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レビュー「ライブアライブ」オリジナルサウンドトラック

投稿日:2020年10月11日 更新日:

オムニバス形式に合わせたバラバラな楽曲たちが、シナリオ同様に終結していく!

コンポーザー:下村陽子

ゲームのプレイ状況:3周(SFC2周、WiiU VC1周)

先日の「ライブアライブ26周年生放送」を受け、ライブアライブ関連の記事を続けて書いていこうと思います。

まずはサントラのレビューをしないと音楽の話を広げていけないので、こちらから書かせて頂きます。

「ライブアライブ」と私

「ライブアライブ」というゲームはヒット作を連発していたスクエアのRPG作品である割には、未プレイの方が多いゲームです。

売上本数も少ないとまでは言えないでしょうが、32万本となっております。

その理由の1つとして「Final Fantasy6」「クロノトリガー」の存在が言われています。

「ライブアライブ」1994年9月発売なのに対して、「FF6」1994年4月に、「クロノトリガー」1995年3月に発売されています。

すなわち同年度の2本の大きな話題性の作品に挟まれる形で発売されているのです。

これは例えば、ゲームを年に何本も購入できない子供や学生などからしたら、”スルー”の対象になってしまうのは想像がつきます。

もちろん、理由はこれだけではないでしょう。

26周年生放送でディレクターの時田貴司さんが仰っていたように、王道RPGから外れたユニークな作品だったため”色物”として見られてしまった側面があるのではないかという見方もあります。

しかし最大の理由としては、はやり2作品と比べて予算が圧倒的に少なく、広告量も少なかったことにあると想像します。

実際に、テレビCMも放送されていなかったと記憶しております。

では、何故私が発売当初にこうした背景のある「ライブアライブ」をプレイするという縁に恵まれたかと言う話なのですが、きっかけは小田急電鉄のスタンプラリーでした。

「ライブアライブ」のキャラクターデザインは、当時小学館の漫画雑誌で連載を持っていた7名の漫画家の方が担当したのですが、その小学館による企画で開催されたのがこのスタンプラリーです(時田さんに直接質問して教えて頂いたので間違いありません)。

当時小学生だった私は、2年続けてスタンプラリーを夏休みの自由研究にするという荒業を行ったのですが、前年に京王電鉄のスタンプラリーを全駅周っており、「それならば今年は小田急だ!」ということになり、偶然「ライブアライブ」に出会ったのです。

主要7駅に各編の主人公のスタンプが置いてあり(例えば、新宿駅に原子編のポゴが居ました)、各編のキャラクターやアイテムのスタンプが全駅に設置されているという楽しい企画でした。

京王よりも距離と駅数があり、全駅回るのに3日間掛かったのですが、特に小田原駅でSF編のキューブを見付けたときには私のHPは0でした。

スタンプラリーを回っている間はスタンプを集めるのに必死で、正直なところ「ライブアライブ」どころではありませんでした。

しかし、全てのスタンプが揃った台帳や記念品(ライブアライブのロマンスカード)を眺めていると、突然「このゲームで遊んでみたい」という感情が押し寄せてきたのを覚えています。

私自身は当時ゲームを買って貰えるのが年に3本くらいだったのですが、発売のタイミングが9月というのがまた絶妙で、10月の誕生日プレゼントに買って貰うことができました。

こうして当時「FF6」「クロノトリガー」もプレイできなかった私が、「ライブアライブ」だけプレイしたという、なかなか珍しい経歴が誕生しました。

しかし、いま思い返してみても、子供向けのスタンプラリーの題材として「ライブアライブ」が適していたかと考えると、それはもう全く適していなかったと思います(断言)

このゲームは人間味のあるキャラクターやストーリーが魅力の1つではあるのですが、それ故に子供には過激と言っても過言ではない刺激的な内容になっているのです。

こうした内容のゲームがスタンプラリーの題材になったという奇怪さが個人的に面白く、それが返ってこのゲームが大好きになるきっかけにもなったと思っております。

ちなみに、私の当時のクラスメイトでプレイしていた友人が2人だけ居ました。

友人Aは、中世編のシナリオを「意味が分からない」で爆笑しながら語っていました。

友人Bは、「格好良いから」という実にシンプルな理由で主人公選択を誤ってしまい、小学生にはあまりにもダーク過ぎるシナリオを体験した結果、怒り狂いながら「何だよあのゲーム!」と私に訴えかけてきました。

