ゼルダサウンドとしての変わらない魅力だけでなく、オーケストラサウンドによる変化も楽しめるサントラ!
コンポーザー:永松亮
ゲームのプレイ状況:未プレイ
今回もゼルダシリーズのサントラレビューを続けます。
こちらのサントラは非売品です。
たまたまニンテンドーポイントが溜まっていた際に、交換商品を見てみたところこちらのサントラがラインナップにあり、引き換えたものになります。
ゼルダ系のサントラが少なく、欲しいなと思っていたのもあったのですが、そのジャケットが大変美しく、惹かれるものがあったので思わず引き換えてしまったという側面もあったりします。
目次
サントラの全体像
全105曲、収録時間は156分とボリュームのある内容で、DISC2枚組になっております。
各曲の収録時間は、やはり短いです。
ワンループのみというのもあるのですが、今作もファンファーレ系の楽曲が収録されていますので、短い楽曲が多くなっております。
続編作品ということで、「神々のトライフォース」のアレンジ楽曲も含まれているのですが、私は前作のプレイ経験も音楽を聴いたこともないので、詳細は分かりません。
ただし、複数のタイトルに出てくる「カカリコ村」は前作「神々のトライフォース」が初登場になっているようで、今作でもアレンジ楽曲として収録されているのが分かります。
特徴的なのは、音色がフルオーケストラ様になっており、豪華さや奥深さを感じられるような内容になっております。
また、音質の向上により、クリアでより雑味の少ない音色になっています。
「時のオカリナ」のような音源も良いのですが、オーケストラにも映えるというところで、ゼルダサウンドのポテンシャルの高さのようなものも感じられました。
また、ゲーム中の吟遊詩人の奏でている楽曲も収録されており、主要曲のアレンジ曲として楽しむことができるのも特徴的だと思いました。
トップレート曲
※ 背景色付は☆5 その他は☆4
[DISC1]
セレクト画面
のどかなハイラル
ラヴィオのお店
カカリコ村
ゼルダ姫との出会い
ハイラルメインテーマ
迷いの森
ハイラルメインテーマ2
ユガ戦~ハイラル城
すれ違いバトル
[DISC2]
ロウラルメインテーマ
オクタ球場
ロウラルメインテーマ – 物語後半
ガノン戦
ガノン最終戦
ラヴィオの登場、ヒルダの哀しみ
ヒルダの改心~ハイラルへ帰る2人
スタッフクレジット
セレクト画面
「大妖精の泉」をセレクト画面で使用するという、「なるほど、そういう手もありますね」と納得させられる使い方をしています。
一方で「今回は大妖精は登場しないのかな?」とも思ったりもします。
クリアな音色で聴くとより神秘的な響きになる印象がありました。
のどかなハイラル
こちらの楽曲はアコースティックなギター伴奏に、バイオリンの主旋律という、最近私が好きなパターンの楽曲です。
主旋律はちょっとシリーズのメインテーマっぽさもあるのですが、抑揚をあえて抑えて長閑な雰囲気にしている印象です。
ラヴィオのお店
このような楽曲ってどんな風に作曲されるのでしょうか。
掴みどころのない旋律、リズムで惑わされつつも心地良さがあります。
カカリコ村
全体的に見事な音色で構成されているのですが、特に中盤の金管楽器の音色が特に心地良いです。
他作品と聴き比べてみると、こうしたクリアな音質で聴くのも良い楽曲だなと思わせます。
ハイラルメインテーマ
シリーズのメインテーマ曲のアレンジになります。
こちらの作品には「ハイラルメインテーマ」として2種類のアレンジがあるのですが、私はこちらのアレンジの勇ましさが好きです。
オーケストラでも聴いてみたいなと思わせるトラックです。
迷いの森
シリーズで同名の楽曲は多いですが、「時のオカリナ」でベストトラックにもあげた楽曲とは全く異なります。
