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クリア後レビュー「塊魂 アンコール」

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斬新さと独特な世界観に魅了されるのは現在変わらない!

2019年3月6日発売 / バンダイナムコ

久々のゲームレビューとなります。

今回はSwitchの「塊魂 アンコール」をプレイしましたので、記事にさせて頂きます。

なお、プレイ状況としましては現在も続けているのですが、既にエンディングは見ております。

プレゼント回収は残り2つ、エターナルモードの突入は残り1ステージとなっており、佳境に入ってきているところになります。

「塊魂」と私

今作はリマスター版なのですが、PS2の原作の方はと言いますと発売当初にプレイしております。

すぐにクリアできるゲームなので、意気揚々と「クリア済みです!」とは言えないのですが、当時もエンディングは見ております。

加えて、大好きな楽曲が使用されているステージや、最も大きな塊を作れるステージは繰り返しプレイしました。

しかし、当初の個人的な評価としましては「大好きなゲームである」という認識には至りませんでした。

斬新さはあるものの、操作性の難しさ故に期待していた爽快感の欠如を感じたためです。

ただ、音楽は非常に気に入っており、サントラは無性に聴きたくなることも多かったので、それなりに聴き込んでおり「もしかして、このサントラ凄いんのでは?」と思うところまで達していました。

しかし、リマスター版が出ていることを知ると途端に、ゲームの方も無性に懐かしくなり、どうしてもプレイしたくなりました。

セールまで我慢することもできず、先日購入に至りました。

オリジナル版との違い

オリジナル版との違いはほとんどなく、原作をプレイしていても違和感なくプレイできます。

このあたりは原作ファンとしても、新規のプレイヤーにとっても安心できる部分かもしれません。

以下に変更点の一部を挙げていきます。

① 画質の改善


「変わらない良さ」がある一方で、「新しさ」の部分では弱さも感じるかもしれませんが、”画質の改善”という要素が非常に大きく感じます。

というのも、視覚的に判断することが多いゲームですので、画質がクリアになることでより快適に楽しくプレイできるという感覚がありました。

間違いなく、原作よりもプレイにのめり込めておりますので、これは非常に大きな点だと思います。

② 操作性


操作性の変化を不安に思う方は多いと思います。

私がプレイしているのはSwitch版になります。

操作設定は従来の原作通りである「イツモノ操作」、PS VITA版の操作方法である「カンタン操作」、Switch版のオリジナル操作方法である「コダワリ操作」と3種類から選択できます。

私の設定は「イツモノ操作」で、コントローラーは2つのジョイコンを専用グリップで繋いでプレイしています。

なので、操作に関してはPS2の頃から特に変わった点は無くなく感じております。

しかし、”王子ダッシュ”の操作感に悩むことにはなったので「コダワリ操作」も試してみました。

すると”王子ダッシュ”は大きく改善しましたが、ジャイロ操作を駆使することになりますので、その他の操作は全く持って歯が立たず、操作方法の変更はすぐに断念する結果となりました。

③ 対戦プレイ


Switch版では対戦プレイも追加されました。

しかし技術差が大きく出る上、対戦相手を巻き込んで、一時的に何も出来なくさせることができてしまうので、ワイワイ楽しむのにはあまり向いてなく感じました。

「ちょっと空気が悪くなってしまうな」と感じたのが正直なところで、私は1度プレイしただけで2度目はありませんでした。

プレイしてみての感想(ポジティブ要素)

いざリマスター版をプレイしてみると「懐かしい」という感覚だけでなく想像以上に満たされるものがあり、「自分はこんなにこのゲームが好きだったのか…」と気付かされました。

まずはポジティブ要素から整理してまいります。

① とにかく、音楽が良い。


何と言ってもこちらが色褪せない素晴らしさがあります。

このゲームの最も素晴らしい要素だと思っております。

しかし、この辺りは次回のサントラレビューでまとめていきますので、今回の記事では割愛します。

② バカげた設定


やたらデカい(宇宙の?)王様が酔った勢いで暴れてしまい、星々を壊してしまいました。

そこで小さな王子が呼び出され、「王様、やっちまったのでお前が星を作れ」と命令します。

実際はもっと面白い台詞回しなので、体験版で導入部分を見てみて頂きたいのですが、このバカげた設定に心を掴まされます。

どう考えても「ものをどんどん巻き込んで、雪だるまのように塊を大きくするゲーム」という設定が先にあったのだと思います。

その上で「王様が酔った勢いで星々を壊した」という無茶苦茶な設定を後から”こじ付け”のように追加したんだろうなというのが垣間見えるというのも面白いポイントだと思います。

「ゲーム」と「ユーモア」という2つの楽しませる要素が合わさった素晴らしさを感じます。

③ 不思議な世界観


「なんで小さな王子がそんなデカい塊を操れるの?」とか、「いくらなんでも王様強大過ぎない?」といったツッコミどころが満載なのもまた魅力的です。

ふと、真面目に考えてしまう瞬間があるのですが、すぐにそれがバカバカしいことだと気づかされるような感覚があります。

これは私としては結構考えさせられるものがありまして、このようなバカバカしさというのも「ゲームの在り方」の1つなのかもしれないなと思いました。

もちろん、美しく矛盾の無い世界観やシナリオで考えさせられるゲームも素晴らしいのですが、最近のゲーム業界の動向を見ていると、気軽にプレイしたいという層が多いのだろうなと感じさせられます。

そういうところでソシャゲ等が発展して行った部分があると思うのですが、多くの人がプレイするゲームというのは、余計なことを考えさせないような要素があるのかもしれません。