2人とも、お疲れ様でした(掛ける言葉が見付かりません)。

このように小学生には全く適していないゲームなのですが、私にとってはその後26年経った現在でも好きで好きでたまらないゲームとなっております。

さて、今回も前振りが長くなりましたが、ようやく本題へ移ります。

私が「ライブアライブ」が好きな理由は上記のようなキャラクターやストーリー性の魅力だけでなく、音楽の魅力に拠る部分も間違えなく大きいです。

というわけで、サントラについての話に移って行こうと思います。

サントラの全体像

全41曲、収録時間は62分となっております。

曲数は少なく無いですが、収録時間が短く1枚のCDに収まっています

コンポーザーは下村陽子さんが単独で全ての楽曲を担当されています。

1つ触れなくてはいけないのは、下村さんにとって「ライブアライブ」はカプコンからスクエアに転籍して初めて手掛けた作品になります。

カプコンでは「ストリートファイター2」というビックタイトルの音楽も担当されたりしていましたが、「RPGの音楽を作りたい」という想いでスクエアの門を叩かれました。

そして、「ライブアライブ」で待望のRPGタイトルの作曲を担ったという形になります。

サントラの特徴としてはゲームの特徴がそのまま表れているような印象があります。

すなわち、ゲームが様々な時代や舞台を対象にしたオムニバス形式であるため、音楽の方もそこに適した形になるよう、幕末篇だったら和楽器サウンド西部編だったら口笛サウンド功夫編だったら中国風サウンドといった形式を取っています。

なので、サントラを聴いていて「この曲は〇〇編の曲だな」と聴いていて場面が容易に想起できるので、聴き易い構造になっております。

そうした中で、物語の終盤の楽曲でパイプオルガンを使用されているのが素晴らしいなと思いました。

それまで各編のバラエティーに富んだ楽曲を聴いてきた中で、最後に緊張感のある壮大なサウンドが入ることでサントラ全体がギュッと締まるような印象を持つからです。

バラバラだったサウンドが主人公たちと同じように、終結していくという表現が適切かもしれません。

ゲーム自体もシナリオ上1つにまとまっていくのですが、それが音楽の方でも見事なまとまりをみせるのが素晴らしいと思っております。

なお、26周年生放送ではファンからの音楽についての質問も紹介されていました。

「作成に最も苦労した楽曲は何ですか?」という内容だったのですが、下村さんは中世編の「魔王への叙曲」だと回答されていました。

開発の順番としてゲームを各編クリア後に登場する中世編から作成していたので、音楽の作成も中世編から依頼されたという経緯があったそうです。

しかし、コンポーザーとしてはゲームの順番通りに各編から作成した方がやり易いというのは私にも想像がつきます。

加えて、転籍後初めての作曲と言うプレッシャーもあったそうで、なかなか満足のいく曲が作成できず、植松伸夫さんから心配されたというエピソードも披露されていました。

「魔王への叙曲」はライブアライブで最初に作った曲であり、これが完成してからは順調に作曲が進んだそうです。

最初が最も苦労するというのは、確かにそうだろうなと想像できるお話で、何事もまずは方向性を示すというのが大切な作業になってくるのだなと感じました。

トップレート曲

※ 背景色付は☆5、その他は☆4

LIVE・A・LIVE

SELECT・A・LIVE

密命

忍音

殺陣!

最強 -VICTORY ROAD-

KNOCK YOU DOWN!

いいお天気でしょ!

Kiss of Jealousy

Unseen Syndrome

CAPTAIN SQUARE

星屑のキャプテン

鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳

老拳師下深山

在中国的戦闘

WANDERER

Under the Fake

Sancho・de・Los・Panchoz

GO! GO! ブリキ大王!!

Wait for Truth

PSYCHOで夜露死苦!!

魔王への叙曲

届かぬ翼

凛然なる戦い

CRY・A・LIVE

WARM・A・LIVE

魔王オディオ

MEGALOMANIA

ILLUSION…

PURE ODIO

Live over Again

Live for Live

LIVE・A・LIVE


メインテーマ曲です。

タイトル画面や重要なムービーシーンで使用されています。

派手さのある前半部分の印象が、後半部分でドラマチックに変わります。

このドラマチックなサウンドが、各シナリオの熱いシナリオを予告しているようでワクワク感があります。

こうした”熱さ”と”ドラマチックさ”が「ライブアライブ」のサウンドの根幹にあるというのがこの楽曲から感じ取ることができます。

忍音


幕末編のフィールド楽曲です。

和の太鼓の音尺八を思わせる音色の主旋律が見事に嵌っています。

特筆すべくは楽曲の軽快さです。

幕末編の主人公おぼろ丸ですが、彼だけ移動速度が速いのです。

その軽々な足取り、かつ曲名にもあるように忍び足の雰囲気があり、ゲーム場面とのシンクロが凄まじい楽曲だと思います。

殺陣!