オーケストラとうことで、幻想的な曲になるのかなと思いきや、意外と旋律のはっきりとした楽曲になっています。
フルートの音が良い味を出しています。
ユガ戦~ハイラル城
ヴォーカル楽曲ですが、歌詞が聴き取れません。
「ユガ」とは言っているように聴こえますが、他は全く分かりません。
全体的に小気味の良いリズムで、迫力にはやや欠けますが、ボスキャラの個性が活き活きとしそうな楽曲に感じます。
私が特に気に入っているのは主旋律よりも、間奏部分だったりします。
すれ違いバトル
曲名から「すれ違い通信でバトルできるの?」と想像したのですが、どうやらその通りでした。
すれ違った相手のリンクがゲーム内に登場し、バトルを挑めるというシステムのようです。
すれ違い通信、懐かしいな、好きだったなと思い出が蘇ってきました。
話が逸れましたが、アレンジ曲になります。
原曲は「リンクの冒険」の「神殿BGM」という楽曲になります。
「汎用性の高そうな楽曲だな」と感じましたが、スマブラシリーズでも使用されているそうです。
メロディアスな楽曲で、全体の雰囲気からは少し浮いている印象ですが、すれ違い通信によるイレギュラーバトルの楽曲ですので、外部感のようなものが出ていて返って良いようにも感じました。
オクタ球場
誤って「オタク球場」と読んでいました。
すいませんでした。
と、素直に謝罪はこのくらいにしまして、いかにも「ミニゲームの楽曲」という雰囲気です。
というのも、やはり本編の楽曲とは楽曲の雰囲気が異なるからです。
こちらの楽曲の場合は明るさ、楽しさが感じ取られます。
ガノン戦
この楽曲は生オーケストラで聴けたら素晴らしいだろうなと思わせます。
一癖ある洒落た感じの金管による主旋律、それを支えるバイオリンによる激しい伴奏。
そして、なにより強い存在感のあるパーカッション、特に木琴の奏でる不穏な雰囲気がたまりません。
これぞボスバトル楽曲、という魅力があります。
ラヴィオの登場、ヒルダの哀しみ
物語佳境のムービーシーンの楽曲だと思っているのですが、こういうストーリー性を感じさせる美しい楽曲も良いですね。
ヒルダ姫関連の楽曲は、いずれもハープを使用しているのが印象的です。
スタッフクレジット
スタッフクレジットの楽曲にしては4分少々と意外に短めに感じます。
複数の楽曲から構成されているようなのですが、その楽曲の変化が心地良く感じられます。
特に、急にテンポアップする箇所が数小節だけあるのですが、その箇所が気に入っています。
ベストトラック
ロウラルメインテーマ
ゼルダシリーズでお馴染みの「ハイラル」の他に、こちらのゲームでは「ロウラル」という世界が存在しており2つの世界を冒険することになるようです。
こちらの楽曲は、その「ロウラル」のメインテーマで、前作の「裏の地上」という楽曲のアレンジ曲となります。
気に入っているのは伴奏部分で、アコースティックギター系のシャリシャリとした音とパーカションが作り出すリズム感が素晴らしく感じました。
ベストトラックにはちょっとマニアックな選出かもしれませんが、主旋律ばかりでなく伴奏サイドの魅力を感じられる点で強く印象に残ったのでこちらを選出しました。
まとめ
ゼルダシリーズの印象として、楽曲やファンファーレ、効果音等において「短いフレーズで強い印象をもたらす」という印象を持っています。
その系譜はこちらのサントラでも変わらない部分であるように感じます。
一方で「変化」の方に目を向けますと、やはり「音色の変化」の印象が強いです。
オーケストラサウンドにより音に厚みが出ると同時に、クリアな音色で聴くことができますので、従来のゼルダ作品とはまた異なった魅力を感じさせられました。
すなわち、「変わらないもの」と「変わったもの」のバランスの取れた良いサントラなのではないでしょうか。