型にはまらない椎名豪サウンドに揺さぶられる!
コンポーザー:椎名豪
ゲームのプレイ状況:未プレイ
椎名豪さん関連作品の記事を続けていきます。
今回は前作「GOD EATER」に引き続き、「GOD EATER 2 & GOD EATER 2 RAGE BURST 」のサントラをご紹介させて頂きます。
こちらも未プレイのため、分からない部分が多いゲームタイトルとなっておりますが、椎名作品の魅力に迫ってみようと思います。
サントラの全体像
本編である「ゴッドイーター2」の楽曲の他、追加シナリオ「レイジーバースト」の楽曲も収録されております。
ディスク3枚組の83曲収録で計220分と、前作よりも大幅にボリュームがアップした大作サントラです。
そのせいか、全体的にはバラつき感があり、同一ゲームの楽曲としてのまとまりにはやや欠ける印象です。
しかし、椎名豪さんの音楽性の広さという部分はより強く感じることができます。
シリーズテーマ曲である「GOD EATER」はもちろん、「神と人と」など前作のアレンジ曲も含まれておりますが、今作で新たに加わった中核を担う楽曲も存在しています。
バラエティ豊かな楽曲の数々ですが、その中でもヴォーカル曲が非常に多いのが特徴的に感じられます。
トップレート曲
※ 背景色付は☆5 その他は☆4
[DISC1]
F.A.T.E.
光のアリア piano solo ver.
鋼鉄の要塞
淘汰される者
大義の傀儡
贅沢なひととき
奥底に眠るもの
終わらぬ戦いへ
光のアリア
光のアリア piano version
血の導き
[DISC2]
運命を共に
Wings of Tomorrow
優しい時間 -orchestra version-
暖かな日差し
Alma Mater
色あせた思い出
白銀の道
光のアリア orchestra version
何とかなります!
君との帰り道
安らぎのとき
神と人と -Resolution-
Tree of Life -brighter than ever-
[DISC3]
零れ落ちたもの
彼の約束を胸に
賭したもの
黒の一閃
Tree of Life
F.A.T.E.
オープニングテーマ曲になります。
こちらは椎名豪さんの楽曲ではありません。
作曲は2つのパンクロックバンド「Hi-STANDARD」、「NAMBA69」に所属している難波章浩さん、編曲はソロユニット「AA=」で活動されている上田剛士さんで、2人アーティストによるコラボ作品となっております。
メロディーラインだったりコード進行だったりはシンプルな印象なのですが、それでいてロックな楽曲になっているのが非常に格好良いです。
オープニングからして豪華なものとなっておりますが、ゲームの楽曲という印象はやや薄く感じられます。
しかし、楽曲そのものはシンプルに格好良く、非常に質が高いと思います。
贅沢なひととき
ラウンジで使用されている楽曲です。
ジャズっぽい雰囲気があるのですが、主旋律が不明瞭で、まるでアドリブのソロパートのようです。
旋律よりもドラムの存在感の方が際立っており、捉えどころがないまま楽曲が終わります。
そして、また聴きたくなる不思議な曲です。
光のアリア
メインテーマソングになります。
作曲は椎名豪さん、ヴォーカルはJ-Pop歌手のyu-yuさんです。
yu-yuさんのヴォーカルは繊細ながらも力強さも感じられ、両者が絶妙なコントラストとなっております。
オープニングの滑らかなピアノの動きがいかにも椎名さんの楽曲らしさを感じます。
運命を共に
オーケストラとコーラスによる重厚な楽曲です。
前半は派手さがあり、そこに終始するのかなという印象を受けるのですが、そこにスッとストリングのメロディアスな旋律に入ってくるのが非常に気に入っています。
Alma Mater
戦闘曲らしいのですが、ゆったりとしたテンポの曲なのでピンと来ません。
ベースとしてあるのはオーケストラとコーラスの重厚な楽曲ではあるのですが、とにかく変化に富んでいて、その変化が戦闘シーンとどのように重なって行くのか興味深いです。
零れ落ちたもの
曲名から想像するとイベントシーンの楽曲でしょうか。
ピアノソロの楽曲です。
とにかく中盤以降の主旋律の力強い和音が印象的です。
その重なる和音に、何かを乗り越えようとしているような楽曲の表情を感じさせます。
Tree of Life
「レイジーバースト」のエンディング曲です。
作曲は椎名豪さんとなっており、ヴォーカリストはルイス・アーマンド・リベラという名のアーティストなのですが、詳細が分かりません。
男性としてはやや高めのあまり聴かないタイプの声質で印象深いです。
表現力も豊かで非常に引き込まれます。
旋律も良いのですが、それを歌唱表現で更に美しいものにしているのに凄みを感じさせます。
ベストトラック
賭したもの
戦闘曲ですが、この楽曲も派手さはなく、どちらかというと技巧的な楽曲です。
シンプルな4拍子のはずなのですが、印象的なイントロでどこかリズムが崩されます。
ストリングスの主旋律はあるのですが、それは思わぬタイミングで始まり、基本的には同フレーズの繰り返しにも関わらず思いがけない動きをします。
戦闘曲の革命的なものを感じる楽曲が多いのですが、その中でもとりわけ揺さぶられたこちらの楽曲をベストトラックとします。
まとめ
楽曲が多く、統一感に乏しく、正直なところ聴いていて耳に入って行きにくいような難解なサントラに感じます。
しかし、1曲1曲を紐解いてみると、凄みを感じさせる楽曲が多く、気になる楽曲がどんどん増えて行きます。
戦闘曲を例に出しましたが、結局のところ型にはまらない音楽性というところが椎名サウンドの魅力で、それが最も出ている椎名作品はこちらだと思います。
聴いていて疲れを感じるくらい、揺さぶられのですが、それがまた魅力的に感じられます。
サントラには珍しく、ゲームが未プレイであっても、あまり影響を受けないと言いますか、ゲームをプレイしていても難解なサウンドだと思います。
椎名サウンドに興味のある方は、未プレイであっても是非聴いてみて頂きたいと感じます。