気軽にプレイできる感覚を「考えるだけバカバカしい」というところで結び付けるこのゲームは凄いなと思いました。

④ ユーモア溢れる台詞回し


このゲーム、よくよく考えますと喋るのは王様だけなのですが、その台詞回しが面白いです。

テキストの魅力については最近「MOTHER」シリーズで学んだ部分があるのですが、この王様のブレない、ふざけたスタンスというのも魅力的に感じました。

ステージでクリア条件を満たさず失敗した際には、ちょっとキツイ言い方をされます。

それを不快に思う方もいるとは思うのですが、ここで言い方がマイルドだと王様のキャラクターだけでなく、世界観だったりまでがブレてしまうように感じます。

おそらく、そこまで想定した上でテキストを選んでいると思いますので、その点も素晴らしく感じます。

⑤ 思い通りにいかないからこそ癖になる感覚


塊は思うように転がりませんし、巻き込んだつもりのものも厳しい判定で巻きこめてなかったりと、決して易しいゲームではありません。

しかし、意識せずとも失敗の次に必ず上達も待っています。

例えば、塊を効率よく大きくする上で必ず巻き込んだ方が良いものだったり、最適なルートだったりというのが自ずと分かってきます。

あまり考えずとも、自然と上達していくというのが心地良いため、爽快感とはまた少し趣きが異なるのですが、癖になっていく感覚がありました。

プレイしてみての感想(ネガティブ要素)

① とにかく疲れる


カメラをあちこと動かしながら、目まぐるしく塊を動かすことになるせいか、非常に疲れます。

私は3D酔いする傾向にありますが、何故か「塊魂」については大丈夫ではあります。

しかし、酔って気分が悪くなる人は少なく無いとも思います。

私は頭が痛くなることもたまにありましたが、なによりも目の疲労がとんでもないです。

あっという間に疲れ目になり、目が乾燥し、痒くなってしまうくらいでしたので、短時間しかプレイできません。

プレイできるのは、せいぜい1日に2ステージといったところです。

そうまでしてプレイしてしまう魅力があるのもこのゲームの凄い点だなと感じさせるところではありますが、プレイのし過ぎには要注意だと思います。

② 操作性


塊が意図した方向へ行ってくれないというのはゲーム性の部分で必要なものだとは思うのですが、それでもイライラしてしまう場面はあります。

視認できていない障害物にしつこく衝突され、塊を小さくされた上に身動きが取れないところに嵌り込んでしまうなんていう意地悪な要素もあります。

私がよくやってしまうのは、力が入り過ぎて意図せず”王子ターン”をしてしまうことです。

少なくとも1ステージに2回くらいはやってしまうので、いくら私が下手糞な点を考慮したとしても「その操作性どうなの?」という疑問は湧いてきました。

そして、”王子ダッシュ”につきましては非常に難しい操作で、まず思うようにいかないです。

しかし、とある事情でやり込む上では必須のテクニックなので、なかなか厳しさを感じました。

また、試しに未プレイの家族にプレイしてみてもらったのですが、カメラ操作も独特なので、すぐには適応できませんでしたし、むしろ練習するくらいの意気込みが必要でした。

最初はカメラ操作もままならず、多くの障害物に行く手も阻まれという状況になるので、早々にリタイヤし易いなと感じました。

③ 難しすぎるステージの存在


これは、あるものを巻き込んでしまうとその時点で終了になってしまう種類のステージです。

どんなにテクニックを持っていても少なくとも初見ではどうにもならず、ステージの何処にその罠があるか覚えることから始める必要があります。

「トラウマステージ」とも呼ばれているのですが、私はこれらのステージに関してはプレイするのに気が重く感じます。

神がかり的な回避をしたりすると家族で大盛り上がりしたこともありましたが、なかなか上達せず先が見えないので、なかなか厳しいです。

実は取っていない2つのプレゼントのステージもこちらだったりします。

プレイ意欲を削ぎかねない存在だと思うので、この辺りはもう少し考えて欲しかったなと言うのが正直なところです。

リマスター版では画質の向上により罠の見分けがし易くなっていますが、一方で塊が大きくなっても小さな罠がなかなか消えずに残るため、更に難しくなっている印象です。

「その調整は本当に必要だったのか?」という疑問は湧いてきます。

④ 判定の不可解さ


「どうして巻き込めてないの?」という不思議な判定もみられたりもするのですが、個人的に最も困惑したのがプレゼントの判定でした。

苦労してプレゼントを取ったつもりが、取れていない(衝撃で落ちてしまった)という判定になっており、それを視認することもできないという意地悪なステージがありました。

状況が把握が出来ないので、ステージを最後までプレイして判定を確認するしかなく、結果プレゼント無しでも、何がダメなのか対処法も分からなかったので、繰り返し最後までプレイするという事態に陥りました。

この辺はもう少し分かり易く「プレゼント落ちたよ!」と言ってくれるとかして欲しかったです。

まとめ

初代のリマスターという点で、正直なところ問題点もそのまま残てしまっているというネガティブな印象もあります。

ただ、それだけ斬新なゲームであったという点を改めて評価したくもなります。

原作のプレイヤーで「懐かしいな」という感覚を持っている方や「音楽すきだったなぁ」と言う方は、こちらのリマスター版をプレイした方が良いと思います。

未プレイの方やライトゲーマーの方々についても、1ステージ長くても30分と気軽にプレイできますし、現在でも新しさを感じるゲームなので、是非プレイしてみて欲しいなと思います。

そして、素晴らしい音楽を多くの人に聴いて頂きたいです。

私は歌詞を覚えてしまっているくらいで、熱唱しながらプレイしているというのはここだけの話です。

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