幕末編の戦闘曲です。

太鼓の音、尺八の音は相変わらず良い雰囲気を出しているのですが、ここでは三味線も登場しております。

フィールド曲同様にスピード感があるのですが、そこに戦闘曲と言うことで力強さが加わっています。

その力強さを引き出しているのが三味線なのですが、三味線という楽器の格好良さを教えてくれるような楽曲に仕上がっています。

最強 -VICTORY ROAD-


現代編のメインテーマです。

ゴングを想起させるような鐘の音が印象的で、楽曲の良いアクセントになっています。

前奏部分は強くなるために黙々とトレーニングしている主人公高原日勝の姿が思い浮かびます。

そして、爆発力のある主旋律が彼の持つ肉体的、精神的強さを感じさせます

もちろん、パラメーター的には”知力25”と酷く低い数値であり、それは未来永劫変わらない事実として君臨し続けるのですが、それでも彼の精神はきっとタフなんだろうなと思わせます。

そもそも”知力25”であっても世界の平和のために闘おうと立ち上がるわけですから、そりゃメンタル強いわなと思います。

時田さんも仰っていましたが「知力」って何を持ってカテゴライズしているのでしょうか?

記憶力?論理力?IQ?

この楽曲を聴いていると益々分からなくなります。

KNOCK YOU DOWN!


現代編の戦闘曲です。

数あるライブアライブの戦闘曲の中でも最も盛り上がる戦闘曲です。

拳を振り上げたくなる格好良さと力強さがあります。

メロディーライン的には、放物線の山がジワジワと高く伸びてくるようなラインになっており、戦闘の激しさが増していくような印象をもたらせてくれます。

リズミカルさも伴っているので聴いていてノリの良さも感じます。

いいお天気でしょ!


原子編のフィールド曲です。

爽やかさと穏やかさの混在したような明るい曲調で、ライブアライブの中では異色の楽曲であるようにも感じました。

ちょっと音楽的な説明をするのは難しいが曲なのですが、主旋律というものも確かにあるのですが、その裏にもう1つの旋律が混じっており、それらが絡まって結構複雑な楽曲になってます。

こうした2つの旋律に上述の「爽やかさ」や「穏やかさ」をという2面性を感じられるのかもしれません。

小学生の頃プレイしたときはこの楽曲が最もお気に入りで、ゲームのサウンドモードでよく聴いていたという思い出があります。

Unseen Syndrome


「怖い」というシンプルな感想が溢れるSF編のフィールド曲です。

とにかく不気味さが前面に出た楽曲なのですが、その理由の1つに得体の知れない旋律があると思います。

いや、旋律とも言い難いのかもしれませんが、その動きは複雑で次の音の予測が全くできません

リズムも同様に複雑で、全く乗ることができません

実際にはもっと長い楽曲で、その一部を切り取ったことで複雑さが出ていると下村さんが説明していたような記憶があります(記憶違いの可能性があります)。

個人的に複数の曲をあちこち切り取って繋げて作成した楽曲のようにも感じます。

鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳


功夫編のメインテーマ曲です。

タイトルの長い楽曲ですが、これについては「26周年生放送」で下村さんが教えて下さいました。

日本語のタイトルは「鳥は空を飛び、魚は川を泳ぐ」というものなのですが、それを「中国語にするとどうなるの?」と中国語の分かるスタッフに聞いたところこの曲名になったそうです。

