ゲームからだけではなく、イベントからも感じられる人間味が心地良い!
2020年10月3日配信
今年も「ライブアライブ」のイベントが生放送配信という形式で開催されました。
一昨年、昨年とバンドライブを中心としたイベントが開催されており、「来年もやろう!」とディレクターの時田貴司さんが仰っていたのですが、今年は感染症流行のため、このような形になりました。
そこまでして約束を守るというのは驚きではありますが、それだけの熱量が「ライブ・ア・ライブ」にはあるのでしょう。
何年たっても変わらないファンの情熱と、それに応え続けるクリエイターたちという、非常に美しい構図が今年も見られました。
目次
配信内容
内容につきましては配信前に明示されていた情報が少なかったです。
明示されていたのは以下の内容でした。
1.出演者の情報
2.Twitterで募集した質問への回答があること
3.各々で好きな食べ物、飲み物をご用意下さいというアナウンス
4.サプライズがあるという予告
サプライズはもちろんなのですが、全容が掴めず「何が起こるんだろう」というワクワク感がありました。
1.出演者の情報
私はサプライズの内容が出演者だと想像していたのですが、出演者は全員、告知されていた通りでした。
出演者は以下の通りです(敬称略)。
時田貴司(ディレクター、シナリオ)
下村陽子(コンポーザー)
井上信行(バトルディレクター)
倉島一幸(キャラクタードット)
ノブオ(ライブ・ア・ライブ好き芸人)
なお、井上さんと倉島さんはリモート出演でした。
ノブオさんは昨年のライブでもトークコーナーにて出演されましたが、今回もファンを代表するような形での出演です。
ただし”ライブアライブ ソムリエ”なる肩書が勝手に付けられており、実際のところ素晴らしい質問をされたり、質問への回答をファン目線で補足されたり、モノマネを披露されたりと活躍は多岐にわたっておりました。
2.Twitterで募集した質問への回答があること
Twitterで質問を募集する時田さんのツイートに返信する形で、数日前から質問を受け付けておりました。
以前にも突発的に質問を受けてくださる機会があり、私自身も質問して時田さんに応えて頂いたことがありました。
今回も質問したのですが、私の質問は放送中には取り上げられなかったです。
ちなみに質問したのは「ゲーム中の印象深い言葉(あの世で俺に詫び続けろ)の生みの親はどなたですか?」というものだったのですが、冒頭でノブさんがした質問と内容がやや被っておりました。
3.各々で好きな食べ物、飲み物をご用意下さいというアナウンス
これはお互いに飲み食いしながら楽しみましょうという意図でした。
配信当日は時田さんが「ライブアライブ」に登場する飲食物(たい焼き等)を用意されている旨の写真付きツイートがアップされ、配信前から楽しませてくれました。
私もたい焼きを用意したかったのですが、当日は仕事があり配信時間に帰宅するのが精いっぱいで用意できませんでした。
余談ですが、写真をみてすぐに分かったのですが、時田さんが購入していたたい焼き屋は私も何度か買ったことのあるお店のものでした。
ちなみにですが、今この文章を書きながら猛烈にたい焼きが食べたくなってしまっております。
4.サプライズがあるという予告
さて、いよいよサプライズの内容なのですが、これが大変驚かされるものでした。
それも、ファンにとって非常に嬉しい内容でした。
なんと、昨年のライブ映像のほとんどを配信するという衝撃的なサプライズだったのです。
ライブ映像については、商品化を全く考えていなかったようで、時田さんと下村さんが仰っていましたが、画質も音質もはっきり言ってかなり低いものでした。
しかし、それを公開に踏み切るというのがむしろ、「どうしてもファンの方に喜んでもらいたい」という熱い想いが込められていると感じられます。
前代未聞のことではありますが、「ライブアライブ」という熱い作品だからこそ実現したことなのではないでしょうか。
ライブの配信では、それぞれの小編に登場する飲食物を出演者たちが口にするという不思議な企画がありました。
その光景もいかにも「ライブアライブ」らしい楽しさがありました。
中でも、現代編の箇所で筋トレもしていない出演者たちがプロテインを飲み始めたのには個人的に笑ってしまいました。
なお、昨年のライブレポートについては後日書かせて頂こうと考えておりますので、当記事では質問コーナーの中で印象に残った内容に触れていこうと思います。
質問内容とその返答
まずノブオさんの質問ですが、「制作順が中世編が最初ということでゲーム進行の順序と異なっているが、中世編を他編を全てクリアしてから出すという案はどの段階からあったのか?」という内容でした。
その答えは「初期段階からあった。RPGの王道である中世の世界観をわざわざやるか?というのがあり、それなら最後に出てきて、それまでのシナリオと繋がったら凄いのでは?というアイデアがあった」ということでした。
加えて、プログラム的には中世編がマップやイベント、バトル、といったスタンダードな構図だったため、先に作ることで各編のプログラムが揃うというメリットもあったそうです。
確かに、最後に王道が来ることのインパクトは私自身も感じていたものがありました。
「急に普通のRPGっぽくなった!」という感覚が確かにあったので、その辺は見事に術中に嵌ったと言えそうです。
ちなみに私は複数回プレイしていますが、毎回プレイする順番は同じです。
最初にプレイするのは必ず時系列的に最も古い原子編からなのですが、幼少期に全駅コンプリートした小田急線のスタンプラリーでも原子編からだったということもあり、その順番に何故か拘ってプレイしております。
ノブオさんの次の質問は、「熱い台詞の数々(特に近未来編)はどのようにして生み出されたのか」という質問でした。
これに対する回答は、「近未来編についいては、キャラクターデザインの島本和彦さんの魂がブーストして言葉が生まれていった。台詞回しはギリギリまでテストプレイしながら編集可能であったので、練り込むことができた」というものでした。
