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レビュー「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」オリジナルサウンドトラック

投稿日:2020年6月14日 更新日:

映画音楽のようでいて、実はバランスの取れたゲーム音楽らしさのあるサントラである!

コンポーザー:桐岡麻季、日比野則彦、本田晃弘、角田利之、小堀修一、伊藤真澄

ゲームのプレイ状況:未プレイ

「PRESS START」2006年公演において「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」が演目に入っておりました。

そちらのサントラレビューに先駆けまして、シリーズのファーストタイトルとなる「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」のサントラレビューをさせて頂きます。

未プレイゲームのサントラレビューがどこまでも続くという苦境に立たされていますが、張り切って1枚1枚向き合っていこうと思います。

「ZONE OF THE ENDERS」とは、いかなるゲームシリーズなのか?

こちらのシリーズは小島秀夫さんのプロデュース作品になります。

「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」は2001年3月にPS2で発売されました。

主人公の少年が偶然ロボットに乗り込み、それを操作しながら戦うというタイプのゲームになっております。

先日サントラレビューした「メタルギアソリッド2」は同年11月に発売されているのですが、その体験版が同梱されていたようです。

2003年2月に発売された次作の「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」は、よく名の知れたゲームで、私自身もその存在を当時把握していました。

どんなゲームなのか全く把握していなかったのですが、立ち寄った家電量販店で偶然目にし、非常に惹きつけられ財布の中身を確認したあの日のことを生々しく覚えております。

予想通りではあったのですが、残念ながら財布にお金はなく、こちらもプレイする縁には恵まれませんでした。

「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」は「メタルギアソリッド2」と「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」の強すぎる存在感の陰に埋もれてしまった作品のようにも感じます。

私自身、ゲーム音楽に関心を持っていなければ今でも存在を知らないゲームだったかもしれません。

なお、上の公式動画は2012年10月にPS3、Xbox360で発売されたHD版のトレーラーになります。

こちらでも使用曲が「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」の楽曲という点からも、「シリーズの象徴はそちらの方か」と感じさせます。

サントラの全体像

多数のコンポーザーが関わっていらっしゃいます。

「チームKONAMI」といったところでしょうか。

日比野則彦さんの名前は当ブログでも「メタルギアソリッド2」に引き続き2回目の登場となります。

そういった部分もあるためか、こちらのサントラもメタルギアシリーズにも通ずるようなKONAMIサウンドを感じます。

映画音楽的な楽曲がやはり多く感じるのですが、その中でもゲーム音楽らしさを感じる楽曲があり、バランスの良さを感じます

というのも「flowing destiny」「希望と言う名の光」という2つのヴォーカルのエンディング曲があり、それぞれ複数のインストルメンタルのアレンジ曲があります。

この旋律が全体中核を担っており、そこにゲーム音楽らしさも感じ取ることができます。

トップレート曲

※ 背景色付は☆5 その他は☆4

Title (The Origin)

Factory (Vivid Transparency)

flowing destiny (piano arrange)

Boss (neves)

A Light with a name of HOPE (piano arrange)

A Light with a name of HOPE (protect me)

flowing destiny (memories)

flowing destiny

KISS ME SUNLIGHTS

Title (The Origin)


ヴォーカルソロ曲です。

特に伸びやかに響き渡る高音域が印象的です。

ヴォーカルは確認が取れないのですが、堀澤麻衣子さんでしょうか。

いきなりこの印象的な曲から始まるというところにゲームサントラとしての良い部分が感じられます。

Factory (Vivid Transparency)


きめ細かく、攻めに攻める中でもダイナミクスがあり大変心地良いです。

そして、最後の爆発的な盛り上がりで気分を大いに高めてくれます。

Boss (neves)


車で聴いていて息子が「これ、ボス戦?」と尋ねてきた曲です。

そうです、曲名をを見る限りボス戦です。

それを感じさせるのは女性ヴォーカルの存在でしょうか?

曲を聴いただけで子供でもシーンが浮かぶというのは、いかにもゲームサントラを聴いているという感じがして良いものですね。

A Light with a name of HOPE (protect me)


「希望という名の光」のインストゥルメンタル曲です。

ピアノヴァージョンも収録されていてそちらも良いのですが、私はこちらのストリングスヴァージョンの方がより好みだと感じております。

伸びやかさ、ビブラートというストリングスサウンドならではの表現方法が旋律により合っていると思うからです。

こういうのをコンサートで聴けたらたまらないだろうなと思います。

flowing destiny


エンディング曲になります。

作詞作曲を桐岡麻季さん、ヴォーカリストは堀澤麻衣子さんです。

複雑な構成の曲が多く、メロディアスな曲はあまり無いサントラなのですが、こちらの楽曲はメロディアスです。

その旋律を他の楽曲でも多く使用していますので、全体的なバランスをそこで取っているなと感じます。

ゲーム中にインストゥルメンタルで何度か使用してエンディングでヴォーカルヴァージョンを使用するというのは王道的ですが、やはり良いものだなと感じさせました。

KISS ME SUNLIGHTS


こちらはオープニングテーマ曲になります。

シンガーソングライターの伊藤真澄さん作曲なのですが、別名義の七瀬光という名前でアレンジも担っていらっしゃいます。

さらには、Heart of Airという名前でヴォーカルも担っているようです。

楽曲の方は「リズムに乗れない、でも心地良い!」というゲーム音楽らしいヴォーカル曲になっております。

物語に一気に引き込まれそうなすばらしいオープニングテーマ曲だと思います。

ベストトラック

flowing destiny(piano arrange)


ヴォーカルの方と悩みつつ、ベストトラックはピアノの方にしました。

旋律への入り方が洒落ていて、そこが非常に好きな部分です。

「どことなく切なさもある旋律なんだな」ということにピアノアレンジを聴くことで気付かされます。

瞼を閉じて静かな夜に聴きたくなる、そんなトラックです。

まとめ

”ゲーム音楽らしい”という言葉を何回用いたでしょうか?

映画音楽のような馴染み難い印象を始めは抱きましたが、ゲーム音楽らしさのあるバランスも取れたサントラです。

私は聴き返してみると、意外と聴き易いサントラだなと感じました。

KONAMIサウンドらしさもありますので、もちろんメタルギアシリーズの音楽が好きな方は気に入られると思います。

また、ゲームのヴォーカル曲が好きな方にもお勧めできるサントラだと思いました。

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