曲名からして功夫編らしい、人生の何たるかを考えさせられる深みのある楽曲ですが、私は「じゃあ、人はどう生きるのか?」と問い掛けられているかのように感じます。

私自身は、「自分の好きなものを大切にするという行動を通じて、”自分がどんな人間だったのか?”というのが誰かに伝わる、そんな生き方をしたい」と思っています。

ちょっと良いことを言った気分になっているのですが、肝心の音楽に触れていないので話を移したいと思います。

バックでは中国風のサウンドが響いているのですが、主旋律はメロディアスな楽曲になっています。

その旋律は風景の描写とも重なるものがあるのですが、「人の生き方」といったものを考えさせられるような落ち着いたものになっています。

人生の大事な転機を考えるようなときとかに聴きたくなる楽曲です。

Under the Fake


口笛が鳴り響く西部編のフィールド曲です。

いかにも西部劇な旋律も凄いのですが、何と言っても効果音との組み合わせが凄いなと感じます。

特に家々の扉が揺れ動く音との調和が素晴らしいです。

この辺はバーで使用されている「Sancho・de・Los・Panchoz」にも同じことが言えるのですが、とにかくプレイしていて西部劇に舞台へと一瞬で引き込まれるような感覚があるのが素晴らしいです。

GO! GO! ブリキ大王!!


近未来編のブリキ大王のテーマ曲です。

こちらはゲームで使用されているサウンドなのでインストゥルメンタルヴァージョンなのですが、それでも熱さを感じます。

熱さを感じる要因はやはり、前奏のインパクトでしょうか。

もちろん熱いストーリー展開に拠るところは大きいのですが、この前奏だからこそ良いのだとも感じさせます。

名言の1つである「そうだろ、松!」に続いて流れるわけですが、このゲームとして最高の演出をもたらしていることに、この楽曲のイントロも大いに貢献していると思います。

歌詞の響きも心地良く、攻略本の歌詞を見ながらいつも歌っていました。

私にとって初めて触れたゲームのヴォーカル曲だと思いますので、非常に思い出深いです。

PSYCHOで夜露死苦!!


近未来編の戦闘曲です。

主旋律のハーモニカのような音色が近未来編という舞台に色を付けているなという印象です。

アキラのイメージ系の技を繰り出す際のテレパシーの音だったり、シンプルに殴る蹴るの音だったりとも非常にマッチします。

渋さの中にある格好良さが垣間見えるので、未来を感じさせる煌びやかさを印象付けられます。

魔王への叙曲


下村さんが生み出すのに苦労したという中世編のメインテーマ曲です。

これも個人的に大好きな曲なのですが、旋律に耳を傾けますと「勇ましさ」が基調になており、「勇者」の存在を想起させます。

一方で、その中に不穏な要素が特に後半部分で感じ取れます。

これが「魔王」を想起させるのです。

すなわち、「勇者」と「魔王」が存在する中世の世界観と言うものをこの曲1つで見事に表出されていると感じるのです。

苦しいんだ末にこんな素晴らしい曲を生み出してくれたことに感謝したくなる1曲です。

届かぬ翼


中世編のフィールド曲です。

「26周年生放送」で時田さんは「これまでのスクエニになかったような叙情的で切ないメロディーが良くて、通勤電車とかで当時よく聴いていた」と仰っていたので、時田さんにとってもお気に入りの楽曲のようです。

「これまでのスクエニにに無かった」というのは個人的には少し違うような気もしましたが、フィールド曲として考えるとこの叙情的な楽曲には新しさがあるなと私も感じました。

詳しくは書けませんが、中世編ではとにかく切ない行動を取り続けることになるので、この楽曲の印象は強烈なものとなります。

旋律的な分析を試みますと、音が最高点に達してからの急峻な落とし方、これが切なさを印象付けているのだと思います。

シナリオだけでなく、雪山のグラフィック山小屋の存在、そういった情景的な要素も重なることで一層切なさを助長されますが、音楽単体での叙情的的表現もこれ以上のものは無いのではないかと思います。

凛然なる戦い


中世編の戦闘曲です。

ターンが回ってきたときの「シャキン!」という効果音と相まってキリッとした印象があり、オルステッドの勇者としての格好良さが引き立っています

しかし、その後ろで鳴る不規則なバッキングは、オルステッドを惑わすような雰囲気も感じさせます。

そう解釈すると、シンプルさを装った奥深い楽曲にも聴こえてきます。

CRY・A・LIVE


各編で使用されるイベント曲ですが、中世編では切なさを決定づけるような印象をもたらしますので、他編で聴くのとは全く印象が異なります。

全音符を多用しており、伸びやかな旋律が連続するのですが、そこに「なんで、なんで、どうして…」という心情が表現されているように感じます。

「ライブアライブ」の人間味あふれるシナリオを彩る非常に重要な楽曲の1つだと思います。

魔王オディオ


魔王オディオのテーマ曲です。

各編のラストボス戦直前のイベントで使用されていますが、パイプオルガンの音色がもたらす荘厳さが、オムニバスゲームと言う不安定要素のあるゲーム性を一気に引き締めるような印象があります

