「Music」はまるで「Reset」のアンサーソング?平原綾香の”大切な祈り”を掘り下げる。
2006年3月22日リリース 大神主題歌「Reset」収録
大神主題歌である「Reset」を聴き、平原綾香の他作品を聴いてみたいなと思い、早速ですが聴いてみました。
あえて「Reset」が収録されたこのアルバムを選んだのですが、色々と発見がありました。
目次
このアルバムを聴いた経緯
この作品は4thアルバムにあたるそうです。
アーティストを知りたいならまずはデビューアルバムから聴くというのが通常ではあるのですが、ここではあえてこのアルバムを選びました。
アルバムというのは基本的には各曲の製作時期が近いという解釈をしていますので、「Reset」を発表された頃のアルバムで他の曲も聴きたかったのです。
何故かと言いますと「Reset」の歌詞考察で触れました”大切な祈り”について、もう少し掘り下げてみたいと思ったのです。
他の曲からも何か得られるものがないのではないかと思った次第です。
結論から申しますと、このアルバムを聴いて”大切な祈り”についてはある種の確信を持つことができました。
平原綾香さんの人物像
アルバムの紹介に入る前に、そもそも平原綾香とは何者なのか?について、軽くですが調べてみました。
意外だったのは”音楽大学のジャズコースでサックスを専攻していた”という情報です。
平原綾香の音楽性のイメージはポップスだったり、クラシカルな曲なのですが、ルーツはジャズだったということでしょうか?
しかし、”高校時代はクラシックのアルトサックスを学んでいた”ということですので、
要するに多様な音楽性を持っていらっしゃいます。
アルバムの全体像
アルバムの全体像として気になるのは何と言ってもアルバムタイトルですね。
「4つのL」とはなんでしょう?
これは曲目を見ると一目瞭然なので、まずは収録曲を書き出してみます。
1. 誓い
2. Theme of LIVE -interlude-
3. Circle Game
4. Reset
5. I will be with you
6. Theme of LIFE -interlude-
7. WILL
8. スタート・ライン
9. Theme of LUCK -interlude-
10. はじまりの風
11. アリエスの星
12. 未来の僕らに
13. Theme of LOVE -interlude-
14. Eternally
15. Music
16. 誓い -Album version-
16曲とは多いなと思いつつ目を向けてみますと”interlude”すなわち、幕間の間奏曲が4曲含まれてます。
で、その4曲のテーマが以下のようになっています。
”LIVE” ”住む”ではないでしょうから、”生きる””という意味でしょう。
”LIFE” 特定困難ですが、”生命”とか”生涯”とかの意味合いだと思います。
”LUCK” これは”運”ですね。
”LOVE” これはもちろん”愛”ですね。
4つの頭文字がLになっているというのが種明かしになります。
収録曲
「Reset」は”生きる”というテーマにカテゴライズされているということになります。
もう、これはそういうことでしょう。
うたを歌うということが平原綾香にとっての”生きる”ということなのでしょう。
他の曲にも触れますと、私の持つ平原綾香の楽曲のイメージとは離れてました。
というのも、全体的にポップス寄りの曲で、歌詞も応援ソング的な内容のものが多いのです。
この曲目たちの中でタイトルだけ見て「あ!」と思った曲があります。
それが15曲目の「Music」です。
きっと本人作詞の曲だろうなと思ったら… 案の定でした。
少しだけこの曲歌詞に触れます。
悲しみは絶えるはずがない
冒頭の歌詞ですが、「Reset」でも”悲しみ”という言葉を使っています。
そして、これに続くのが、
あなたがいるだけで それでもいいと思える
”あなた”は平原綾香の歌を聴いている人々のことを言っているというのが私の解釈です。
そして、後半に一気に飛びますが、
歌うよ今いちばんのメロディを響かせて
もう、これではまるで「Reset」のアンサーソングに思えてきます。
要するに、言っていることがほとんど同じなのです。
それもこの曲ではより具体的な詞で歌っている印象があるのです。
”悲しみに捉われずに、私の歌を聴いてくれる人の心に届くように、私は今も、これからも歌って行くんだ”
このような音楽というものへの平原綾香の想いが込められているように感じます。
この”Music”という曲も”LIVE”にカテゴライズされているかというと、違うのがまた意味深に思えます。
それも”Love”というのがなかなか深いです。
これは、聴いてくれる人へ向けている愛ということなのでしょうね。
このアルバムに応援歌的なものが多い点とも合致する部分があるのですが、
自分が過去の悲しみに捉われず今想いを込めて歌うことで、聴き手にも前を向いて欲しい、それが”愛”であり、それこそが平原綾香の”大切な祈り”の本質なのでしょう。
まとめ
こうしたメッセージ性をくみ取りながら聴くと感慨深いです。
そして、何と言っても平原綾香の歌唱力を存分に楽しめるアルバムだと思います。
伸びやかな歌声は「ああ、メロディーっていうのは点ではなく線なんだな」と当たり前のことを思い起こされますし、
コーラスやバッキングにおけるヴォーカルテクニックも存分に楽しめる作品です。
大神の「Reset」で感動したという方は、ぜひこのアルバムを聴いて頂きたいです。