台詞の生みの親は時田さんだったり、シナリオにも関わった井上さんだったりしたようです。
キャラクターデザインからこうして台詞回しが変わって行くというのが、「なるほどな」と思いました。
キャラクターはデザインからもその内面性が描かれるのだなと、当たり前にことなのかもしれませんが、そこに気付かされた感覚です。
なので、新しいゲームの発表時なんかに、キャラクターデザインを見ながら「どんなキャラクターなんだろう」と想像してみて、発売後ゲームをプレイした際に、そのキャラクターがどのように躍動するのかという部分を楽しんでみたいなと思いました。
そして、ノブオさんの最後の質問ですが、「現代編の主人公、高原の終盤の台詞が”力”、そして”パワー”という、同じ意味の言葉を2回続けて用いてしまっている。これは高原のステータスの知力が”25”と非常に低い数値だからなのだろうか?」というお笑い要素のある質問内容でした。
もちろん”知力25”は関係なく、制作側も指摘されるまで気付いていなかったというのが正直なところのようです。
「おそらく、とりあえず台詞を当ててまた後で考えようと思っていたのがそのまま残ってしまったのだと思う」と仰っていたので、特に理由があったわけで無いようです。
変な話ミスを指摘するようなちょっとふざけた質問ではあったのですが、こういう話でクリエイターの方々と共に盛り上がれるというのがまた独特な空気感で、心地良いものを感じさせました。
また”知力25”の理由についての質問もあったのですが、これも特に理由はなく、「キャラクターにメリハリをつけようとした結果25で止まったのではないか」ということでした。
ファンからの質問で興味深かったのが「どうしてあのようなバトルシステムになったのか経緯を教えて欲しい」というものがありました。
回答は、「一歩進んだ新しいバトルシステムを作りたいと考えたときに、シミュレーション要素が入ってかつアクティブなバトルが良いと思った」とのことでした。
加えて「当初は数値の表記せずに、キャラクターの挙動でHPがどのくらいあるのかを示すというシステムで検討していたが、坂口さんからノーと言われ表記することにした」という話も聞けました。
戦闘システムは似たようなものを少なくとも私はプレイしたこと無いので、何度プレイしても新鮮な気持ちにさせられます。
数値の表記につきましては、表記が無いと面白さよりも不親切さが勝ってしまうかもしれないと感じましたので、このような形にまとまったのは私にとっては良かったのかもしれません。
個人的にはアクティブ要素を組み合わせたのが特に素晴らしく感じており、「あの技を使いたいけどそのためには移動が必要で、でもその間に敵の大技を食らってしまうかもしてない」といった緊張感が楽しかったです。
お互いに移動ばかりしてしまうような場面も頻発するのですが、それが敵との駆け引きのように感じられたのも楽しかったので、このような開発話を聞けたのは嬉しかったです。
気になる新情報は?
ここ数年の「ライブアライブ」のイベントに参加していない人からしたら、「26周年生放送?中途半端なタイミングでわざわざ生放送するということは重大発表があるんだな!」と想像されたかもしれません。
実際にはこの26周年イベントというのは、新しい企画の発表の場といったものではなく、毎年ファンとクリエイターが集まって、楽しく過ごそうといった趣旨が強い企画になります。
なので、来年はまたライブ(生配信含む)を開催しようと考えているという嬉しい発表はありましたが、ゲームの続編やリメイク、リマスターといった情報はありませんでした。
時田さんからのメッセージはこのようなものでした。
「応援してくれる人たちがたくさん居るからライブや、今日みたいに生放送ができりのだと思っています。これからも、新しい形で何かを提供できるように頑張りますので引き続き応援お願いします」
”新しい形”というのは、様々な解釈ができます。
期待している人も多いであろう続編やリマスター、リメイクなのかもしれません。
あるいは全く別のゲームなのかもしれません。
あるいは、ライブとはまた異なるイベントだったり、例えばアニメや書籍化のような新しい企画を提供してくださるのかもしれません。
個人的に望むのは、最新ゲーム機でリマスター版はプレイしたいかなとは思っております。
一方で続編やリメイクは強くは望んでおりません。
なぜなら、「ライブアライブ」の熱さをいつまでも自分の中に留めておきたいという気持ちが強いからです。
最も望んでいるのは、音楽の展開です。
ライブは毎年でもやって欲しいですし、バンドアレンジを始めとした様々なアレンジCDもリリースして欲しいと切望しています。
あとは、クッズ展開もたくさんして行って欲しいなと思っております。
いずれにしても、応援し続ける気持ちは変わりないですし、時田さんから呼びかけられたら何処へでも行こうと思っています。
もちろん、来年のライブも絶対に行こうと思っていますので、今から非常に楽しみに待っております。
まとめ
「ライブアライブ」というゲームの大きな魅力の1つに人間味溢れるキャラクターやストーリーがあると思っております。
そして、実際にライブやこうしたイベントに参加してみて感じるのは、制作者の方々や、ファンの人間的な魅力だったりします。
こういう人たちが作ったからこういうゲームが出来たのだなというのが垣間見えますし、ファンにしてもお互いが気遣いながら皆で楽しもうという姿がライブでよく見られるので、非常に心地良いです。
人を向き合うと大変なことも凄く多いですが、「ライブアライブ」という場所では良い部分が見える気がするのです。
ちょっと話が大きくなってしまいましたが、とにかく今後ともこの作品大切にしていきたいと思っております。
今回は触れておりませんが、下村陽子さんの作曲された「ライブアライブ」の音楽についても大変魅力的ですので、次回の記事でサントラをご紹介しようと思います。