主役はパイプオルガンですが、鐘の音やコーラス音も同様の雰囲気を作るのに効果的に働いています。

「魔王オディオ、ここに在り」

言葉があるわけではありませんが、音楽でそう言っているように感じます。

MEGALOMANIA


各編のラストボス曲です。

おそらく「ライブアライブ」で最も有名な楽曲で、ゲームは知らずとも曲だけは知っているという方も少なくないのではと思います。

特に初めて聴いた瞬間のインパクトは強烈なものがあり、ゲームの手を止めてしまう程です。

「格好良い曲」なのですが、どんなところが格好良いのかと考えますと、高音域のフォルテッシモ一辺倒で、派手さだったり爆発力だったりに終始しているところが格好良いのだと思います。

音色的にも煌びやかで、どこまでも突き進んでいるという印象があります。

こうした楽曲の特徴を考えますと、戦闘曲ではありますが、その中でも主人公たちの揺るがない強い意志というものをこの音楽の力で表出しているのではないでしょうか。

悩んだ末に別の曲にはしましたが、やはり個人的なベストトラック候補の1曲でした。

Live for Live


真エンディング曲です。

各編のメインテーマをメドレー形式でアレンジした贅沢な楽曲で、最後にシナリオを振り返る、各キャラクターにスポットライトを当てるというエンディングらしい役割も持った楽曲です。

特筆すべくはその各テーマ曲の繋げ方で、1つ1つのテーマを大切に繋いでいるので、自然と「ライブアライブ」というゲームへの愛着が湧くような作りになっています。

曲が終わってしまうのが寂しい、そう思わせるのもこの楽曲の特徴です。

聴いていて「これは〇〇編だ」とすぐに分かるので、終わりが近付いていることもふと悟ってしまいます。

「真エンディング」というフィナーレに相応しい素晴らしい楽曲だと思います。

ベストトラック

Wait for Truth


ベストトラックに挙げたのは近未来編のフィールド曲です。

今まで曲名を気にしていなかったのですが「真実のために待つ」とはどういうことなのでしょうか?

時田さんや下村さんに質問しておけば良かったなと後悔しております。

この楽曲が印象的な場面の1つは、たい焼き屋で店番をしているときです。

回復アイテムを目当てに、たい焼きをひたすら高額で売りつけるわけですが、そうした作業を繰り返しているとBGMはやたら耳に入ってきます。

私にとって、待つのは真実ではなく、たい焼きを買いに来る客になってしまっているのかもしれません。

この楽曲で何より印象的なのは、イベント中にピタリと曲が止んだりすることがあるのですが、そこで急に緊張感が押し寄せることです。

この楽曲には「日常のほのぼのとした感覚」があると思います。

主旋律に実は規則性があり、フレーズ毎の最後の音が必ず上がります。

それこそが「日常感」の正体なのではないでしょうか。

同じことを繰り返す日常のルーティーンを無意識に想起させられる気がします。

そして、こうした楽曲をあえてゲーム場面で多用することで、イベントの緊張感を増強するような役割を担っているのではないでしょうか。

近未来編の演出は総じて素晴らしいのですが、これらの素晴らしい演出を生み出しているという意味で、実は重要な楽曲であると思うので、この楽曲が私にとって「ライブアライブ」のベストトラックとなります。

まとめ

さて、大変長い記事になってしまいましたが、「ライブアライブ」の楽曲の魅力は多岐にわたっているというのが総評的な感想になります。

シンプルな旋律の良さはもちろんなのですが、ゲーム演出への貢献だったり、バラバラになってもおかしくないオムニバス形式のゲームを取りまとめていたりと、非常に重要な役割をしています。

かつ、バラエティに富んだ楽曲が聴けるので、飽きずに何度でも繰り返し聴くことができ、その度に名台詞の数々や人間味あふれる熱いゲームシーンが浮かぶという素晴らしいサントラです。

未プレイの方も多いかもしれませんが、未プレイであっても各編の世界観を想像しながら楽しく聴けるサントラだと思いますので、是非聴いてみて頂きたいです。

しかし、やはり後からでもゲームはプレイして欲しいなと思ってしまうので、現状のWiiU及びnew3DSバーチャルコンソールだけでなく、最新のゲーム機でもプレイできるような環境が整ってくれたら嬉しく思っております。

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