サラさんの丁寧なリズムの取り方が印象に残りました。
山本さんは身体に染みついているかのように平然と叩いてて凄いですね。
炎の孤児院/星を盗んだ少女 メドレー
このメドレーの注目はやはりサラさんですね。
「炎の孤児院」の低音域の力強いヴォーカルと「星を盗んだ少女」の澄んだ高音域のヴォーカルが、もはや同一人物が歌っているとは思えないですね。
凍てついた炎
この曲では野口さんに目が行きました。
前半の主旋律もそうですが、主旋律を尺八やバイオリンに譲ってから後ろで凄く複雑なリズムで波打つ様に吹かれているところが痺れますね。
非常に滑らかで、鳥肌が立ちます。
龍神
サントラの声質そのまんま聴いているようなサラさんのヴォーカルに驚かされます。
そして、ラスボス戦にアコーディオンソロを持ってくるのもちょっと意表突かれる感じで良いですね。
時の闇にて/あらかじめ失われ詞、ともしび/生命 ~遠い約束~
いざ折ってみたらペンライトの色が全く違うものになって焦りました。
私の先天カラーは”青”だったのですが、両隣とも”青”でした。
ということで、大変バランスの悪いパーティで「これ勝てないでしょ?」って感じでした。
ペンライトを使用した演出、というよりも観客が参加して共に楽しめるように、といったサービス的な意味合いの方を強く感じました。
失敗したときのギターコンビの息の合いっぷりが地味に凄いですね。
発動後のホイッスルとバイオリンとハート吹雪もロマンチックで最高のアレンジ、演出でした。
RADICAL DREAMERS ~盗めない宝石~
これのために出演者のキャラクター設定をしたんですかね。
いやぁ、サラさんが歌い終わって後ろを向いて立っている光景がかなり目に残っています。
オルゴール音のバックで叩く、観客の柔らかめの拍手も良いですね。
これも1つの演出みたいになっています。
天晴驚愕大奇術団/ゼルベス
悔しいですが、耳に残って仕方がないですね。
「ミツ!」「だー!!」のコール&レスポンス含め。
風船は2回ほど頭にぶつかりました。
ちょっとステージに集中するとやられる、そんな様相を呈しました。
航海 ホーム・ワールド
全曲同様に明るく和やかな雰囲気が続きます。
出演者のモチーフキャラクターを発表しながらコミカルなソロ回しを展開します。
観客と出演者の距離感がグッと近付きますね。
しかし、こういう演出にも使える曲なんですね。
違和感ないです。
クロノマンティーク
最終公演で追加された「クロノマンティーク」はここで挿入されました。
4拍子の2拍目と4拍目で鳴らしているギターのお二人と壷井さんが作っているリズムが心地良いです。
壷井さんのソロ部分のドラムも細やかさがセクシーな感じがして素敵です。
マブーレ
せっかくお近付きになった気がしたのに、バイバイしたくないな…
と、感じさせられました。
最後に長めのソロ回しでのそれぞれのパフォーマンスの素晴らしさを感じ取ったときに、このライブは曲やアレンジの良さが前提としてあるのだけれど、出演者にこそ最も焦点を当てるべきだなと私自身も思いました。
まとめ
繰り返しになりますが、やはり出演者ですね。
光田さんに集まっていた目が、いざライブに参戦すると出演者へも向けるようになったという方も多いのではないでしょうか?
少なくても私は出演者への興味が高まり、光田さんの言う「それぞれが素晴らしい活動をされている」という言葉にハッとさせられました。
そして、「聴いてみよう」という思いにも駆られるに至りました。
実は、このブログを始めようと思った背景にもこの光田さんの言葉にあります。
「ゲーム音楽から世界を広げて行こう」というコンセプトはここから着想しました。
そういった部分でも個人的には特別なライブになり、光田さんが私を導いてくれたような感覚があります。
難しくても、理解できなくても、色々な音楽にまずは触れてみようと思わせるような、素晴らしいライブでした。
今後の光田さんや出演者の皆様の活動が楽しみです。