復刻されたのはサントラだけではない!
コンポーザー:下村陽子 ブリキ大王の歌い手:時田貴司
再販版もオリジナルサウンドトラックであることには変わりないのですが、追加トラックが収録されています。
そのため、私はこちらについても所持しております。
今回の記事では再販に至った経緯や、追加トラックを紹介させて頂こうと思います。
目次
再販された経緯
オリジナル版は絶版となっておりましたが、配信でのダウンロード購入は可能な状況でした。
それにもかかわらず円盤が再販されるようになった経緯としましては、スクエニミュージックによるキャンペーン企画が引き金になったという経緯があります。
2011年のキャンペーンになりますが、「復刻して欲しいサントラをTwitter上で呟いて下さい!」という企画でした。
スクエニやゲーム音楽ファンにとって非常に嬉しい企画で、「ライブアライブ」の他にも複数のサントラが復刻されました。
私は嬉しさのあまり復刻されたサントラを全て購入しました。
スクエニは、サントラは惜しまずに製品化して頂ける傾向がありますが、さらに復刻までするというのは、嬉しいサプライズでした。
再販版サントラの内容
復刻されたのはオリジナルサウンドトラックだけではありませんでした。
幻となっていた2種類のサウンドもこの機会に復刻されております。
1つは、「Go! Go! ブリキ大王!!」のヴォーカル盤のCDです。
こちらは以前、ファミ通との企画で2番、3番の歌詞を公募した際に制作され、読者にプレゼントされました。
その際はカセットテープでの制作だったそうなのですが、手にした人がほとんどいないであろう幻の存在でした。
内容としてはディレクターの時田貴司さん自らがメインヴォーカルを担い、その他のスタッフも掛け声(技の名前)等で参加されたものになっていたようです。
こちらを再販にあたって下村陽子さんがアレンジされ、時田貴司さんが再び歌う形で新録され、CD化されました。
The Black magesでもお馴染みの関戸剛さんがギターを、河盛慶次さんがベースを弾かれております。
ただし、こちらはe-STOREでの先着購入特典CDとして購入者の方にプレゼントされたものになります。
現在のタイミングで再販版のサントラを購入しても聴くことはできませんので注意が必要です。
もう1つは、NTT出版から発売された攻略本に付属されていたアレンジCDの楽曲が収録されました。
こちらの攻略本は通常版とCD付きの2種類が発売され、私は通常版の方を持っております。
CD付きの方は値段が高かったので、当時子供であった私には欲しくても購入することができませんでした。
なので、私にとっては「どんなCDなのだろう」と、子供のころからずっと憧れていたものになります。
こちらは特典ではなく、ボーナストラックとしてサントラの最後の2曲に収録されていますので、現在でも容易に聴くことができます。
こちらの記事ではこのボーナストラック2曲についてご紹介させて頂こうと思います。
収録曲(ボーナストラック)
Battlissimo
戦闘曲メドレーのアレンジ楽曲になります。
以下の順番で戦闘曲を繋いでおります。
MEGALOMANIA
殺陣!
Kiss of Jealousy
星屑のキャプテン
THE WILDS
在中国的戦闘
KNOCK YOU DOWN!
PSYCHOで夜露死苦!!
アレンジはシンセサイザーのような音色で、変化があまりありません。
打ち込みのドラム音もありますが、リズムやダイナミクスも含め、抑揚という点に欠けている印象はあります。
出だしから「MEGALOMANIA」なのですが、派手さがなく意表を付かれ、新鮮な感覚を覚えます。
これを良い新鮮さと捉えるか、ネガティブに捉えるかは好みが分かれるところだなという印象です。
個人的にはファーストインプレッションは決してポジティブではなかったのですが、聴いていくうちに癖になるような感覚はありました。
抑揚や派手さはあまり感じない割には、曲のつなぎ目にやや強引さを感じるのですが、「ここで切る!」といった形の音が入るのが聴いていくうちに意外な良さを感じるようになったのです。
終わらせ方もやや強引で、一音で「終わり!」と切ってくるのですが、それが返って余韻を残したりもします。
基本的にはメドレーを聴きながら「あ、これは〇〇編の戦闘曲だ」といったように楽しむファンディスク的な側面が強いという印象なのですが、意外と癖になる人も少なくないかもしれません。
Forgotten Wings ~忘れられた翼~
「届かぬ翼」のオーケストラアレンジになっています。
オーケストラと言っても生音では無く、低音過ぎる主旋律等、全体的にあまり良い音色とは言い難いです。
しかし、アレンジとしては非常に良いものがあります。
主役はピアノでしょうか。
きめ細やかな動きに聴きごたえがあります。
後半になるとオーケストラ特有の重厚感が広がっていき切なさなのか、何なのか、とにかく悲痛な雰囲気が増していきます。
ここで曲名にも着目してみますと、原曲の「届かぬ翼」の方は、「自分を待っているであろう大切な人の元へと飛んでいきたいけれども届かない」という切なさを感じられます。
それが「忘れられた翼」に変わると、「そもそも自分を待っている人など居ない」となり、切なさを超越し、絶望感に変わる、そんな印象をもたらします。
前述の悲痛な雰囲気というのは、こうした絶望感なのかもしれません。
目に浮かんでくるのはやはり中世編の物語であり、オルステッドの心情です。
ライブアライブの物語を最後に想起できるような楽曲に仕上がっているせいか、ボーナストラックとして最後のトラックに収録されていても違和感なく聴くことができます。
まとめ
「Go! Go! ブリキ大王!!」の新録版CDは残念ながら希少なものとなってしまいましたが、性質上やむを得ない部分があります。
しかし、ボーナストラックについては、希少性だけでなく、聴きごたえという部分においても大きな価値を感じさせます。
iTunesの配信の方ではボーナストラックは未収録となっておりますので、まだサントラを持っていない方には、是非CDの方を手に取って聞いて頂きたいなと思います。